タイトルは釣り気味です。語呂合わせか何かで一気に覚えたわけではなく、あくまで私個人が、それまで理系科目などで断片的になじみがあったところへ、いくつかきっかけが加わり、そこへさらにちょっとの工夫と努力をつけ加えたら覚えられたというメモです。他人の参考になるか保証の限りではありません。
きっかけというのは、もちろん新型コロナウイルス変異種です。デルタ(δ)株はまだしも、ラムダ(λ)株って何番目、オミクロン(ο)株は…となりません?(蛇足ながら δ は4番目、λ は11番目、ο は15番目
先行研究(?)は一応ぐぐって確認しましたが、語呂合わせで一気に覚えようというものは見当たらず、河北新報 さんのこちらの記事では「きらきら星」のメロディに乗せる YouTube が…
こちらのブログには『もののけ姫』の主題歌に乗せて歌う覚え方が載っていましたので、ご参考までにブログカードで紹介します。
目次
大文字 | 小文字 | 読み |
Α | α | アルファ |
Β | β | ベータ |
Γ | γ | ガンマ |
Δ | δ | デルタ |
Ε | ε | イプシロン |
Ζ | ζ | ゼータ |
Η | η | イータ |
Θ | θ | シータ |
Ι | ι | イオタ |
Κ | κ | カッパ |
Λ | λ | ラムダ |
Μ | μ | ミュー |
Ν | ν | ニュー |
Ξ | ξ | クサイ |
Ο | ο | オミクロン |
Π | π | パイ |
Ρ | ρ | ロー |
Σ | σ | シグマ |
Τ | τ | タウ |
Υ | υ | ユプシロン |
Φ | φ | ファイ |
Χ | χ | カイ |
Ψ | ψ | プサイ |
Ω | ω | オメガ |
5字ずつ区切るといいことあるよ
最初に区切り方について、ギリシャ文字アルファベットは24文字ですから4字または6字で区切ると余りが出ませんが、なぜか私は5字で区切る習慣がついてしまっており容易に変更できませんでした。
ラテン文字アルファベットは26字だから余りが出ないように区切るのは困難で、たぶん「ABCのうた」の影響で7字区切りをする人が多いんじゃないか、ってことでご容赦願います。
後述しますが、5字ずつ区切ると順番がラテン文字アルファベットと似ているところと似ていないところが、わりとよく固まるんですよ。
以下「第○ブロック」という呼称は、便宜的につけた本稿だけのものです。
第1ブロック(α~ε)
これはそのまま覚えている人が少なくないのではと想像します。なぜなら3番目を除いてラテン文字アルファベットと音価が似ているからです。音価とは何ぞやの言語学的な議論を始めると極めて面倒臭くなるので、ざっくり省略します。
改めて考えると、ラテン文字の c とそれから g あたりは、外国人から見たらヘンな子音なんですよね。なんでカ行、サ行、タ(チャ?)行、それからガ行、ザ(ジャ?)行が同じ文字で表せるんでしょうか?
α β γ δ ε
a b(c)d e
第2ブロック(ζ~κ)
ここで突然ラテン文字最後の z に似た ζ が登場するのに唐突感を覚えます。ガンダムシリーズ地上波第2弾が『機動戦士Ζ〔ゼータ〕ガンダム』だったことを思い出すなりなんなりして、無理くり呑み込むしかないと思います。と言いつつぐぐるとΖガンダムは35年前!? 若い人にはわかんねーか。
ここから「○ータ」という読みが3つ続きます。これも暗記に役立つ重要な特徴だと思われます。
三角関数の角度に使われたりして有名(?)な θ(シータ)が8番目に出てきますが、θ と 8 は形が似ていなくもない(?)ということで手掛かりにできそうです。
η(イータ)と ι(イオタ)という、音価が似ていそうな文字があいついで登場するのはややこしいです。古代ギリシャ語には長母音と短母音の区別があるということをどこかで聞きかじっていたので(田中美知太郎他『ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン(新潮文庫)』経由だったかな?)、確認のためぐぐったら、η は意外にも ε の長母音! なお α と ι は長母音と短母音どちらも表すとのことでした。
κ(カッパ)はなんとなく存在感があるので(なんだそれ?)なんとかしてください。
ζ η θ ι κ
第3ブロック(λ~ο)
前述の通り λ(ラムダ)が11番目、ο(オミクロン)が15番目。そして部分的にラテン文字の L ~ O と配列が似ているので、比較的攻略が楽な箇所ではないかと想像します(直前の κ、直後の π もラテン文字の順番と同じ)。
ξ(グザイ)は、それなりに存在感があるのでなんとかしていただくしかありません。
ο は短母音、ギリシャ文字最後の ω(オメガ)は長母音だそうです。
追記:
オメガの「メガ」は「大きい」の意、オミクロンの「ミクロン」は「小さい」の意とするツイートを見かけました。オメガは長母音、オミクロンは短母音なのでなるほどと思ったのですが、裏は取っていません。
追記おわり
λ μ ν ξ ο
l m n(x)o
第4ブロック(π~υ)
有名人(?)の π(パイ)が16番目に、σ(シグマ)が18番目に登場します。局所的にラテン文字と配列が似ているのは π まで続き、ラテン文字 q を飛ばして σ から再開します。
やや困難な ο、π、ρ という部分を「おっぱい低い」とか何とか語呂合わせしたくなりますが、時勢に合わないので自粛します(してない)。
追記:
ところでイプシロンとユプシロンが似ているので検索したところ、日本語サイトですが接尾語(?)の「プシロン」は「単純な」とか「飾りがない」とかいう意味だとするページがヒットしました。おそらく短母音という意味だと想像されます。
追記おわり
π - ρ σ τ υ
p(q)r s t u
第5ブロック(Φ~ω)
最後にして最大の難関のように思えます。Φ(ファイ)、χ(カイ)、ψ(プサイ)は単独のラテン文字で音価が似ているものが見当たりません(それぞれ ph、ch、ps)。それぞれ有気音であり、また綴りに特徴的な縦棒(|)があることなどを手掛かりに、力づくで覚えるほかないようです。
ω〔オメガ〕は聖書の「私はアルファであり、オメガである」などで、ギリシャ文字アルファベットの最後であることは知られているのではないでしょうか。
Φ χ ψ ω
以上を3行でまとめると…
- 5字ずつ区切れ
- 第1、3、4ブロックは順番がラテン文字アルファベットと似ている
- 第2ブロックは「○ータ」という読みが、第5ブロックは有気音が3つ連続する
こうして無理やり理屈付けをしてとにもかくにも覚えたとしても、復唱するとどうしてもつっかえつっかえにならざるを得ず、あとは反復練習あるのみのようです。
そんなことやってられるか~! (ノ`Д´)ノ彡┻┻ とおっしゃる方も少なくないでしょうが、世の中には寝つきが悪い人種が少なからず存在するので、寝床の中で反復するにはうってつけのネタの一つではないかと愚考します。
なんとなくここで、大昔にNHK『みんなのうた』でオンエアされた「今でも船長と呼ばれている船長の夜」という歌を思い出し、探してみました。オリジナルはありませんでしたがカバーが見つかりました。YouTube「もっと見る」から歌詞も読めます。
今にして歌詞を読むと、なぜか東アジア起点西回り航路になってるんですよね。
タイトルの「今でも船長と呼ばれている」という部分にも、感じられるものがあります。
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