山形県米沢市から車で45分。冬には県内有数の豪雪地帯となる標高900メートルの山奥にひっそりと白布温泉はあります。10軒にも満たない数の宿が集まり、小さいながらも温泉街を形成しています。
1312年に開湯したとされ、江戸時代には米沢藩の隠れ湯にもなっていました。1604年には直江兼続によって鉄砲師が白布の地に集められ、大坂の陣でも使われた火縄銃の製造が行われたと伝わっています。
また古くから白布高湯と呼ばれ、福島の信夫高湯(高湯温泉)、山形の蔵王高湯(蔵王温泉)と並ぶ奥州三高湯の一つにも数えられています。
白布温泉「東屋」もともと上杉米沢藩主の常宿として利用されていたという、たいへん古い歴史を誇っています。元々はお隣の西屋や中屋(現在は移転)とも茅葺屋根の建物でしたが、2001年の火災によって焼失し、今の建物となりました。現在その茅葺屋根は西屋だけとなっています。
宿の玄関へと続く道は緩やかな坂となっているのですが、冬の時期は凍結しないようになんと源泉を上から掛け流しているんです。そのため道路上から湯気が立ち込めています。入る前からその豊富な源泉量が伝わってきますね。
ではさっそく冬の時期にしか見られない絶景を!東屋には男女別に浴室があり、それぞれに露天風呂が設けられています。
男性用の露天風呂は、積雪時には写真のように周りを雪に囲まれた状態になります。一面白い雪の世界のなか、湯船の場所だけぽっかりと穴が開いたようになっています。遠くから見ても相当な迫力です。
女性用の露天風呂は男性用のものほど景色がいいものにはなっていません。その代わり二ヶ所浴槽が設けられています。また残念ながら雪の迫力も男性用に比べると少なくなっています。
温泉に浸かると目の前には巨大な雪の壁に見えます。高さも3メートル程はあり、相当な迫力です!帯状に積み重なっている雪は、今に崩れてこないか心配になってしまうほどです。
湯船に浸かると雪の壁以外ほとんど何も見えなくなるで、まさに究極の雪見露天と言えるでしょう。全国でもこれほどの場所はそうはありません。
もちろん外は寒いですが、それほど露天風呂の湯温は熱めないので、しっかりと温まることができます。
露天風呂の雪見風呂だけでなく内風呂も圧巻の光景になっています。浴室はゴーッという轟音が轟いているのですが、それは高さ3メートルから流れ落ちる滝湯があるからです。しかしかなり高温の温泉が落ちてくるため火傷しそうになるので要注意です!
白布温泉の泉質は硫黄を含んだ硫酸塩泉。サラサラした肌触りでとても入りやすい温泉です。また温泉には超大量の白い湯の花を含んでいます。毎分1500リットルという豊富な湧出量のため、信じられない速さで源泉が掛け流されており、新鮮さの証拠でもある湯の花がたくさん見られるんです。ゴミだと勘違いして捨てないようにしましょう!
東屋の雪見露天ですが、もちろんその時期の天候によってはあまり雪の壁が無かったり、高くなっていないこともあります。ぜひドキドキしながら露天風呂へのドアを開けて、雪の壁があるかどうかを自分の目で確かめてみてください!
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(2025/1/27更新)
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