ママタルト檜原が生み出した“ミュージックシャンプー”は風呂キャンセル界隈も救う？／ママタルト檜原の楽しみ日記

「M-1グランプリ」にて2022年から2年連続で準決勝に進出し、2024年には悲願の決勝進出と着実に認知度を高めているお笑いコンビ・ママタルト。独特な言い回しの長尺ツッコミが癖になるツッコミ担当・檜原洋平さんは、持ち前の陽気な性格とハッピーオーラで笑顔を届けるご機嫌ボーイです。「ママタルト檜原の楽しみ日記」では、そんな檜原さんの生活にある“お楽しみ”を皆さんにおすそ分け！第5回では、「R-1グランプリ」とミュージックシャンプーについて綴ります。

第5回「ミュージックシャンプー」

時が経つのは早いもので、第5回の更新がやってきました。僕がエッセイを書くお笑い芸人、エセ芸人になってもう2ヶ月が経つというのですから驚きです。

すっかり身も心もエセ芸人になったので、これもエッセイにできるんじゃないか、あれもエッセイにできるんじゃないかという日々を送っています（すみません素敵じゃないかに四つ子の弟子が入門してきて、その4人を２つのコンビに分けた時みたいに言ってしまって）。

そんなエセ芸人の僕はこの前R-1グランプリの準々決勝に出ました。結果こそ敗退者状態となりましたがすごく楽しかったです。

というのも例年僕のR-1グランプリは「優しい男」という優しいことをたくさん言うネタ（例「マイベストフレンドは最近、街ゆく小学生に注意喚起してるぅ？俺はしてるよぉ。小学生のこの季節といったら、卒業式を控えてるやろ。やから俺よぅ、街で小学生のグループを見かけたら、『いやぁ、そろそろ卒業式が近づくにつれて給食のラインナップが激アツになりだすから、うがいとか手洗いしていかなあかんなぁ〜！！！』と、その子らに聞こえるようにひとりごとを言うようにしてるんや」など）をしてるんですが、今年の準々決勝では「優しい男」を封印。

新しいキャラ「ツッコむ男」で挑むことに決めました。

「ピューと吹く!ジャガー」に出てくる突吉（つっきち）こむ平に憧れてお笑い芸人を目指した僕ですから、「小せえ小せえ！そんな小せえツッコミじゃ誰も笑わねえよ！」と言わんばかりに大きくツッコむネタで挑むことにしたのです。

一度だけライブで披露した時はかなりの好感触。かもめんたるのう大さんに「今年は決勝あるかもしれません」とウソをついてしまうほど野心を持ってしまいました。

準々決勝で披露した「ツッコむ男」は、やっていて楽しく前半のウケもよかったので満足だったのですが、ひとつだけミスがありました。僕の出た３つ前のブロックで大鶴肥満が「宇宙に行ったのに少し重力が残ってる」というネタをしていたのです。

それを知らず僕は「喫茶店に行ったら友達から将来宇宙飛行士になりたいと相談される」というネタをしてしまい、まるで僕と大鶴肥満のコントは同じ世界線で繋がっているみたいになったのです。

「Bブロックで出てきた大鶴肥満の世界より、Eブロックで出てきた檜原の世界の方が時間軸的には先なのか！」「2人のネタを合わせて見ることで、夢は叶うというメッセージを読み取ることができるのか！」という風な考察ができるみたいになってしまいました。これはうっかり。

今回のお楽しみは、いよいよこれを出す日が来たか、ミュージックシャンプー。

読者のみなさん「おいおい！もうミュージックシャンプーを出すって！本気かよ!?」
檜原「温存したって意味ねえよ。常に全力でいかねえとな人生は。」
読者のみなさん「たまらねぇ！たまらねえよ」

ミュージックシャンプーとは僕が生み出したビッグコンテンツ。音楽に合わせて頭を洗うというエンターテイメントです。

2024年初頭に僕のXで何作品かを投稿したところ大きな反響がありました。「お風呂が面倒くさかったんですがミュージックシャンプーしたくてお風呂行きました」というダイレクトメッセージが4〜5通も届いたのです。

そこで僕はミュージックシャンプーが世界的に流行するポテンシャルを秘めたコンテンツであることを確信。ミュージックシャンプーがブレイクしすぎて風呂キャンセル界隈への講演会や海外のフェス参加などの仕事が増えて、コンビ活動に支障をきたす可能性を考慮し春には封印しました。

その年、僕たちはM-1グランプリ決勝進出。これはやはり、世の中は実家が太い人間が成功しやすいのと同じ理由で、僕にはミュージックシャンプーという大きな知的財産があるという余裕がいい結果をもたらしたということでしょう。

ただミュージックシャンプーにはひとつだけ欠点が。撮影する時は浴槽にスタンドを立ててスマホで撮るのですが、ミュージックにテンションが上がりすぎて体の全部が映り込むことがよくあるのです。その度に撮り直しをするためミュージックシャンプーの撮影日は8回ほど頭を洗うことになり、頭皮にダメージを負ってしまうのです。

ミュージックシャンプーで世界的な人気を得るころには、洗う髪の毛が無くなっている。こんな笑い話がありますか？皆さんも洗いすぎにはご注意を。