GaAs系太陽電池は変換効率はSi系よりやや高いがコストははるかに高い─。これまでのこうした常識が崩れそうだ。スウェーデンLund University発ベンチャー企業のSol Voltaics社は、GaAs系ナノワイヤを用いた太陽電池シート「SolFilm」をハイエンド単結晶Si系太陽電池並みの変換効率とコストで製造する技術を開発した。
従来の単接合型GaAs系太陽電池は変換効率が25%で製造コストは1500円超/W。SolFilmは、同150円/W前後と推測できる。SolFilm単体の変換効率は21~22%だという。
劇的な低コスト化のポイントは高価なGaAs系基板を用いず、金(Au)粒子を触媒としてGaAs系ナノワイヤを気相成長させる「Aerotaxy法」を用いることだ(図1)。ナノワイヤの長さは約200nm。気相成長中に添加材料を変えることでナノワイヤ中にpn接合を形成する。