循環小数
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英: recurring decimal、repeating decimal)とは、小数点以下のある桁から先で同じ数字の列が無限に繰り返される小数のことである。繰り返される数字の列を循環節という。
(じゅんかんしょうすう、循環小数の循環節は上線(0.123)や下線(0.123) などを用いて示される(#表記法を参照)。
循環小数は、基数と共通でない因数を含む分母を持つ整数の分数に対応する。例えば基数を 10 (= 2 × 5) とした場合、1/5 (= 0.2), 7/125 (= 0.056) などは循環小数にならないが、1/7 (= 0.142857...), 1/35 (= 0.0285714...) は循環小数となる。
また循環小数は、対応する分数の分母と基数が互いに素かどうかで分類でき、分母と基数が互いに素なものを純循環小数[注 1]、それ以外のものを混合循環小数[注 2]と呼ぶ[1]。また整数分数の分母が基数の素因数の積となる場合、それは循環小数とならず有限小数で表される[1]。
ある循環小数の循環節が小数第一位から始まる場合、それは純循環小数となり、循環節が小数第二位以降で始まる場合、それは混合循環小数となる。混合循環小数は冒頭の循環していない有限小数部分とそれ以降の循環小数の二つに分離して考えることができる[2]。
循環節
循環小数の循環節とは、小数部分の周期的な数列の中で最小の長さものである。例えば 1/3 = 0.3333… は、数列 33 や数列 333 が連続して現れる小数と見なせるが、循環節は最小の数列 3 となる。
循環節の末尾は 0 になり得る。例えば、 26/33 = 64/27 = 2.370370… の循環節は 370 となる。
循環節の先頭は小数第二位以降に現れ得る。例えば、十進法の 5/108 = 0.04629629… の循環節は、小数第三位からの 629 となる。
ある数が有限小数で表せるかは基数に依存し、既約分数の分母が基数の冪を割り切れる場合のみ、その数は有限小数として表され得る。したがって、ある既約分数が循環小数で表示されるかもまた基数に依存している。例えば 1/5 は、十進法では有限小数 0.2 で表されるが、二進法では循環小数 0.00110011… で表される。
また有限小数は、末尾の桁の後ろに 0 を無限に並ぶと見なせば、形式的に循環小数と見なせる。同様に、0.999... などの数列を用いて、有限小数を循環小数に書き換えることもできる。
他の小数との比較
有限小数
循環小数(無限小数)の循環節が「0」もしくは「9」の場合は、どちらも実質的には有限小数となる。一般に、正の実数について、有限小数は二種類の循環小数で表せ、逆に、二通りに小数表示できるのはその一方が有限小数である場合に限る。
一つには、循環節は 0(0桁という意味でなく、繰り返し単位が「0」)と考えることができる。もう一つは、有限小数の(0 でない)末尾を 1 減らし、それよりあとの位を全て「基数 − 1」にするというものである。
例えば、1 は 1.0000… と表せ、これは循環節が 0 の循環小数である。一方、末尾の 1 を 1 減らして 0 にし、それよりあとを全て 9 にした 0.999... に等しいとも考えられる。これは循環節が 9 の循環小数となる。
0.9999… = 1 は以下のように証明できる。
- x = 0.9999…とする。
- 10x = 9.9999…
- 10x − x = 9.9999… − 0.9999…
- 9x = 9
- x = 1
同じく、十二進法の 1/3 は小数表示が 0.4 であるが、これは 0.4000… ということであり、循環節が 0 の循環小数である。一方、0.3BBB… とも考えられ、これは循環節が B(十一)の循環小数となる。
同様に、二十進法の 1/5 も通常 0.4 と表すが、これは 0.4000… ということであり、循環節が 0 の循環小数である。一方、0.3JJJ… とも考えられ、これは循環節が J(十九)の循環小数となる。
有理数が有限小数表示を持つのは、十進法表示なら、分母の素因数が 2, 5 のみであるときに限る。一般の N進法表示では、分母の素因数が N の素因数になっていることである。例えば、十八進法なら分母の素因数が 2, 3 のみであるときである。
無理数
循環小数によって表される数は、整数の分数としても表すことができ、有理数に含まれる。他方、有限でない非循環小数で表される数が存在し、これらは有理数に含まれない。実数のうち有理数に含まれない数を無理数という[3]。無理数の例には2の平方根や円周率が挙げられる。前述の通り有限小数も循環小数で表すことができ、有理数はすべて循環小数で表せるが、反対に循環小数で表せる実数は有理数に限る[4]。
表記法
循環節を示す方法として以下の方法がしばしば用いられる:
- 循環節の先頭と末尾の数に点をつける(例:0.124)
- 循環節全体に上線をつける(例:0.12345)
- 循環節全体に下線をつける(例:0.12345)
- 循環節全体を括弧でくくる(例:0.12(345))
規約として、循環節は小数部から始まるようにする。例えば 123.123 を 123 とは書かない。
分数表現との関係
無限小数は、厳密には極限の概念を用いて定義される。特に、循環小数が表す数は無限等比級数、すなわち等比数列の和の極限と見なすことができ、ゆえに有理数である。例えば、
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