中国海警局の「モンスター船」、実効支配中の南シナ海スカボロー礁を航行…フィリピンへの圧力強める
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【ハノイ=竹内駿平、北京=吉永亜希子】中国海警局の大型船「海警5901」が今月初めから、南シナ海のフィリピンの排他的経済水域(EEZ)で違法な活動を繰り返しているとして、比政府は13日、中国への抗議声明を発表した。「フィリピンの法律と国際法に違反する」としている。
全長165メートルの海警5901は「モンスター船」の異名を持つ。今月上旬からスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺などで航行しており、米国のトランプ次期政権で南シナ海問題への米国の関与が維持されるか見通せない中、比側への圧力を強める意図とみられる。比沿岸警備隊は監視を続けている。
スカボロー礁は2012年から中国が実効支配しており、中国政府は昨年、領海設定の基準となる「基線」を一方的に定め、既成事実化に向けた宣伝を強めた。中国外務省報道官は13日の記者会見で、「海警局の関連海域でのパトロールと法執行は合法だ」と主張した。
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