PALとは? わかりやすく解説

PAL 【Phase Alternate Line】

フランスを除く西欧中国オーストラリアなどが採用しているカラーTV標準方式走査線ごとに(R-Y信号位相反転させている。走査線数 625本、25フレーム/秒。色副搬送波は、4.43MHz。(ただし、ブラジルでは走査線数525本、30フレーム/秒、色副搬送波周波数、 3.58MHzのPAL方式採用している。)

【参】付図30

PAL [Phase Alternation by Line]


.pal

読み方パル

.palとは、Windowsデスクトップにおけるカラーパレットデータファイルに付く拡張子のことである。


Pal

名前 パールパルポール

PAL

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/12 18:52 UTC 版)

アナログテレビ放送形式(PALは青色

PAL: phase alternating line、位相反転線)とはカラーコンポジット映像信号の規格である。

開発した西ドイツ(当時)を中心にヨーロッパASEAN諸国の大部分、中東の大部分、アフリカの一部、ブラジルオーストラリアなどで採用されている。

日本の国際テレビ放送では、海外向けテレビ国際放送NHKワールドTVでは本国で採用されているNTSC方式に加えてPAL方式を日本で唯一採用している。

特徴

PALはドイツヴァルター・ブルッフドイツ語版によって開発され、1967年に最初の放送が始まった。名が表す通り走査線毎に色信号の位相を反転しており、ある程度の位相エラーを自動的に補正して色を出すことが出来る。NTSCでは受信機の色合い補正を手動で行う必要があり、これが技術者がジョークとしてNTSCを never twice the same color(二度と同じ色は出ない)と言ったり、PALを perfect at last(ついに完全に)とか peace at last (ついに安らぎが)と言ったりする理由である。しかし、位相エラーが大きいときには補正が利かなくなり、Hanover barsハノーファー・バーズ と呼ばれる縞模様を出して破綻する。なお、現在はこれを補正する規格に変更されている。

テレビ放送の歴史的経緯としては、まず白黒放送が始まり、その映像信号および放送波と後方互換および前方互換を持つような仕様のPAL、NTSCカラー等のカラー規格が制定された。

白黒放送の段階で世界各国のテレビ放送の規格は、日米を中心とする走査線525本・毎秒60フィールドの規格と欧州を中心とする走査線625本・毎秒50フィールドの規格に分かれていた。後に制定されたカラー放送規格では、米国でNTSCが、欧州の大部分でPALが採用されたため、PAL方式のカラー放送は、走査線625本・毎秒50フィールドが多数派ではあるが、PALはあくまでもカラー信号に関する規格であって、走査線やフィールド数まで規定している訳ではない。例えば、白黒放送に米国方式を採用していた南米地域は、カラー信号規格はPALを採用したので、走査線525本・毎秒60フィールドのPAL方式も存在する。

通常のPALは、1フレームあたり625本の走査線で1秒当たり25フレームの信号で放送され、NTSC同様飛び越し走査による表示を行う。各フレームは2つのフィールドで構成され、各フィールドは1フレームの約半分の走査線で構成される(片方は偶数ラインで、もう片方は奇数ラインで構成される)。フィールドは伝送され連続して表示される。1秒あたり50フィールドで表示されることになる。この構造は、フリッカー防止と帯域幅節約との妥協案で生まれた。

PALには多くのバリエーションがある。PAL-MはNTSCとPALの混合とでも言える規格で、走査線525本で60Hzとなり、ブラジルで使われている。PAL-NはPALを狭帯域で使う規格でアルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイで使われている。PAL-Iはイギリスで使われている方式である。その他のPALを使うヨーロッパの国では、PAL-B/Gという規格が使われている。PAL60という規格は、NTSCのように1秒間に59.94フィールドを表示している。これは正式な放送規格としては存在しないが、NTSCで録画されたVTRやDVDをPALのTVで表示するために考案され、広く利用されている。

PAL信号の詳細

PAL-B/G の場合、次の特性がある。

水平同期は以下の通りである。

パラメータ
帯域幅 5 MHz
水平同期特性
各ラインの合計時間 64.000 μs
フロントポーチ(A) 1.65+0.4
−0.1
 μs
同期パルス (B) 4.7±0.20 μs
バックポーチ (C) 5.7±0.20 μs
アクティブ (D) 51.95+0.4
−0.1
 μs

(合計水平同期時間12.05 µs)

サウンドキャリアと組み合わせてRFキャリアに変調する前に、システムMおよびNで使用されるコンポジットビデオ(CVBS)信号。

垂直同期は以下の通りである。

パラメータ
バーティカルバー 312.5 (合計625)
有効なバーティカルバー 288 (合計576)
垂直同期極性 負 (バースト)
垂直周波数 50 Hz
同期パルス長 (F) 0.576 ms (バースト)[1]
アクティブ(H) 18.4 ms

(合計垂直同期時間 1.6 ms)

PALはインターレスであり、2つのフィールドを合わせて完全な画像フレームになる。

ルミナンス, は赤、緑、青() signals:の信号から生成される。

が使用しクロミナンスを送信する。それぞれの帯域幅は1.3MHzである。

複数PAL信号 timing where .

サブキャリア周波数 PAL-B/D/G/H/I/Nの場合、4.43361875 MHz (±5 Hz) 。

PAL使用国・地域一覧

PAL B/GまたはPAL D/K

ヨーロッパ

アジア

南アメリカ

アフリカ

オセアニア

PAL-I

ヨーロッパ

アジア

アフリカ

PAL-M

南アメリカ

アジア

PAL-NまたはPAL-CN

南アメリカ

脚注

  1. ^ Vertical Blanking Interval of 625-Line Standard (PAL Colour)”. 2016年4月28日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月3日閲覧。

参考文献

PAL規格の定義は、1998年国際電気通信連合 (ITU) から Recommendation ITU-R BT.470-6, Conventional Television Systems.として出版されている。

関連事項

外部リンク


PAL (曖昧さ回避)

(PAL から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/09/12 18:55 UTC 版)

PAL(ピーエーエル、パル)


PAL(576i)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/21 21:13 UTC 版)

ウルトラワイド・フォーマット」の記事における「PAL(576i)」の解説

Phase Alternating Line (PAL)放送は、PALアナログディスプレイ向けのアナログ放送。この規格1967年英国ドイツによって開発されヨーロッパASEAN中東諸国実装された。デジタルビデオ形式変換すると、DV PALは5:4で解像度720×576i、50Hzで動作する

※この「PAL(576i)」の解説は、「ウルトラワイド・フォーマット」の解説の一部です。
「PAL(576i)」を含む「ウルトラワイド・フォーマット」の記事については、「ウルトラワイド・フォーマット」の概要を参照ください。

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