マサバとは? わかりやすく解説

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ま‐さば【真×鯖】

読み方:まさば

サバ科海水魚全長50センチ。体は紡錘形わずかに側扁する。背側青緑の地に黒色流紋があり、腹側銀白色大群をなして沿岸表層回遊する秋に特に美味。ひらさば。ほんさば。さば。


マサバ

学名Scomber japonicus 英名:Club mackerel
地方名サバヒラス 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目サバ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
代表的な回遊魚1つで秋から冬に大群適温にのり、越冬のために南下する。春から夏に水温上昇してくると北上し産卵期迎える。春はオキアミ、夏はイワシ類、冬は植物性プランクトン食べる。体は紡鐘形。第2背びれ尾びれと尻びれと尾びれの間にそれぞれ5個の離れびれが等間隔に並ぶ。胸びれ小さく、高い位置にある。背側青緑色青黒色の虫食い状のまだら模様がある。腹面銀白色である。

分布:全世界亜熱帯温帯海域 大きさ:50cm
漁法:跳ね獲り、巻き網定置網 食べ方:すし、塩鯖缶詰

真鯖

読み方:マサバ(masaba)

サバ科海水魚


マサバ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/17 20:06 UTC 版)

マサバ

マサバ Scomber japonicus
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
: サバ科 Scombridae
: サバ属 Scomber
: マサバ S. japonicus
学名
Scomber japonicus
Houttuyn1782
和名
マサバ(真鯖)
英名
Chub mackerel
まさば 生[2]
100 gあたりの栄養価
エネルギー 1,032 kJ (247 kcal)
0.3 g
16.8 g
飽和脂肪酸 4.57 g
一価不飽和 5.03 g
多価不飽和 2.66 g
20.6 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(5%)
37 µg
(0%)
1 µg
チアミン (B1)
(18%)
0.21 mg
リボフラビン (B2)
(26%)
0.31 mg
ナイアシン (B3)
(78%)
11.7 mg
パントテン酸 (B5)
(13%)
0.66 mg
ビタミンB6
(45%)
0.59 mg
葉酸 (B9)
(3%)
11 µg
ビタミンB12
(538%)
12.9 µg
ビタミンC
(1%)
1 mg
ビタミンD
(34%)
5.1 µg
ビタミンE
(9%)
1.3 mg
ビタミンK
(2%)
2 µg
ミネラル
ナトリウム
(7%)
110 mg
カリウム
(7%)
330 mg
カルシウム
(1%)
6 mg
マグネシウム
(8%)
30 mg
リン
(31%)
220 mg
鉄分
(9%)
1.2 mg
亜鉛
(12%)
1.1 mg
(6%)
0.12 mg
セレン
(100%)
70 µg
他の成分
水分 62.1 g
コレステロール 61 mg
ビオチン(B7 4.9 µg

ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した[3]。別名: さば 廃棄部位: 頭部、内臓、骨、等(三枚下ろし)
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
マサバ(生、100g中)の主な脂肪酸の種類[4][5]
項目 分量(g)
脂肪総量 12.1
脂肪酸総量 8.8
飽和脂肪酸 3.3
一価不飽和脂肪酸 3.6
多価不飽和脂肪酸 1.9
18:2(n-6)リノール酸 0.097
18:3(n-3)α-リノレン酸 0.053
20:4(n-6)アラキドン酸 0.13
20:5(n-3)エイコサペンタエン酸(EPA) 0.11
22:6(n-3)ドコサヘキサエン酸(DHA) 0.7

マサバ(真鯖、: Chub mackerel学名: Scomber japonicus)は、スズキ目サバ科に分類される海水魚の一種。全世界の亜熱帯温帯海域に分布する。

日本では食用魚として重要で、近縁のゴマサバグルクマ等と共に「サバ」と総称されるが、単にサバと言った場合は本種を指すことが多い。地方名としてホンサバ(各地)、ヒラサバ(静岡県高知県)、ヒラス(長崎県)、タックリ(鹿児島県)、サワなどもある。

形態

成魚は全長50cmほどになる。体は前後に細長い紡錘形で、短い吻が前方に尖り、横断面は楕円形である。各は体に対して小さい。は細かく、側線鱗数は210-220枚ほどに達する。背面は青緑色の地にサバ類独特の黒い曲線模様が多数走り、側線より下の腹面は無地の銀白色をしている。

同属のゴマサバは、腹面に小黒点が散在すること、体の断面が円形に近いことで区別できる。他にも第1背鰭の棘条数(マサバ10以下・ゴマサバ11以上)、背鰭の軟条数(マサバ16以下・ゴマサバ17以上)などの相違点がある。

生態

暖流に面した全世界の亜熱帯・温帯海域に広く分布する。日本近海でも暖流に沿った海域を中心に各地に分布する。摂氏14-17度と、ゴマサバやグルクマよりやや冷水温を好む。

沿岸域の表層で大群を作り遊泳する。に北上してに南下するという季節的な回遊を行い、1日10kmほどの割合で移動するが、沿岸の岩礁域付近に留まる群れもある。食性は肉食性で、動物プランクトン、小魚、頭足類など小動物を捕食する。

