豚耳
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/12/30 06:21 UTC 版)
豚耳 | |||||||||||
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繁体字 | 豬耳 | ||||||||||
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簡体字 | 猪耳 | ||||||||||
文字通りの意味 | 豚の耳 | ||||||||||
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食材としての豚耳は、ブタの耳を調理したもの。世界各地の料理に見られる。
ヒトの食材としての豚耳
日本国内における利用
沖縄料理
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沖縄料理では、豚耳はミミガー(耳皮の意)と呼ばれる。茹でたり酢漬けにしたりして調理し、酢の物にしたり、刺身にしたりして供される。沖縄では豚の顔の皮も食用とされており、チラガー(面皮が転じたもの)と呼ばれている。
奄美料理
奄美料理では、豚耳はみんぐり、あるいはみんがわ(耳皮)と呼ばれ、味噌漬けや酢味噌和え、炒め物などにされる。
アジアにおける利用
中華料理
中華料理では、豚耳は前菜や副菜として使われることが多い。「豬耳朵」、あるいは略して「豬耳」と称されるほか、「層層脆」と呼ぶ地域もある。茹でるか煮込むかした後薄切りにし、醤油や豆板醤で味を調える。調理すると外側は豆腐のようなゼラチン質となり、真ん中の軟骨は歯ごたえがある食感になる。豚耳は温製でも冷製でも食される。
広東料理
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広東料理では、豚耳は滷味に使われる食材の一つである。豚の全可食部位を用いることに重点が置かれており、豚耳(および滷味全般)は珍味とは見做されていない。
ベトナム料理
ベトナム料理では、豚耳は薄切りにし、煎って細かく挽いた米粉と混ぜ合わせる。そのままで食べるか、香草と一緒にライスペーパーに巻きベトナム風のつけダレにつけて食する。
フィリピン料理
フィリピンにおいては、フィリピン料理のシシグの材料として、豚の尻尾肉や頬肉とともに豚耳が用いられることがある[1]。
タイ料理
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タイ料理では、豚耳は様々な料理に用いられる。なかでも、タイ北部のチンソクモク(発酵させた薄切りの豚耳をバナナの葉に包み、炙ったもの)やヤムフームー(薄切りの茹でた豚耳を材料とするタイサラダ)が代表例である。
欧米における利用
ブルガリア料理
ブルガリアでは、豚耳はワインかビールの前菜として用いられる。茹でた後、レモンや醤油、塩、胡椒で焼く。
リトアニア料理
リトアニアでは豚耳をキアウレス・アウシスと呼び[2]、燻製にしたあと薄く切ってビールのつまみとするか、丸ごと茹でた後西洋わさびと生野菜かピクルスと付け合わせ、主菜として供される。
スペイン料理
スペイン料理における豚耳は、揚げるか、焼いてタパスのひとつであるオレハ・デ・セルドにするか[3]、シチューやコシードなど様々な形で煮込まれるかの調理法を経て食される。
ポルトガル料理
ポルトガル料理においては、豚耳は茹でた後炙り、ニンニクと生コリアンダーを付け合わせてオレルハ・デ・ポルコ・デ・コエントラダとする。
アメリカ料理
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豚耳は南部のアフリカ系アメリカ人の間で生まれたソウルフードの一つである。
英語で豚耳は「ピッグスイア(Pig's ears)」と呼ばれるが、米国には茹でたペイストリーを「ピッグスイア」と俗称する地域もある。このペイストリーの製法は以下の通りである。まず、パイ生地に似た生地を伸ばし、大きな円(大抵は直径 3インチほど)になるように切り、果物の甘い餡、または香り高いチーズの餡を中に詰める。その後ペイストリー生地を折り返し、フォークで刺して留めたのち、出来上がるまで茹で、温かいうちに食する。茹でた後の仕上げ方として、焼く、揚げる、あるいはフライパンで炒めるという製法もあるほか、しばしば粉砂糖がまぶされる。
ノースカロライナ州西部では、ブタのレバーや豚耳、豚の鼻肉と、コーンミールや香辛料を使って作られるレバーマッシュと呼ばれる豚肉製品が一般的である。
イヌの食材としての豚耳
国によっては、豚耳がドッグフードとして扱われており、ペットショップで広く入手可能である。
脚注
- ^ Aguilar, Joey (7 August 2005). “Pampanga sets Sisig Festival” (英語). The Manila Times 7 February 2023閲覧。
- ^ Belonogoff, Lara; Smart!, Culture (1 October 2007) (英語). Lithuania - Culture Smart!: The Essential Guide to Customs & Culture. Kuperard. pp. 108. ISBN 978-1-85733-612-2 7 February 2023閲覧。
- ^ “Bull testicles or lamb intestines? Spain's 5 weirdest tapas dishes” (英語). South China Morning Post. (17 March 2020) 7 February 2023閲覧。
外部リンク
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