ファッション
特集 芸能人15人のブランドビジネス 第16回 / 全16回

芸能人プロデュースのブランドに学ぶ

毎週発行している「WWDJAPAN」は、ファッション&ビューティの潮流やムーブメントの分析、ニュースの深堀りなどを通じて、業界の面白さ・奥深さを提供しています。巻頭特集では特に注目のキーワードやカテゴリー、市場をテーマに、業界活性化を図るべく熱いメッセージを発信。ここでは、そんな特集を担当記者がざっくばらんに振り返ります。(この記事は「WWDJAPAN」2025年1月20日号からの抜粋です)

関戸:芸能人がプロデュースするブランドで成長しているのはどこか。そこにはどんな思いが詰まっているのか。実績が伴うものをピックアップして、15人を取材しました。

和田:「手掛けている、あの芸能人が好き」というのを超えて、商品が売れていますよね。「ミース(MEETH)」のソンミさんは、「人にすすめたい化粧品が尽きた」というところから1人で会社を立ち上げて、OEM企業を自ら回り交渉し、第1弾の炭酸ガスパック1000個を発売。それが5分で完売したことで、ブランドとしての可能性を感じたというエピソードが印象的でした。彼女の知名度だけでなく、自分が使ったコスメをSNSなどで紹介することでファンとの信頼関係を築いていたからこそ、多くの人に「使ってみたい!」と思わせたのでしょう。

関戸:“人”が立つからこそ、信頼はより大事だし、共感もしてもらいやすいのでしょうね。私は「ジーユー(GU)」とのコラボで組織力に刺激を受けたEXILE NAOTOさんが、「洋服作りは、まず組織のデザインから」と語っていたのが印象的でした。それから、自らCEOを務め、「ニューナウ(NEWNOW)」のディレクションをする榮倉奈々さんの取材で、自身の変化や家庭や仕事への影響など、パーソナルな部分が聞けました。こうしたビジネスの裏側を伝えられる機会も貴重だと思いました。

消費トレンドにも合致

和田:榮倉さんは子育てをしながら俳優、ブランド運営も行っていて、働く女性のロールモデルですね。

関戸:作っている商品自体が魅力的なことはもちろんですが、作り手への共感や応援したい気持ちが購買につながるという今の消費トレンドとうまく合致していますね。

和田:その一方で、「どこまで自分を表に出していくかが難しい」という声も多かったですよね。「メゾン ヨシキ パリ(MAISON YOSHIKI PARIS)」を手掛けるYOSHIKIさんはミュージシャンという印象が強いため、“異業種への参入”と偏った目で見られることがあるそうです。「知名度はあるので注目は集まるが、真剣にやっていることを見せるのは大変」と語っていました。

関戸:バランスは難しいですね。「どこまで自分を表に出していくか」は皆さん、多かれ少なかれ悩んでいるようでした。モノの良さだけではなかなかモノが売れない時代に、学ぶべきヒントが多い特集になったと思います。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

影響力増す“個人の力” 「芸能人ブランド」特集 榮倉奈々やYOSHIKIら15人が登場

1月20日発売の「WWDJAPAN」は、俳優やアーティスト、YouTuberら芸能人が手がける14のブランドにフォーカス。モノの魅力だけでは商品が売れなくなったこの時代、モノに付随するストーリーへの共感による“エモ消費“が若い世代を中心に拡大。支持されるブランドはストーリーテリングを有効的に行なっているとも言えるでしょう。本特集では、芸能人15人による自身のブランドビジネスストーリーを、本人達によ…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。