蜻蛉草
トンボソウ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/24 02:03 UTC 版)
トンボソウ | |||||||||||||||||||||
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青森県津軽地方 2016年8月
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分類(APG III) | |||||||||||||||||||||
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学名 | |||||||||||||||||||||
Platanthera ussuriensis (Regel et Maack) Maxim.[2] | |||||||||||||||||||||
シノニム | |||||||||||||||||||||
和名 | |||||||||||||||||||||
トンボソウ(蜻蛉草、蜻草)[5][6] |
トンボソウ(蜻蛉草、蜻草、学名:Platanthera ussuriensis、シノニム:Tulotis ussuriensis )は、ラン科ツレサギソウ属の地生の多年草 [1][5][6][7][8]。
特徴
根は少数あり、横にはってひげ状に伸びる。茎は単一で直立し、高さは15-35cmになり、茎の下部に2葉が接してあり、茎に4-5個の鱗片葉が互生する。葉は狭長楕円形または倒披針形で、長さ8-13cm、幅1-3cmになり、先端はとがり、基部は次第に狭まって短い葉鞘となる。2葉は接しており、対生しているようにみえるが、互生であり、やや弓なりに湾曲する[1][5][6][7][8]。
花期は7-8月。総状花序に淡緑色の小さな花を20個ほどつける。苞は狭披針形で子房より長い。背萼片は広楕円形で長さ約2mm、側萼片は狭長楕円形でやや反り返る。側花弁は長さ約2mmの狭卵形で、背萼片とともにかぶとをつくり、蕊柱を囲む。唇弁は白色で長さ3-3.5mmになり、基部から3裂してT字状になり、中裂片は舌状、側裂片は三角状となる。距は白色で長さ4-6mmになり、前方に垂れ下がる[1][5][6][7][8]。
分布と生育環境
日本では、北海道、本州、四国、九州に分布し、亜寒帯から暖温帯のやや湿り気のある林床や草地に生育する。国外では、南千島、朝鮮半島、中国大陸、極東ロシアに分布する[6][7][8][9]。
名前の由来
トンボソウは「蜻蛉草」の意で、花の様子がトンボに似ていることからきている。種小名 ussuriensis は、「シベリアのウスリー地方に産する」の意味[5]。
ギャラリー
脚注
- ^ a b c d 大場『植物分類表』pp.46-48
- ^ トンボソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ トンボソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ トンボソウ「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- ^ a b c d e 『新牧野日本植物圖鑑』p.1069, p.1352
- ^ a b c d e 『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.121
- ^ a b c d 『日本ラン科植物図譜』p.69, p.316
- ^ a b c d 『改訂新版 日本の野生植物1』pp.220-221
- ^ Platanthera ussuriensis, eMonocot
参考文献
- 牧野富太郎原著、大橋広好・邑田仁・岩槻邦男編『新牧野日本植物圖鑑』、2008年、北隆館
- 大場秀章編著『植物分類表(初版第3刷訂正入)』、2011年、アボック社
- 中島睦子著『日本ラン科植物図譜』、2012年、文一総合出版
- 門田裕一監修、永田芳男写真、畔上能力編『山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』、2013年、山と溪谷社
- 大橋広好・門田裕一・木原浩他編『改訂新版 日本の野生植物 1』、2015年、平凡社
- 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
- eMonocot
外部リンク
- トンボソウのページへのリンク