写真:猫乃 みいこ
地図を見る「80日間世界一周」という19世紀の冒険物語のように、栃木を一周したらどれくらいの時間がかかる?そんなことを考えた、栃木県立美術館の担当学芸員さん。それなら、魅力あふれる栃木県を、栃木ゆかりの芸術家たちが創り出した作品を通して、45分間で感じてもらおうという企画展が「45分で栃木一周」です。
作家たちが描く歴史や自然を通して、栃木を知り、栃木を旅してみませんか?
写真:猫乃 みいこ
地図を見る企画展は、日本洋画の父といわれる「高橋由一」の作品展示から始まり、その後は地域ごとに、「足利、佐野、小山の両毛地区」→「足尾」→「日光」→「那須、塩原」→「益子」→「鹿沼、大谷、宇都宮」の順で作品が続きます。
企画展を観れば、まさに栃木を一周することが出来ます。鑑賞のポイントをみていきましょう。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る栃木といえば、真っ先に思い浮かぶ観光地は「日光」ではないでしょうか。今回の企画展では、さまざまな画家が描く「日光」の絵画を鑑賞することが出来ます。
「日光」を描くのは、五百城文哉、小杉放菴、吉田博、川島理一郎、刑部人、長谷川昇、大久保作次郎、向井潤吉。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る画家たちが描く「日光」は、同じ風景やテーマを描いていても、画家によってタッチが全く違うことに気づくことでしょう。
例えば、川島理一郎はダイナミックに、刑部人はスムーズに筆を動かして描いています。作品から画家を知り、また画家から作品を見つけることが出来るはずです。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る次に、どんな画家たちが描いているのかというと、フランスでも評価が高い「川島理一郎」の他に、奄美大島の自然を描いた「田中一村」が、奄美大島に渡る前に描いた貴重な作品も。
陶芸作品では、人間国宝である「濱田庄司」と「島岡達三」の作品を、同時に見比べることも出来ます。益子焼の二大巨匠である、2人の大皿作品を鑑賞出来るチャンスです。
写真:猫乃 みいこ
地図を見るフェルメールの「首飾りの少女」のように、やわらかな表情の絵画は、清水登之の作品「大澤節子像」。まるで、「栃木の少女」と名付けたくなるような作品です。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る展示室を順路通り観ていくと、栃木県内の地域ごとの特徴がわかります。
多くの作品の展示から、よく知られた観光地だけでなく、その他の豊かな自然や、地域の歴史までもが見えてくるのですから、興味深い。
栃木市出身で、若いころにアメリカ留学した画家「清水登之」は、「父の庭」という作品で、その後に東武鉄道の線路が通る庭を描きました。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る栃木県の二大観光地である「日光」と「那須」。それぞれ多くの人が訪れる、人気の地域です。その2つの観光地の絵画には、「日光」は山と湖、「那須」はスケールの大きな高原が描かれていることから、それぞれの土地の特徴がわかります。
また、かつて銅山のあった「足尾」や、鉱毒事件の地である「谷中村」、谷中村が沈んだ「渡良瀬遊水地」を描いた作品もあり、繁栄や公害などの歴史にも触れることが出来ます。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る焼き物の里である「益子」も描かれています。描かれているのは、山や空、土と作業場、そこで働く人々。栃木の焼き物の産地益子で、「益子焼」が作られる光景がダイナミックに描かれています。
今回の企画展には、音声ガイドが用意されていません。音声ガイドの替わりに、作品ごとに、解説パネル「ひと言ガイド」が掲示されている作品も。
「ひと言ガイド」には、それぞれの作品の背景や、作者の豆知識などが書いてありますので、チェックして理解を深めてくださいね。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る企画展の鑑賞前後のお楽しみとして、美術館内のレストラン「つくし」では、企画展「45分で栃木一周」限定メニューが食べられます。栃木県産の食材を使った「つくし御膳」は、数量限定でランチのみの提供。
他にも、軽食やケーキ、ドリップで淹れるコーヒー、自家製のアレンジティーなどのメニューがあります。企画展の余韻を楽しみながら、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。
写真:猫乃 みいこ
地図を見るミュージアムショップでは、宇都宮の「御菓子司 濱田家本店」が手掛ける、こだわりの和菓子を購入することが出来ます。こちらは、お茶席の主菓子や干菓子を手掛ける老舗和菓子店。栃木県の季節感あふれる銘品を、お土産にしてみませんか。
写真:猫乃 みいこ
地図を見る栃木県立美術館は、1972年の開館以来、近現代美術の作品を展示しています。エントランスは、写真のタワーから。
タワー横の巨木は、美術館開館以前から歴史を刻んでいます。今回の企画展は、歴史ある栃木県立美術館で、気軽に栃木が描かれた芸術に触れるチャンスです。
いかがでしたか?紹介した作品を含めて、125点もの作品が展示されている企画展「45分で栃木一周」。餃子や石の街大谷散策と合わせて、45分で栃木を旅して、栃木の魅力を再発見してみてはいかがでしょうか。
そして、次の栃木県への訪問時には、作品に描かれた場所を実際に訪れてみてくださいね。
2020年7月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/2/4更新)
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