写真:松田 朝子
地図を見る森の中から忽然と現れる、スケルトンの巻貝のようなフォルム。チバウ文化センターは、カナックの伝統と文化に影響を受けたというイタリアの建築家、レンゾ・ピアノ(Renzo Piano)によって設計された施設です。
写真:松田 朝子
地図を見るこの人目をひく10棟の建物は、カナックの伝統的な家屋、カーズをモチーフに造られており、一番高いところで28メートルの高さがあります。この28メートルという数字は、カナックには28の部族が居て、28種類の言語があることにちなんでいます。まだ基礎工事中かのように見えるのは、カナックの文化が今後も発展するように、あえて未完成状態に造られているそうです。
チバウ文化センターのオープンは1998年。チバウという名前は、ニューカレドニアで民族独立運動の指揮をした、ジャン=マリー・チバウにちなんでいます。敷地内の小高い丘の上には、チバウ氏の銅像も置かれています。
写真:松田 朝子
地図を見る敷地内は、エントランスを入ってしばらく歩くと、10棟のカーズが並んでいるところに出ます。木材と鋼材で造られたカーズは、近くで見ると巨大な籠のようにも見えます。
写真:松田 朝子
地図を見るこのカーズに沿うように資料館やホールが続きます。屋内は様々な展示や文化的なイベントになど使われているエリア。また、屋外にはカナックの文化をモチーフにしたアートや、伝統的な建物などが展示されています。約1時間半の見学コースでは、ガイドさんが屋外のコースを案内をしながら、カナックの暮らしやしきたりなどを話してくれます。
写真:松田 朝子
地図を見るマングローブの森の中の道は、カナック・パスウェイという小道。そばを縫うように伸びています。見どころの要所要所には、人類創世につながる先住民の伝説などが、日本語でも書かれています。
写真:松田 朝子
地図を見るまた、植物はカナック社会と密接なつながりがあり、ここでは、カナックにとって重要な植物が育っています。
ガイドさんによる、そのあたりの説明は大変興味深く、一例をあげると、カナックではココナツは女性を意味します。結婚するときに女性は、ココナツを自分たちの住む家の敷地に植えます。そして子供が生まれるたびにココナツを植えるのですが、その女性(お母さん)が死んだら、ココナツの木は切られてしまうのです。それによって男性(お父さん)は再度結婚できるのだそうで、女性にとってはちょっと切ない話ではあります。そしてカナックに代々受け継がれる結婚、誕生、死における独自のしきたりは、現代も続いていると言われます。
写真:松田 朝子
地図を見るムワカーと呼ばれる、伝統的な儀式のエリアには、3棟のカーズが建てられています。これらは北部州のもの、南部州のもの、そしてロワイヨテ諸島のものと、それぞれ異なった造り。
写真:松田 朝子
地図を見る内部は開いた傘のような形で、中心に太い柱があり、それを支えるかのような柱が放射状に広がっています。天井は高く、ひんやりとした空気は外の暑さを忘れるほど!
写真:松田 朝子
地図を見るニューカレドニアでは、27万人という人口のうち、カナックが40%を占めています。
美しい自然環境に調和しながら暮らしている彼らの文化には、都会生活の中では得られない、自然との関わり合いを学ぶことができます。チバウ文化センターは、カナックの文化の伝承のみならず、自然回帰の意識を新たにしてくれる施設とも言えるでしょう。
住所:Rue des Accords de Matignon, Tina–BP 378–98845 Noumea
電話:+687-41-45-45
アクセス:市営バス、ブルー路線(2番)にてヌメア中心市街地より25分
2018年6月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/5更新)
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