撮影・園田寛志郎

かぶら蒸し

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淡雪 ほっこり温まる
 「かぶら蒸し」は、味も見た目も優しげな料理だ。日本料理店店主の脇元かな子さんは、具材を淡雪で包んだような姿に仕上げる。出来たてを口に運べば、ほっこり体が温まる。(生活部 赤池泰斗)

 白身魚などの具材に、すりおろしたカブをのせて蒸し、とろりとあんをかけた「かぶら蒸し」。料亭などの会席で供されることが多い。家庭料理とは縁遠い感じもするが、「けっして難しい料理ではありません。おうちでも作れますよ」と脇元さんは話す。

 今回は、アマダイと聖護院カブを用意した。どちらもスーパーで見かけることが少なく、やや値が張る食材だ。財布と相談して、マダイなどほかの白身魚や普通のカブを使っても構わない。

 あんにするだし汁をアラから煮出す際は、焼き目をつける一手間を加えることで香ばしい風味がつく。「大きさにもよりますが、アマダイからは上品なだしが取れます。アラが手に入らなかったら、かつお節と昆布だけのだし汁でも大丈夫です」

 聖護院カブは、表面近くの繊維が粗いので厚めに皮をむく。目の細かいおろし器ですりおろすと、ふんわりと上品な舌ざわりになる。

 アマダイの身は、切り分けてからクッキングシートを敷いたバットや皿にのせて蒸し器へ。後から切り分けるより身が崩れにくい。

 蒸したアマダイなどの具、すりおろして卵白を混ぜたカブ、だし汁のあん。これらを三位一体にまとめる。そう頭の中を整理すると、確かに難しくはなさそうだ。

 熱いうちにいただく。スッと箸が通り、ふわっと優しい食感。アマダイの甘みと聖護院カブの爽やかさを、滋味深いあんが包み込む。

 脇元さんの店では、冬の前菜として出しているという。寒い日のおもてなし料理によさそうだ。

材料

2人分

アマダイ(身60g、アラ適量)
聖護院カブ100g(皮をむいた状態、小カブでも可)
ユリ根20g
昆布3g
かつお節1g
卵白1個分
ユズの皮適量
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