写真:沢木 慎太郎
地図を見る「深山砲台跡」があるのは、和歌山県和歌山市加太(かだ)の北側に位置する深山。加太周辺は、万葉の時代から、「潟見の浦(かたみのうら)」と詠まれている景勝地。海水浴や温泉でも人気の観光地です。
「深山砲台跡」へアクセスするには、休暇村紀州加太を目指しましょう。休暇村紀州加太のすぐ手前に、「深山砲台跡ハイキングコース」の入口(写真)があり、無料の駐車場(深山砲台跡への駐車ポイント)が整備されています。場所は、写真下の地図で確認してみて下さい。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る「深山砲台跡ハイキングコース(自然の小径)」は、瀬戸内海国立公園にも指定されているコース。天気が良ければ、爽やかな気持ちのいいハイキングを楽しむことができます。
レンガ造りの散歩道を進めば、砲台跡や展望台のエリアもすぐ。歴史と自然を感じることができ、大阪などから日帰りで気軽に行けるスポット。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る入り口からすぐ近くにある戦争遺跡が「深山第1砲台跡」。こちらでも、友ヶ島と同じ時期に造られた砲台跡を見ることができます。
深山砲台は、友ヶ島、淡路島を含む「由良要塞」の一部として造られた明治時代の軍事施設。紀淡海峡から大阪方面に侵入する敵艦を、大砲で攻撃するために築かれました。深山地区には、3つの砲台跡があり、弾薬庫跡(写真)や砲台跡、トンネルが今でも残ります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る弾薬庫(火薬を貯蔵する施設)は、爆撃を受けても大丈夫なように地下に造られました。重厚で厳かなレンガ造りの要塞跡は戦争当時の面影を色濃く残し、異質な空気に包まれています。
地下に差し込む陽光を受け、毅然と建ち続ける姿は独自の美しさがあります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る深山第1砲台では、6門の28センチ砲台が置かれていました。大砲は、2門ごとに仕切られ、トンネルの通路でつながっています。
こちらがそのトンネル。100年以上も前に積みあげられたレンガ造りのトンネルが、今も芸術的な美しさを保ち続けています。風化や震災にも耐え、びくともしないとは。日本の土木技術の素晴らしさに驚かされますね。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るハイキングコースを進み、深山第1砲台を抜けたすぐ先には、紀淡海峡が一望できる展望台があり、絶景スポットとしておすすめ。青い大海原が広がり、とても爽やか。
手前に見える島が、友ヶ島(地ノ島、虎島、神島、沖ノ島の総称)。
友ヶ島の沖ノ島は、『天空の城ラピュタ』を思わせる砲台跡が見られることで人気があります。
展望台からは、淡路島や四国の山並みも見えます。さらに、視線を右に移せば、神戸市街や六甲・摩耶山の山並み、明石海峡大橋を望むことも。眺望がいい場所なので、お弁当を持って、ランチを楽しまれてはいかがでしょうか?
写真:沢木 慎太郎
地図を見る一方、深山第2砲台跡は、休暇村紀州加太の敷地内(駐車場)にあります。こちらにも弾薬庫跡が残っていますが、立ち入りは禁止。しかし、地下にある弾薬庫跡を見下ろすことができます。
休暇村紀州加太では、宿泊しなくても、日帰り温泉プラン(食事&入浴)もあるので、深山砲台跡巡りのハイキングでぜひ立ち寄ってください。
<休暇村紀州加太の基本情報>
住所:和歌山県和歌山市深山483
電話番号:073-459-0321
アクセス:阪和自動車道・和歌山北ICから車で約20分
※南海電車「加太駅」から送迎バスあり
写真:沢木 慎太郎
地図を見る深山砲台跡のハイキングコースは、海岸までのびているので、海まで行ってみましょう。海岸には水雷発射場跡もあります。
写真は、海岸近くにある男良谷砲台跡。貴重な戦争遺跡を今に伝えます。人々の姿が消えた重厚な要塞は、ラピュタの世界観と重なるかもしれません。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るハイキングコースの終点は、こちらの海岸。岩場となっていて、海水浴には適しませんが、魚釣りを楽しむ穴場スポットとしても人気があります。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらも、さきほどと同じ場所を撮影した写真ですが、この堤防のような施設も、実は軍事施設の一部。砲台跡のほかにも、海岸には水雷の発射基地跡も残っています。
水雷(すいらい)というのは、水中で爆発させて敵艦への攻撃を行う兵器(魚雷や機雷など)の総称です。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る海岸沿いには、旧日本海軍の深山水雷基地があったとされています。写真も水雷基地跡の一部。海へと降りる階段のすぐ隣に、ご覧のような水路跡があります。保存状態が良く、今も通水施設としての役割を持っています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るこちらも水雷基地跡の一部。海岸の崖に城壁のような巨大な構造物が設置され、トンネルが不気味にぽっかり口を開けています。水雷の発射座となる施設で、この前に水雷を投射する施設があったとされています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見るさきほどの城壁のような構造物の裏側には、このようなレンガ造りのトンネルがぽっかり暗い穴を開けています。ちょっと不気味な雰囲気。水雷を海へと運ぶためのトンネルと推測されています。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る男良谷砲台跡の周辺には、水雷格納庫や機関室、電灯座などが置かれていました。写真は、電灯座付近にある施設の残骸。背後には、水路のような施設も見えます。
写真:沢木 慎太郎
地図を見る深山砲台も、友ヶ島の砲台群と同時期に建設されているので、同じ雰囲気が漂います。美しい夕日が見られる名所でもあり、車やバイク、自転車でも行けるので、ぜひ深山砲台跡も巡ってみて下さい。
加太は、夕日が美しい名所。和歌山県朝日・夕陽百選にも選ばれているので、ハイキングの締めくくりにぜひご覧ください。
深山砲台を含む「由良要塞」は日露戦争を想定して整備され、その後、太平洋戦争では本土防衛としての役目も担いました。今は映画やドラマのロケ地としても使われ、ディープなスポットとしても人気があります。
なお、和歌山のおすすめスポットや関西のディープスポットなどについてもまとめていますので、ご興味のある方は関連MEMOに張り付けたリンクからのぞいてみて下さい。
住所:和歌山県和歌山市深山
電話番号:073-435-1234(和歌山県和歌山市観光課)
アクセス:阪和自動車道・和歌山北ICから車で約20分
ハイキングの所要時間:約60分
駐車場:あり(無料)
2020年10月現在の情報です。最新の情報は公式サイトなどでご確認ください。
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(2025/1/28更新)
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