日産自動車(以下、日産)は2024年12月23日、ホンダとの経営統合に向けた協議・検討に入ることについて合意し、共同持ち株会社の設立による経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結したと発表した。実現すれば、販売台数で世界3位のグループが誕生するという大型自動車メーカー同士の経営統合である。
日産は業績の急激な悪化で株価が低迷、このままではビジネスパートナーであるフランスRenault(ルノー)が株式の持ち分を台湾電機大手の鴻海(ホンハイ)精密工業へ売却する懸念が高まっていたとの報道もあった。そもそも、両社の経営統合の発端となった日産の業績悪化の原因は何だったのか。
業績は回復の途上と見えたが急失速
日産の業績は2020年度を底に回復基調にあった。日産の業績変動はほぼ自動車事業によるものだが、自動車事業は2022年度から黒字化し、2023年度には円安効果にも助けられて2215億円の営業利益を計上した。
ところがその自動車事業が2024年度に急に失速する。2024年11月7日に発表された2024年度上期決算発表において、2024年度の営業利益予想は6000億円から1500億円に下方修正された。販売金融事業がコンスタントに3000億円以上の営業利益を計上していることから見れば、自動車事業は再び赤字に陥る可能性が高い。