安全ピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/07 16:33 UTC 版)
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安全ピン(あんぜんピン、英: safety pin)は、複数枚の布をとめるために使われる金属製器具。布同士を留めたり、服にバッジを留めたりする際に用いられる。
まっすぐな形をした留め針とは異なり、安全ピンは鋭い針の先を金具の中に引っ掛けておくことで、体や指に不用意に刺さらないようにできている。安全ピンは鋭いピンのある部分と、ピンの先を収納する留め金の付いた部分からなっており、根本にあるばねによって、留め金にかかっていないピンは開いた状態に戻るようになっている。
起源
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安全ピンの原型は紀元前14世紀のミケーネ文明にまで遡る。当時、「フィブラ」(fibulae、単数形は fibula)という名で呼ばれるブロンズなどの金属製の留め金があり、現在のピンと同様の目的で使用されていた。紀元前14世紀および紀元前13世紀のものと見られる初期のフィブラは現在の安全ピンとほとんど同様の外観である。これは古代ローマ時代まで使用され、衣服を留めるだけでなくエナメル、珊瑚、宝石などをあしらい装身具・ブローチとして使われるものもあらわれた[1]。
安全ピンはその後忘却されたが、1849年7月にアメリカ合衆国の発明家ウォルター・ハントにより再発明された[2]。これはハントが借金を抱えていた頃に、金具をもてあそんで何かを発明しようとしている際に発見されたもので、特許は借金の返済のため400ドルで売却された[3]。この安全ピンは、針を開いた状態に戻すためのばねの存在などが古代の安全ピン(フィブラ)と異なっている。
パンク・ファッション
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安全ピンは布や服を留めるためのありふれた日用品としての用途のほか、パンク・ファッションでは装飾品に使われることもある。1970年代半ば以降のイギリスでは、安全ピンは労働者階級の若者の反逆の意思を示すものとして使われた。もとはアメリカのシンガーソングライター・作家のリチャード・ヘルが、髪の毛を尖らせ、引き裂いた裂け目を安全ピンで留めた服を着ていたが、マルコム・マクラーレンがイギリスでセックス・ピストルズを売り出す際にリチャード・ヘルのファッションや態度を元にしたため安全ピンはパンク・ファッションに取り入れられた。
連帯の意思表示
2016年、イギリスでは、国民投票でEU離脱が決まった後、移民に対するヘイトクライムが増加したとされる。この攻撃に晒される移民に対して、連帯していく姿勢の表明を示すために衣服に安全ピンを取り付ける運動が始まった。イギリスで始まったこの運動は、アメリカ合衆国のドナルド・トランプの大統領選挙勝利が伝えられた後、アメリカでも広がりだしている[4][5]。
脚注
- ^ Chr. Blinkenberg "Fibules grecques et orientales", 1926年
- ^ 殖田友子. “世界大百科事典 第2版 「安全ピン」の意味・わかりやすい解説”. コトバンク. 2023年4月24日閲覧。
- ^ “アーカイブされたコピー”. 2005年9月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2005年9月24日閲覧。
- ^ Brian KNOWLTON (2016年11月13日). “安全ピン、広まりつつあるトランプ氏勝利後の連帯の象徴”. AFPBB News 2016年11月14日閲覧。
- ^ Kearns, Landess (2016年11月15日). “トランプ氏が勝利したアメリカで、多くの人が「安全ピン」を身につけている理由”. Huffington Post. 2023年4月24日閲覧。
関連項目
安全ピン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 05:16 UTC 版)
最も一般的で安全装置として分かりやすいものである。撃針の付いているブロックを機械的に固定して点火薬に触れないようにすることで作動を防ぐ方式である。初期から現代まで砲弾の先端に取り付けられた信管に刺してある安全ピンを発射前に抜くのが一般的に見られる。この方式の最大の欠点は解除を忘れたまま発射してしまう可能性があること(このミスを防ぐために、「装填したら抜け」と大書された赤や黄色のタグが付けられていることもある)。また、信管が加熱されたりして点火薬が発火した場合の暴発を防げないという欠点もある。
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