産卵期は2-8月で、直径1.08-1.15mmほどの分離浮性卵を産卵する。産卵数は全長25cmの個体で10万-40万、全長40cmで80万-140万に達するが、卵や稚魚を保護する習性はなく、成長途中でほとんどが他の動物に捕食されてしまう。

利用

食用

サバ類は重量別にみると食用魚として日本で最も多く流通している非常に重要な食用魚で[6]、その中心が本種である。

巻き網、定置網などの沿岸漁業で多量に漁獲される。外洋に面した防波堤からの釣りでも漁獲される。大分県関さば神奈川県松輪サバ青森県八戸市八戸前沖鯖など各地に地域ブランドがある。日本近海の太平洋のマサバは、環境変化や乱獲の影響により一時は漁獲量が激減し2001年にはピーク時の3%にまで落ち込んだが、その後は休漁などの保護政策により2014年には2001年の11倍ほどに回復している[7]

身はやや白っぽいが赤身魚に分類され、ドコサヘキサエン酸(DHA)、エイコサペンタエン酸(EPA)を豊富に含む。から冬にかけてが脂が乗ってとされる一方、夏は味が落ちるとされている。マサバの中でも特に脂の乗った鯖をとろ鯖と呼ぶ。

用途は〆鯖(きずし)、鯖寿司焼き魚煮付け唐揚げ缶詰、鯖節など幅広い。新鮮な身は刺身でも食べられるが、傷みが早いこと、鮮度が良かったとしてもアニサキスの寄生割合が高い[8]ことなどから生食の普及は限定的で、缶詰や塩鯖など保存が利くように加工された形で流通するものの方が多い[9]。これは大半が生食される同じサバ科のマグロカツオとは大きく異なる[10]

西日本旅客鉄道(JR西日本)が養殖・販売する「お嬢サバ」は、鳥取県岩美町において人工海水で育てて寄生虫を防ぎ、生食できることをセールスポイントにしている[11]

傷みが早い魚として知られ、鮮度の落ちたサバ料理は食中毒の原因となりうる。中でもサバの筋肉を特定の微生物が分解した結果生じるヒスタミンが原因のヒスタミン中毒(スコンブロイド中毒、サバ中毒とも)が知られる。ヒスタミンは調理時の洗浄や加熱では除去できず[12]、予防法は筋肉の分解を極力抑制するため流通や保管の過程で高温にしない温度管理の徹底と、劣化した筋肉の摂取を避けることのみである。

その他

養殖業における飼料の原料としても、マイワシ類と並んで重要な資源である[13]

慣用句

  • 鯖の生き腐れ - 非常に傷みやすいところから。
  • 鯖を読む - 鯖は傷みやすく、市場などで手早く大雑把に数えていたことから転じて、年齢などをごまかすこと。
  • 鯖折り - 相撲の決まり手の一つ。

脚注

  1. ^ Collette, B., Acero, A., Canales Ramirez, C., Cardenas, G., Carpenter, K.E., Chang, S.-K., Di Natale, A., Fox, W., Guzman-Mora, A., Juan Jorda, M., Miyabe, N., Montano Cruz, R., Nelson, R., Salas, E., Schaefer, K., Serra, R., Sun, C., Uozumi, Y., Wang, S., Wu, J. & Yeh, S. (2011). “Scomber japonicus”. IUCN Red List of Threatened Species 2011: e.T170306A6737373. doi:10.2305/IUCN.UK.2011-2.RLTS.T170306A6737373.en. https://www.iucnredlist.org/species/170306/6737373 2023年9月26日閲覧。. 
  2. ^ 文部科学省日本食品標準成分表2015年版(七訂)
  3. ^ 厚生労働省日本人の食事摂取基準(2015年版)
  4. ^ 五訂増補日本食品標準成分表
  5. ^ 五訂増補日本食品標準成分表 脂肪酸成分表編
  6. ^ 水産物流通統計(2019年)品目別用途別出荷量(19品目・32漁港)”. 水産庁. 2022年4月12日閲覧。
  7. ^ “太平洋マサバ復活 資源量、12年間で11倍”. 朝日新聞. (2014年3月29日). http://www.asahi.com/articles/ASG3X3D9SG3XULBJ004.html 2014-3-29]閲覧。 
  8. ^ 鈴木, 淳ら (2011), “わが国におけるアニサキス症とアニサキス属幼線虫”, 東京都健康安全研究センター研究年報 62: 13-24, https://www.tmiph.metro.tokyo.lg.jp/assets/issue/journal/2011/pdf/01-01.pdf 
  9. ^ 水産物流通統計(2019年)品目別用途別出荷量(19品目・32漁港)”. 水産庁. 2022年4月12日閲覧。
  10. ^ 水産物流通統計(2019年) 品目別用途別出荷量(19品目・32漁港)”. 水産庁. 2022年4月12日閲覧。
  11. ^ 「生サバOK」陸上養殖 寄生虫の混入排除 JR西も参入毎日新聞』夕刊2022年7月23日1面(同日閲覧)
  12. ^ ヒスタミン食中毒の特徴と予防方法」JAPAN SPORT COUNCIL(2015年8月6日閲覧)
  13. ^ 水産物流通統計(2019年) 品目別用途別出荷量(19品目・32漁港)”. 水産庁. 2022年4月12日閲覧。

関連項目

参考文献

外部リンク


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