捕食
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 10:49 UTC 版)
捕食(ほしょく)とは、生物が餌となる対象の動物を捕らえて食うことである。狭義では肉食動物が餌となる対象の動物を捕らえて殺し、食うことを指す。
動物行動学的観点では、捕食といえば、肉食動物が摂食に際して、対象となる動物が生きていて、しかも逃げるなり抵抗するなりといった防御行動が可能であり、それを何らかの方法で拘束し、抵抗を排除し、食べるに至る過程を意味する。したがって、卵を食う、死体をあさる、微生物を水ごと飲み込む、などを捕食と言うことはない。濾過摂食ではペリカン等は捕食とされるがフラミンゴは捕食とされない、ヒゲクジラ類等ではほとんど捕食とされないがザトウクジラは捕食とされる等場合によってまちまちである。
しかし、個体群生態学や群集生態学的観点において、捕食-被食関係という場合の「捕食」とは、動物に限らず、植物や菌類も含めて他の生物を「食う」という意味であって、特に、肉食や捕獲といった意味を持たず、さらに寄生すらも含めてしまう場合もある。食う・食われるの関係で結ばれた関係が食物連鎖、あるいは食物網である。
行動学において
肉食性の動物が、逃げるなり抵抗するなりする可能性のある獲物を捕まえて喰うこと、あるいはそのための行動である。
おおよそ、以下の段階に分かれる。
- 発見する
- 捕捉する
- 喰う
これに至る行動には、大きく分けて2つの方法がある。
- 積極的探索
- 待ち伏せ
また、喰う対象になるものが広い分類群にまたがるものと、ごく特定の獲物しか狙わないものがある。範囲の広いものをgeneralist(汎食者?)、狭いものをspecialist(専食者?)と呼ぶこともある。
関連項目
「捕食」の例文・使い方・用例・文例
- ボブキャットはウサギや鳥などの小動物を捕食する。
- 例えばベルベットモンキーは、輪を描いて呼ぶワシがいるとある種の呼びかけを用いるようになる。ワシはサルを捕食するのだ。
- 純真および良識が致命的であると立証できる、捕食性、無感覚な社会−ピーター・S・プレスコット
- 捕食性の動物−−初期の地質学におけるギャングである−W.E.スウィントン
- 他の動物を捕食して、特に生きている餌食を捕えることによる生きるさま
- 捕食鳥
- (捕食動物について)鉤爪か鉤爪状のものを持っている
- (動物だけでなく植物で使われる)動物を捕食する
- 獲物を殺し、食する捕食動物による捕食行為
- 捕食性の飢えた敵に囲まれた
- 好ましくないと思われるどんな通常捕食性の野生動物でも
- 移動のための仮足の形成と捕食によって特徴づけられる:有軸仮足綱
- キツツキのように登り、捕食する曲がったくちばしと補強された尾羽のある数の南米と中米の鳥の総称
- 小さな動物を捕食する強い鉤状くちばしがある多数の旧世界の鳥の総称
- 8本の脚、2本の毒牙、および2本の触角を持ち、通常は体の後部に糸を吐き出す2つの器官がある捕食性のクモ形類動物
- 巣を張らずに獲物を捕食する地上をはうクモ
- 主に夜行性の他の動物を捕食する節足動物で、一番前の肢が毒牙に変えられていて、それぞれの体節が1対の肢を持ち、全部で15から173分節ある平らな体を持つ
- 私は、クーガーがその捕食の方へそっと歩いているのを見た
- 捕食するかのように動き回る
- 一般的には、呼吸用や捕食用と同様に、遊泳用の葉のような多対の付属肢と甲皮を持つ水生甲殻類の動物
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