法印とは? わかりやすく解説

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ほう‐いん〔ホフ‐〕【法印】

読み方:ほういん

仏語仏教外道から区別し仏教真実であることを示す標識三法印など。

《「法印大和尚位」の略》僧位最上位僧綱(そうごう)の僧正に相当。この下に法眼(ほうげん)・法橋(ほっきょう)があった。

中世以降、僧に準じて医師絵師儒者仏師連歌師などに対して与えられ称号

山伏祈祷師(きとうし)の異称


法印

読み方:ホウイン(houin)

僧位の一。


法印

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/09/22 07:36 UTC 版)

法印(ほういん、: dharmoddāna [dharma-uddāna], 音訳: 達磨憂檀那)とは、仏教の特徴をあらわすしるしを意味する[1]。法印とされる3つないし4つの経句は三法印四法印と呼ばれ、中国仏教で経典の仏説・非仏説を識別する判定規準とみなされた[1]。三法印、四法印を構成する教説は初期仏教から存在するが、法印という用語自体は後代に成立したものであり、漢訳語の初出は5世紀の鳩摩羅什と言われる[2]。法印のパーリ語における対応語は現存資料には見出されない[2]

三法印と四法印

一般に法印に挙げられるのは以下の4項である[3]

  1. 諸行無常: sabbe saṅkhārā aniccā
  2. 一切行苦: sabbe saṅkhārā dukkhā
  3. 諸法無我: sabbe dhammā anattā
  4. 涅槃寂静: santaṁ nibbānaṁ

これらは初期仏教以来の仏法の要となる教えであるが[2]、後世、「一切行苦」を除く3句をまとめて三法印という[4]。また、「一切行苦」を含む4句が四法印である[1]智顗の著作『法華玄義』では、三法印は小乗の教説と非仏説とを区別する標徴であるとされた[5]

初期教典には三法印の説はみられないが[6]、上記4項のうち「涅槃寂静」を除く前3項にあたる「無常・苦・無我」は、『ダンマパダ』をはじめとする初期教典、パーリ経蔵や漢訳の阿含経にしばしば説かれている[2]パーリ仏教ではこの3句をまとめて「3つの特相」(: tilakkhaṇa)とする[7]。なお、三法印は漢訳仏教圏で普及した用語であり、パーリ聖典にはこれに対応する用語はない[8]

一実相印

智顗は『法華玄義』において、三法印は小乗の仏説であって大乗の法印は諸法実相印のみであると主張した[4]

出典

  1. ^ a b c 水野 2006, p. 154.
  2. ^ a b c d 三枝 1990, p. 99.
  3. ^ 水野 2006, pp. 154–171.
  4. ^ a b 仏教学辞典 1995, p. 400, 法印.
  5. ^ 岩波 仏教辞典 2002, p. 400, 三法印.
  6. ^ 水野 2006, p. 155.
  7. ^ 岩波 仏教辞典 2002, p. 454, 四法印.
  8. ^ 室寺 2013.

参考文献


法印

出典:『Wiktionary』 (2018/07/06 03:38 UTC 版)

名詞

ほういん

  1. 仏教教え特徴づけ、それによって他の教え識別することが可能な思想要素のこと。通常は「三法印」などの熟語形で使われる。(「」は釈迦教え。)
  2. 「法印大和尚かしょう位」の略。法印大和尚位は、日本における僧侶の位の一つ
  3. 仏師絵仏師連歌師絵師武士の入道儒者医師に対して与えられることのあった称号平安時代後期から江戸時代までに行われた
  4. 山伏修験者)や祈祷師のこと。市井での俗称

発音(?)

ホ↗ーイン

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