涵養とは? わかりやすく解説

かん‐よう〔‐ヤウ〕【×涵養】

読み方:かんよう

[名](スル)自然に染み込むように、無理をしないでゆっくりと養い育てること。「読書力を—する」


涵養

読み方:カンヨウ(kanyou)

しみこむように、少しずつ自然に養い育てていくこと


涵養

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/25 02:46 UTC 版)

水文学において涵養(かんよう)、または地下水涵養[1]は、地表水降水を主としてほかにも、湖沼水・河川水、貯水池雨水浸透ますなどの水、その他)が地下浸透して帯水層に水が供給されること[2][1][2]。その供給源を涵養源[3]、供給元となっている河川域を涵養域(英語 recharge area[4]という。

対義語としては「流出」あるいは「湧出」を用いる[2]涵養の起こる場所は「涵養域(かんよういき)」といい[2]、対して、流出・湧出の起こる場所は「流出域」もしくは「湧出域」という[2]こちらの語意でも用いるのは日本語だけで[要出典]、中国語では「地下水補給」などという。現代日本語の公文書等では「涵」の字を「かん」とし混ぜ書きすることがある(用例:水源かん養保安林)。英語では "groundwater recharge[1]" などという。

河川や湖沼といった地表水・表流水に水が加わってもそれを「涵養」とは呼ばない。

語源

一般に、自然にが沁み込むのと同じように、無理をしないで少しずつ教え養うことを涵養と言う[5]。「」の字義は「ひたす(浸す)」[6]。初出は『陳書 沈炯伝』真愚稿(1422年頃か)[7]。用例を挙げるならば、「徳性を涵養する[6]」「読書力を涵養する[8]」。今でも用いているのは日本語だけで、おおもとの中国語ではこの熟字をこの語意では用いない[要出典]。なお、現代日本語において、「涵」の字は常用漢字表外字のため、公文書等では交ぜ書きで「かん養」と表記する。

人工的涵養

帯水層への自然状態での涵養量が少なく、地盤沈下や、河川基底流量減少、湧水枯渇などの対策を行うため、人為的に帯水層への涵養を行うことがある。

人為的な涵養方法は、以下の方法がある。

  • 涵養井(かんようせい、Recharge well)または注入井(ちゅうにゅうせい、Injection well)
    • 供給させたい対象の帯水層に井戸を設置し、直接、水を供給する。酸素を多く含む水を注入させるため、孔内または井戸近傍の帯水層内に沈殿物がたまりやすい。
  • 休耕田農閑期・非灌漑期の水田の湛水
    • 涵養される量は土壌の浸透能によって制限されるため、長期間、広い土壌面積に対して水面を形成しておくことが良いとされる。休耕田に水を溜めることで、自然の降雨と同じように涵養できる。

涵養量の推定

直接測定することができないため、地表の水量の時間変化を測定し、その量から蒸発散量を差し引くことで推定している。

脚注

  1. ^ a b c 地下水涵養”. EICネット(公式ウェブサイト). 一般財団法人 環境イノベーション情報機構 (2003年9月12日作成、2015年1月22日更新). 2019年5月15日閲覧。
  2. ^ a b c d e 内閣官房 内閣広報室. “地下水用語集(立ち上げ段階版)” (PDF). 公式ウェブサイト. 首相官邸. 2019年5月15日閲覧。※p.11(コマ番号では18/43)
  3. ^ くらしと農業用水 農業用水の多面的役割 9.水源かん養
  4. ^ 『自然地理学事典』p.162
  5. ^ 涵養”. コトバンク. 2019年5月15日閲覧。
  6. ^ a b 涵養”. 三省堂大辞林』第3版. コトバンク. 2019年5月15日閲覧。
  7. ^ 涵養”. 小学館『精選版 日本国語大辞典』. コトバンク. 2019年5月15日閲覧。
  8. ^ 涵養”. 小学館『デジタル大辞泉. コトバンク. 2019年5月15日閲覧。

関連項目

外部リンク


涵養

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/16 20:10 UTC 版)

オガララ帯水層」の記事における「涵養」の解説

オガララ帯水層への地下水涵養量は様々な要因によって限られている。まず、この地域のほとんどが乾燥帯属し年間降水量500mmに満たないことが挙げられる加えて風が強く乾燥した風によって地表水降水蒸発促されているということ追い討ちをかけている。 こうした気象条件加え帯水層のほとんどは炭酸カルシウム主成分とする不透水層覆われていることも、地表からの帯水層への水の流入減少させる要因になっている。この地域にはプラヤ呼ばれる乾燥地帯特有の浅い水溜りのような湖が多く見られる。その湖岸多く炭酸カルシウム層や粘土層で形成されている。炭酸カルシウムには地中水分蒸発早めるはたらきがある。一方で乾燥が進むことによって土壌中の炭酸カルシウム含有量増えるこうした循環によって、ただでさえ少な降水地表水土壌浸透する量はさらに少なくなり、オガララ帯水層への水の涵養量は極めて限られたものになってしまう。

※この「涵養」の解説は、「オガララ帯水層」の解説の一部です。
「涵養」を含む「オガララ帯水層」の記事については、「オガララ帯水層」の概要を参照ください。

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涵養

出典:『Wiktionary』 (2021/08/22 02:24 UTC 版)

名詞

かんよう

  1. 自然にが浸みこむように徐々に教え養うこと。
  2. 土壌を浸みこませ、地表地下浸透して帯水層供給されること。



「涵養」の例文・使い方・用例・文例

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