磐座とは? わかりやすく解説

いわ‐くら〔いは‐〕【岩座/×座】

読み方:いわくら

《「いわ」は堅固な意》神の御座所いわさか

天の—を離れ天の八重多那押し分けて」〈記・上〉


磐座


いわくら 【岩座・磐座】

日本神道で、神の鎮座する所をいう。天関とも。イワ堅固の意。→ 岩境

磐座(いわくら)

磐境いわさか)と同じ。神をまつるために磐石築いた神聖な場所。

磐座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/10/21 13:41 UTC 版)

磐座(いわくら、磐倉/岩倉)とは、古神道におけるに対する信仰のこと。あるいは、信仰の対象となる岩そのもののこと。

概要

日本に古くからある自然崇拝(精霊崇拝・アニミズム)であり、基層信仰の一種である。神事において神体である磐座から降臨させ、その依り代神籬という)と神威をもって祭祀の中心とした。時代とともに、常に神がいるとされる神殿が常設されるに従って信仰の対象は神体から遠のき、神社そのものに移っていったが、元々は古神道からの信仰の場所に、(やしろ)を建立している場合がほとんどなので、境内に依り代として注連縄が飾られた神木や霊石が、そのまま存在する場合が多い。

自然への信仰の例は以外にも、鎮守の森(「モリ」自体が神社をさし、杜は鎮守の森自身である)、禁足地としての「島」、宗像大社沖ノ島六甲比命神社三輪山などの「山」に対する信仰、「火」に対する信仰、などから、風雨という気象現象までの多岐にわたるものである。

岩にまつわるものとして他にも、磐座を中心とした祭祀場である磐境(いわさか)があるとされる[1]が、こちらは磐座に対してその実例がないに等しい。そのため同一のものと目されることもある。『日本書紀』では磐座と区別してあるので、磐座とは異なるなにか、「さか」とは神域との境であり、神籬の「」も垣という意味で境であり、禁足地の根拠は「神域」や「常世現世」との端境を示している。つまり磐境は、石を環状に配置した古代の遺跡であるストーンサークル環状列石)と同じもので、そこを神聖清浄な場所として保存するための境界石を人工的に組んで結界を形成して「神域」を示している祭祀遺跡であり、神籬とともに神社の原始形態とされている。

現在ではご神木などの樹木や森林または、儀式の依り代として用いられるなどの広葉常緑樹を、神籬信仰や神籬と言い、山や石・岩などを依り代として信仰することを磐座という傾向にある。

街道沿いにある巨石では、馬頭観音が彫られたり、有名な武士をつないだといった伝説が付されたりしたものもある。これらを含む磐座・巨石信仰を縄文時代に遡りうるとして、人工的に配列された磐座もあり、その配置が特定の図形や方位、あるいは星座の形などを表わしていると主張する研究団体(イワクラ学会)がある[2][3]。こうした見解に対して、そもそも磐座祭祀が開始されたのは古墳時代に入ってからであるとの指摘[4]や、巨石を人工物とする説への批判がある[5]

1999年には恵那市山岡町にて第一回イワクラ・サミットが開催された[6]

ギャラリー

脚注

  1. ^ 磐境』 - コトバンク
  2. ^ イワクラ(磐座)学会ホームページ
  3. ^ 東京新聞:磐座(イワクラ) 八王子に神宿る巨石:TOKYO発(TOKYO Web) - ウェイバックマシン(2018年12月28日アーカイブ分)『東京新聞』朝刊2018年12月27日(26面)2018年12月28日閲覧。
  4. ^ 時枝務『山岳霊場の考古学的研究』株式会社雄山閣、2018年。
  5. ^ 原田実「足摺岬縄文灯台騒動・最後のまとめ」
  6. ^ 「磐座の森」(岐阜県恵那市) 石神・磐座・磐境・奇岩・巨石と呼ばれるものの研究 2019年11月18日

関連項目

外部リンク


磐座

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:18 UTC 版)

諏訪大社」の記事における「磐座」の解説

室町時代書写の『諏訪上社物忌令之事』(1237年成立)によると中世の上社の社壇は三三折の地形で、上壇(現在の拝殿斎庭とその奥の禁足地)には「石の御座」があり、中壇には宝殿があり、下壇は神事を行うところである。『画詞』にも「社頭の体、三所の霊壇を構えたり、其の上壇は尊神御在所鳥居格子のみあり」とある。つまり上壇には磐座が存在し、それが神の降りる場所と信仰された。この磐座は拝殿右側の少し高いところにある「硯石すずりいし)」で、古く硯石通してその背後にある守屋山遥拝していたという説があるが、硯石は元々このところにあったではなく中世以降他所から移され可能性があるという指摘もある。 原正直(2012年)は諏訪明神の磐座を拝殿の奥にある「えぼし岩」とし、文献見られる蛙石」や「甲石(かぶといし)」や「御座石」はすべてこの岩のことを指すという説を挙げている。(なお、本宮境内蓮池には「蛙石」と伝える石もあり、茅野市にある御座石神社にも「御座石」と呼ばれる石がある。) 神が磐座に降臨するという思想大祝即位式にも見られる大祝となる童男諏訪明神神体となるためには、の木のある鶏冠社(前宮境内)の石の上に立ち大祝装束着せられる。この儀式を受けることによって少年が神となるとされた。前宮本殿精進屋があった場所)の下にも磐座があると伝わる。

※この「磐座」の解説は、「諏訪大社」の解説の一部です。
「磐座」を含む「諏訪大社」の記事については、「諏訪大社」の概要を参照ください。

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