新幹線の新規開通まで半年、交錯する期待と不安…「開業日は来てほしくない」との声も
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西九州新幹線の開業まで23日で半年となった。佐賀、長崎両県の武雄温泉―長崎間が新幹線でつながり、沿線では歓迎ムードが高まる。一方で、開業後は並行在来線となるJR長崎線・肥前山口―諫早間は特急が大幅な減便となるなど、地域には期待と不安が交錯している。(中尾健、丸山滉一)
「新型コロナウイルス感染拡大で停滞する長崎の観光振興のきっかけになってくれたらありがたい」。長崎市の老舗旅館「
同旅館は新幹線の終着駅となるJR長崎駅から車で約15分の高台に立地している。コロナ禍前は修学旅行生やバスツアー客でにぎわっていたが、感染拡大の影響で客足は半分以下に落ち込んだ。コロナ後を見据えて、多額の費用をかけて施設の改修を進めてきただけに、新幹線への期待度は高い。
ただ、気がかりなのは開業後も整備方式が未定の新鳥栖―武雄温泉間。
九州新幹線は、新八代―鹿児島中央間が2004年に部分開業した際には、残りの博多―新八代間の整備も決定済みだった。しかし、新鳥栖―武雄温泉間は、国やJR九州、長崎県が新幹線と同じフル規格での整備を求めているのに対し、佐賀県は多額の財政負担などを理由に反対しており、決着は見通せない状況だ。
内田部長は「現在は福岡県からの宿泊客が一番多いが、全線フル規格が実現すれば、関西、中国地方からの利用者も見込める。ぜひフル規格を実現してほしい」と力を込める。
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