基質特異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2015/10/01 02:55 UTC 版)
基質特異性(きしつとくいせい、英: Substrate specificity)は、ある酵素反応が特定の基質構造を識別し、その基質のみ化学反応が起こることである。また、そのような酵素反応は基質特異的であるという。化学反応では反応選択性と呼ばれるものに相当する。
反応選択性は化学反応の活性化ポテンシャルと立体因子の影響の違いによって生じるが、基質特異性は反応場を提供する酵素の立体構造が基質分子となじむか否かによる。すなわち、基質の結合が不完全であれば反応点が酵素の活性発現部位に寄ることもなく反応が起こらない。場合によっては酵素は基質と結合する際にコンホメーション変化を起こし、酵素反応に適した構造をとることが必要なこともある。
例
一般に酵素による反応は、多くの場合において基質特異的である。
基質特異性
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 15:41 UTC 版)
タンパク質分解は、非常に無差別 (英語版) な可能性があり、広範囲のタンパク質基質が加水分解される。これは、トリプシンのような消化酵素の場合で、摂取したタンパク質の配列をより小さなペプチド断片に切断できなければならない。無差別プロテアーゼは通常、基質上の単一のアミノ酸に結合するので、その残基に対してのみ特異性がある。例えば、トリプシンは、配列 ...K/.... または ...R/.... ('/'=切断部位) に特異的である。 逆に、一部のプロテアーゼは非常に特異的であり、特定の配列を持つ基質だけを切断する。血液凝固 (トロンビンなど) およびウイルスポリンタンパク質処理 (TEVプロテアーゼなど) は、正確な切断イベントを達成するためにこのレベルの特異性を必要とする。これは、指定された残基に結合するいくつかのポケットを備えた長い結合溝またはトンネルを有するプロテアーゼによって達成される。たとえば、TEVプロテアーゼは配列 ...ENLYFQ/S... ('/'=切断部位) に特異的である。
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