スマートダストとは? わかりやすく解説

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スマートダスト

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/11 02:25 UTC 版)

スマートダスト(賢い塵、英語: Smartdust)はセンサーネットワークの一種でファームウェアにTinyOSを使うものを主に言う。

概要

現在のモノのインターネットユビキタスコンピューティングの先駆けに相当する概念で[1]センサネットワークを形成するためにセンサーと発電素子を備えた微細な大量のマイクロマシンを使用する概念は1992年にランド研究所で考案され、1990年代半ばに国防高等研究計画局のISAT計画の一環として研究が進められ、1996年にアメリカ真空学会と1999年にMobiComで発表された[2][3]。ワイヤレスセンサーそのものをスマートダストと呼ぶ事もある[1]

モート(埃、mote)と呼ばれる個々のマイクロスケールのセンサーには無線通信機と複数のセンサーが備えられており、多数のモートが互いに接近すると自動的に連携して機能的なネットワークを構成する[2]

発表当初はセンサネットワークの究極の姿であると考えられていたが、考案から20年以上が経過してもまだ実現されていない[4][3]

課題

  • センサーのデータサイズと無線ネットワーク容量が限定的で、普及に至る目的用途が見つからなかった。
  • 二乗三乗の法則により、小型化すれば充電池に蓄積できるエネルギー量はサイズの3乗に比例して減少する。
  • 太陽電池のような発電素子は発電量が面積比例するので、小型化すれば発電量はサイズの2乗に比例して減少する。
  • システムのメンテナンスコストが高額となる[5]

脚注

  1. ^ a b 長健太、大須賀昭彦本位田真一知的移動エージェントによるマルチパーパスワイヤレスセンサネットワークアプリケーション」『情報処理学会論文誌』第47巻第12号、情報処理学会、2006年12月、3165-3178頁、ISSN 1882-7764NAID 110006160075 
  2. ^ a b 光と温度を感知する超小型センサー『スマートダスト』, http://wired.jp/2001/05/30/光と温度を感知する超小型センサー『スマートダ/ 
  3. ^ a b 猿渡俊介. "スマートダストから 10年: 無線センサネットワーク技術の現状と課題 (RFID とセンサネット, システムオンシリコン, RFID 技術及び一般)." 電子情報通信学会技術研究報告. SIS, スマートインフォメディアシステム 108.334 (2008): 57-62., NAID 110007115022
  4. ^ 戸辺義人「センサネットワークの嘘本当これから」『情報処理学会研究報告. マルチメディア通信と分散処理研究会報告』第137巻、情報処理学会、2008年11月、41頁、ISSN 09196072NAID 110007100608 
  5. ^ 寺田崇秀「メンテナンスフリーセンサネットワークシステム用低電力無線データ通信及び電力伝送回路(本文)」慶應義塾大学 博士論文甲第4252号、2015年、NAID 500000935204 

参考文献

関連項目

外部リンク





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