中国東北部(黒龍江省、吉林省、遼寧省)の中で、最も南に位置する人気観光地・大連。旧満州の玄関口でもあり、現在もロシア、そして日本統治時代の名残が色濃く残されています。そのため、他の中国の都市とは異なる歴史風情をたっぷり楽しめる場所。
今回は、元旅行会社スタッフのトラベルjp ナビゲーター 木内つばめが、大連のおすすめスポットをご紹介します。
現在の「大連駅」の駅舎は、日本の統治下にあった1937年に日本人の設計により建てられたもの。パッとみて気付く方もいらっしゃるでしょう。そう、上野駅にとってもよく似ているのです。現在の上野駅駅舎が完成したのが1932年なので、ほぼ同時期に建てられたのがわかりますね。日本と重なる部分を見つけるのも、大連観光の面白さです。
<基本情報>
住所:中山区
アクセス:大連周水子国際空港から車で約30分
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旧満州の玄関口「大連」 -旧日本橋から空中リフトまで‐by 飛騨屋 勘左衛門
地図を見る歴史と共にいくつもの名で呼ばれてきた「旧日本橋」。1899年に帝政ロシアが建て“ロシア橋”と名付けられ、日露戦争により壊された橋は日本当局により造り直されて“日本橋”と改名。第二次世界大戦終戦後からは“勝利橋”と呼ばれています。
大連港と大連駅とを結ぶ陸橋で、橋を渡れば、ロシア風情街(団結街)へと入って行きます。
<基本情報>
住所:中山区上海路
アクセス:路面電車203路「勝利橋」で下車
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旧日本橋から800m程行った所にあるのが「中山広場」。日本が支配した1905年以降、ここ一帯は計画的に西洋風の街づくりが行われたエリアです。
広場を囲むレトロな近代建築物のほとんどは、1908年から1936年にかけて建てられたもの。周囲の高層ビルに埋もれているものの、今もなお現役というから驚き!文化財としても大切にされています。
<基本情報>
住所:中山区
アクセス:地下鉄「中山広場駅」からすぐ。旧日本橋からは徒歩約15分
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旧満州の玄関口「大連」 -旧日本橋から空中リフトまで‐by 飛騨屋 勘左衛門
地図を見る「旧大連ヤマトホテル」は、中山広場の南方の一角を占める古色豊かな洋館。日本統治時代は南満州鉄道会社が経営しており、大連を代表するホテルでした。当時の建物のまま現在も“大連賓館”として営業中。2階にはゆったりとくつろげる喫茶室があり、中山広場を眺めながら小休止ができます。
<基本情報>
住所:中山区中山広場4号
アクセス:地下鉄「中山広場駅」から徒歩1分
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大連駅の北側に位置するロシア統治時代の行政区跡地は、当時多くのロシア人が住んだことから「ロシア風情街」と呼ばれています。現在は、旅行・観光・ショッピング・レジャー・飲食・娯楽が集まる界隈。全長約400mの中にたくさんの露店も出ていて、中国にいながらにしてロシア情緒を満喫できます。
<基本情報>
住所:大連市西崗区勝利橋北
アクセス:旧日本橋から徒歩5分
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大連観光の足としてもぜひ乗っていただきたいのが、路面電車。大連には現在2系統(201路・202路)の路線があり、そのうちの201路では戦前の古い電車が現在も活躍しています。運賃は乗車するときに支払う方式なので、中国語ができなくても気軽に利用できるのが嬉しいですね。 この写真の記事を見る ≫
旧満州の玄関口「大連」 -旧日本橋から空中リフトまで‐by 飛騨屋 勘左衛門
地図を見る「労働公園」は、日本統治時代に“中央公園”と呼ばれた広大な公園。当時は公園の中に相撲場やゴルフ場、乗馬施設などがあり、なんと虎も飼っていたとのこと!そのため、“老虎公園”と改名した時期もありました。
現在は、太極拳を楽しむなど現地の方々の日常を垣間見れるような場所となっています。
<基本情報>
住所:中山区解放路5号
アクセス:大連駅から徒歩15分
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旧満州の玄関口「大連」 -旧日本橋から空中リフトまで‐by 飛騨屋 勘左衛門
地図を見る労働公園の南側にある緑山。徒歩で登山することもできますが、おすすめは「空中リフト」。標高差約200mの距離を15分程度で結んでいます。リフトはスキー場にある昔ながらの2人乗りのもの。少しスリルを感じながらも爽快に大連の空を散歩することができます。頂上では大連市内を一望することも可能です。
<基本情報>
住所:中山区緑山巷99号
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星海湾を跨ぐ全長約6.8km、海面からの高さ約30mという「星海湾海上大橋」。歩道も設けられており、オンシーズンには海上散歩を楽しむ人々で賑わいをみせます。夜は星海広場から七色にライトアップされた橋を眺めることも。幻想的な世界に包まれます。
<基本情報>
住所:沙河口区浜海大道
アクセス:大連空港から車で約30分
日本の歌舞伎に近い「京劇」は、中国を代表する伝統文化。大連にも人気の劇場があります。以前は中山区にあった元東本願寺大連別院が、大連京劇団麒麟舞台として、多くの日本人を集める京劇の公演場になっていました。
現在は、大連駅近くの天津街の日航ホテル斜め向かい側にある宏済大舞台で、活気ある舞台を見ることができます。
<基本情報>
住所:中山区民生街59号
アクセス:大連駅から車で約5分
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大連はガラスの原材料である硅砂の産地。そのため、お土産として有名なのがガラス製品。特に日本人に人気なのが「大連切子」。日本から伝えられた切子の技術が現在も受け継がれており、世界中に輸出されています。
写真のように南満州鉄道のマークの入った大連切子のグラスも。鉄道ファンにはたまりませんね!
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旅順口区にある「203高地」は、日露戦争で旅順港を巡って攻防を繰り広げた激戦地。数々の賞を受賞した映画『二百三高地』や、小説『坂の上の雲』の舞台としても有名です。また、映画化された漫画『ゴールデンカムイ』でもこの場所が登場します。
作品を鑑賞してから訪れると、さらに印象強い見学となるでしょう。
<基本情報>
住所:旅順口区長江路1号203景区
アクセス:大連周水子国際空港から車で約1時間30分
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新旧が交差するような街、大連。映画やドラマのセットのようなレトロな建物が今も使用されており、そこで人々が暮らしているという日常に心惹かれるものがありますね。日本からは直行便で3時間前後でアクセスできるので、短めの休暇でも訪れやすい旅先。リゾートやグルメよりも、歴史を辿るような観光をしたいときは、ぜひ大連を候補にあげてみてくださいね!
(文:木内つばめ)
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(2025/1/26更新)
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