ブルガン油田
【英】: burgan oilfield
クウェートの首都クウェート市のすぐ南に位置する同国最大、世界でも屈指の大油田。 KOC 社(当時)により 1938 年に発見され、1946 年に生産が開始された。現在の操業会社は、国営石油会社 KPC の上流部門である KOC 社。 地質区としてはアラビア卓状地に属し、集油形態は緩い傾斜のドーム構造、集油面積は約 1,000 km2 。産油層は白亜紀のブルガン層の砂岩(主油層)とミナギシュ層の石灰岩で、深さは 990 ~ 1,980m 。究極可採埋蔵量は、油が約 750 億バレル、ガスが約 73 兆立方フィートと見積もられている。原油性状は、比重 31.5°API、イオウ分 2 %。 産油量は 1972 年に 241 万バレル/日台(年平均、瞬間的には 330 万バレル/日)のピークを記録した。戦争の影響でここ 20 年以上にわたり産油量数値は発表されていないが、本油田の産油量がクウェート全体の半分を占めると仮定すれば、約 100 万バレル/日と推定される。累計生産量は不明である。 主文献『世界の大油田』(1984)、『石油地質・探鉱用語集』(1989) (齊藤 隆、2006 年 3 月) |
ブルガン油田
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/23 09:51 UTC 版)
Burgan Field | |
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Much of western and southern Kuwait is home to some of the largest oil fields in the world. The dark patch of land in southern Kuwait is where the Burgan oil field is located. | |
Location of Burgan Field in Kuwait | |
国 | クウェート |
地域 | 中東 |
陸上/海上 | Onshore |
座標 | 北緯29度06分39秒 東経47度58分00秒 / 北緯29.11083度 東経47.96667度座標: 北緯29度06分39秒 東経47度58分00秒 / 北緯29.11083度 東経47.96667度 |
運営者 | クウェート石油 |
開発史 | |
発見 | 1938 |
生産開始 | 1946 |
生産最盛期 | 2005 |
枯渇予想 | N/A |
生産 | |
原油生産量 | 1,200,000 バレル / 日 (~6.0×107 t/a) |
ガス生産量 | 550 million立方フィート毎日 (16×10 6 m3/d) |
原油最盛期生産量 | 2,410,000 バレル / 日 (~1.20×108 t/a) |
推定原油埋蔵量 | 44,000 百万バレル (~6.0×109 t) |
地層 | Upper Cretaceous Wara |
ブルガン油田(ブルガンゆでん、アラビア語: حقل برقان Haql Burqān、英語: Burgan Field)とは、1938年に確認されたクウェート南部にある油田[1]。確認原油埋蔵量約600億バレルを持つ、世界第2位の規模の油田である。商業生産の開始は1946年[1]。発見当時その途方も無い巨大さから世界の原油市況に影響を与えるのを恐れて大きさに関する情報が一時伏せられたといわれる。この油田の発見によってクウェートは第二次世界大戦後しばらくは世界最大の原油埋蔵量を誇っていた。
生産量は生産調整によって上下するが、上限は180万バレル/日程度のようである。サウジアラビアにある世界最大のガワール油田と違い、現在でも原油が地表に自噴することから、生産が非常に容易な巨大油田である。
この油田の発見によりクウェートは世界の主要な産油国となるが、1991年の湾岸戦争の際イラク軍によってブルガン油田をはじめとしたクウェートの石油施設は甚大な被害を受け、国内9つの油田で合計30億バレルの原油を失った。
ブルガン油田が発見される以前、ムバラク大首長初めサバーハ家では1913年当時から油田の兆候に気付いていたらしく、1913年10月27日にインド総督に出した手紙の中でブルガンに見られるチャンスについて触れている[2]。
脚注
- ^ a b ブルガン油田,石油・天然ガス用語辞典,独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構
- ^ 牟田口義郎「石油に浮かぶ国-クウェートの歴史と現実-」(中央公論社、昭和40年8月25日)参照
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