折り返し雑音
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/22 14:22 UTC 版)
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デジタル写真を見たとき、ディスプレイやプリンタ機器、あるいは我々の眼や脳で再生(補間)が行われている。再生された画像が本来の画像と違っている場合、そこには折り返しひずみが生じている。空間折り返しひずみ[注 2]の例として、レンガの壁をピクセル数の少ない画像にしたときに生じるモアレがある。このようなピクセル化に際しての問題を防ぐ技法をアンチエイリアスと呼ぶ。
ストロボ効果(時間折り返し雑音)は、ビデオや音響信号の標本化での重大な問題である。例えば、音楽には高周波成分が含まれていることがあるが、人間の耳には聞こえない。それを低すぎるサンプリング周波数で標本化し、デジタル-アナログ変換回路を通して音楽を再生した場合、高周波がアンダーサンプリングされて低周波の折り返し雑音になったものが聞こえることがある。従って、標本化の前にフィルタ回路を使って高周波成分を取り除くのが一般的である。
(必要に応じて)低周波成分を排除したときにも似たような状況が発生し、高周波成分が意図的にアンダーサンプリングされて低周波として再生される。デジタルチャネライザ[1]には、計算を効率化するためにこのような折り返し雑音を利用するものもある。低周波成分を全く含まない信号は、バンドパスあるいは非ベースバンドと呼ばれる。
ビデオや映画撮影では、フレームレートが有限であるためにストロボ効果が生じ、例えば車輪のスポークがゆっくり回転しているように見えたり、逆回転しているように見える。すなわち、折り返し雑音が回転の周波数を変えているのである。逆回転は負の周波数で説明できる。
ビデオカメラも含めて、標本化は一般に周期的に行われ、サンプリング周波数と呼ばれる性質が(時間的または空間的に)存在する。デジタルカメラでは、画面の単位長当たりの標本(ピクセル)数が存在する。音響信号はアナログ-デジタル変換回路でデジタイズされ、毎秒一定数の標本を生成する。特に標本化対象となっている信号自体に周期性があるとき、折り返し雑音の影響が強く生じることが多い。
標本化正弦曲線関数
正弦曲線は重要な周期関数の一種であり、信号は異なる周波数と振幅の正弦曲線、余弦曲線の総和で表すことができる。このように、信号を正弦曲線、余弦曲線の無限和で表すことをフーリエ級数と言い、信号から有限個の標本点を取り、その標本点において元の信号と一致するように正弦曲線、余弦曲線の有限和で表すことを離散フーリエ変換(逆離散フーリエ変換)という。正弦曲線での折り返し雑音を理解することで、その総和での折り返し雑音が理解しやすくなる。
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右図では標本化の間隔が 1.0 で、異なる2つの正弦曲線が同じ標本を生成する様子を描いている。この場合のサンプリング周波数を
440 Hz 帯域制限あり
440 Hz 折り返し雑音あり
880 Hz 帯域制限あり
880 Hz 折り返し雑音あり
1760 Hz 帯域制限あり
1760 Hz 折り返し雑音あり
この音声や映像がうまく視聴できない場合は、Help:音声・動画の再生をご覧ください。
方向探知
空間折り返しひずみは、アンテナアレイやマイクロフォンアレイを使って(電波や音声の)信号の方向を見積もるときにも発生する。これは例えば地震波による物理探査のようなものである。信号の波長毎に2箇所以上標本が得られないと、その方向は曖昧となる。
脚注
注釈
出典
- ^ Harris, Frederic J. (2006年). Multirate Signal Processing for Communication Systems. Upper Saddle River, NJ: Prentice Hall PTR. ISBN 0-13-146511-2
関連項目
- アンチエイリアス
- Sinc関数
- ストロボ効果
- 標本化定理 - サンプリング定理とも呼ばれる。
- ナイキスト周波数 - ナイキストレートとも呼ばれる。
- モアレ
- ジャギー
- ケルファクター
- デジタルアーティファクト
外部リンク
- Frequency Aliasing Demonstration by Burton MacKenZie. 時計を使ったストップフレームアニメーション
- Your Calculator is Wrong Video - YouTube エイリアシングに関する話が後半に出てくる。