オン‐プレミス【on-premises】
オンプレミス
【英】on-premise
オンプレミスとは、企業などが情報システムの設備(ハードウェア)を自社で保有し、自社の設備において運用することである。システムの自社構築という意味を含む場合もある。
オンプレミスの「プレミス」(premise)とは、英語で「構内」「店内」という意味の語である。
オンプレミスは、もっぱらクラウドサービスやデータセンターを利用する運用形態と対比して用いられる。オンプレミスな運用はインフラごと自社の資産として自社内で管理・運用するため、初期投資がかさみやすく、保守・管理にも高度な知識を備えた人材が必要になるなどの側面がある。その分だけシステム設計や運用の自由度は高く、クラウドサービスやデータセンターの事業者の都合で運用方法が制限されるといった懸念も排除できる。
クラウドの概念が登場して普及する以前は、情報システムは自社内で運用する(オンプレミスの)方式が標準的だった。その頃は特にオンプレミスとは呼ばれていなかった。クラウドコンピューティングやクラウドサービス、SaaS、PaaSといったシステム運用方法が一般に普及したことで、従来型の自社内運用を明示的に示す言い方として「オンプレミス」の語が用いられるようになったといえる。
オンプレミス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/07 18:17 UTC 版)
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オンプレミス(英語: on-premises)とは、サーバやソフトウェアなどの情報システムを、使用者が管理している施設の構内に機器を設置して運用することをいう。プレミス(premise)は「構内」「店内」の意味。 「自社運用」ともいう[1]。プレミス、OnPと表記されることもある。
概要
元来は情報システムの構築・運用形態としては唯一であったため、それ自身を表す名称は必要とされなかった。しかし、1990年代末 - 2000年代前半にブロードバンドインターネット接続が普及したことにより、情報設備の構築・維持をアウトソーシングする手法として、インターネットに接続された外部のサーバファームをリソースとし、自社の情報システムの規模に応じてオンデマンドで活用する新たな運用形態が実現可能な状況となった。この概念がSaaSやPaaSとして事業化され、2006年以降はクラウドコンピューティングという名称が提唱されて社会に浸透するにつれ、それらオンデマンド形態からリソースを主体的に管理する従来の運用形態を区別するためのレトロニムとして、2010年頃から「オンプレミス」の語が一般的に用いられるようになった。
クラウドコンピューティング型のサービスを使う場合の利点には、初期コストや固定的な保守運用コストを低く抑えられる点などが挙げられるが、その一方では反応速度やセキュリティ、カスタマイズ性、可視化性といった別の面を考慮する必要がある。また、課金体系がオンデマンド、すなわち従量制の場合には、事業の伸長性によって経済効率を見極める必要も出てくる。金融業や防衛産業など、事業モデルによってはオンプレミスが好まれる場合も多々ある。したがって、実際の運用においてはオンデマンドへの単純な移行ではなく、ユーザはさまざまな要素を考慮しながらクラウドとオンプレミスの連携を図る必要があるとする見方や[2]、また日本国内の後発ベンダはそういったニーズに応える形のビジネスモデルに注力するだろうとの予想が各アナリストから提示されている[3]。ハードウェアを買い込んで社内に設置する必要がなく、手軽であるため、オンプレミスからフルクラウドへの移行は続いている。
プライベートクラウドと呼ばれるクラウドコンピューティングの施設をオンプレミスとして運用する方法もある。
脚注
- ^ “オンプレミス − @IT情報マネジメント用語事典”. アイティメディア株式会社. 2010年8月30日閲覧。
- ^ “クラウドを企業で利用する際の最大の課題は、業務プロセスの連携だ - インタビュー:ITpro”. 2010年8月30日閲覧。
- ^ “国内クラウド市場は2015年に7438億円規模に、5年で5倍−矢野経済研究所:ニュース”. 日経BP社. 2010年8月30日閲覧。
関連項目
- オンプレミスのページへのリンク