いと‐かわ〔‐かは〕【イトカワ/糸川】
イトカワ
名称:イトカワ/1998 SF36
小分類:小惑星
属する銀河:銀河系
衛星:なし
到達・観測した探査機:はやぶさ
大きさ:最長部約535m、最短部約209m
軌道:近日点0.953天文単位、遠日点1.6947天文単位、長半径1.3238天文単位
自転周期:12.1324時間-
質量:(3.510±0.105)×10の10乗kg
平均密度:1.90±0.13g/立方cm
1998 SF36は、1998年9月にアメリカのリンカーン研究所が発見した小惑星です。2003年、日本のロケットの生みの親である故・糸川英夫博士にちなみ、 イトカワ(ITOKAWA)と命名されました。最長部約535m、最短部約209mの、主に岩石質からできている原始的小惑星です。 2005年秋には小惑星探査機はやぶさが到達し、科学観測を行いました。
小惑星1998 SF36(イトカワ)は、1998年9月にアメリカのリンカーン研究所が発見しました。遠い未来に地球に衝突するかもしれないとも考えられています。「はやぶさ」が観測した結果、イトカワの推定密度は、地球上の普通の岩石よりやや小さいことが分かりました。今まで考えられてきたよりも大きな内部のすき間(空隙)が存在する可能性を示しています。
2.どんな特徴があるの?
ラッコのような不規則な形をしています。イトカワは、惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体と考えられています。これまでアメリカの探査機がいくつかの小惑星探査を行っていますが、それら小惑星は大きさが約20~60kmで、これらの星に比べると、イトカワはけた違いに小さい惑星といえます。
3.どんな環境の星なの?
イトカワは2つの大きな塊がくっついたような形をしています。その表面は、レゴリスが堆積する滑らかな地域と、岩の塊が非常に多い凸凹した地域に分けられます。レゴリスに覆われていない裸の小惑星の姿が観測されたのは史上初めてです。広い範囲にたくさんの岩塊があり、最大級では長さは約50mにもなります。おそらくイトカワよりも大きな元の天体があって、その天体が破壊された時に出た破片がイトカワになり、同時に出たより細かい破片がその上にふり積もったものと考えられます。
2005年秋に「はやぶさ」が到達し、9月半ばから11月下旬まで科学観測を行いました。表面には2回着陸し、そのうちの1回でサンプル採取を試みました。成功すれば世界初のサンプルリターンミッションとなります。地球への帰還は2010年の予定です。
「イトカワ」の例文・使い方・用例・文例
- 「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」に到着
- 9月12日,宇宙探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」の約20キロ圏内に到達した。
- 11月,その探査機は小惑星の表面から岩石を採取するため,一時的にイトカワに着陸する。
- はやぶさによって撮影された写真によると,イトカワはジャガイモのような形をしている。
- イトカワまでの約3億キロを飛行するのに2年4か月かかった。
- 2007年6月,探査機はイトカワからの岩石のサンプルを持って地球に戻ってくる予定だ。
- 「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」に着陸
- 宇宙航空研究開発機構(JAXA)によると,宇宙探査機「はやぶさ」は小惑星「イトカワ」から岩石のサンプルを採取したようだ。
- 11月26日,はやぶさは試料採取ホーンを使って数秒間イトカワに着陸し,小惑星の地表に2発の弾丸を発射した。
- はやぶさは,イトカワを発(た)った後,エンジンの故障を起こし,JAXAはいまだに問題の原因を究明中だ。
- 6月13日,日本の宇宙探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」までの7年間,60億キロの旅を終え,地球に帰還した。
- カプセルには小惑星イトカワの地表の試料が入っていることが期待されている。
- 同機は約20億キロ旅した後,2005年9月12日に小惑星「イトカワ」に到着した。
- 続いて,はやぶさは試料を採取するためイトカワに着陸した。
- そのカプセルにイトカワの試料が入っているかどうかわかるまでにはしばらくかかる予定だ。
- 6月,初代はやぶさが小惑星「イトカワ」への7年の旅を終え,地球に無事帰還した。
- 11月16日,宇宙航空研究開発機構(JAXA)は,宇宙探査機「はやぶさ」によって持ち帰られた試料が小惑星「イトカワ」の鉱物粒子を含んでいたと発表した。
- さらに,これらの試料の組成はイトカワの表面の組成と一致しているとわかった。
- イトカワの表面の組成は,はやぶさがこの小惑星に接近したとき,同機によって推定された。
- これらの理由から,鉱物粒子はイトカワのものであるという結論に達した。
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