いよいよWindows 8の一般販売が始まった。Windows 8はこれまでの販売形態と異なり、パッケージ版はアップグレード製品のみとなり、さらに価格の安いダウンロード版の購入も可能になるようだ。そうなると恒例の「秋葉原深夜のカウントダウン」がどれほど盛り上がるのか多少心配なところだ。発売前日には、日本マイクロソフト主催の前夜祭も企画されており、発売日前日は筆者も秋葉原へ様子を見に行っているはずだ。
Windows 8が正式に発売されたことで、Windows 8試乗会も今回が最終回となる。内容は、Windows 8の新しいセキュリティ機能についてだ。Windows 8といえば、WindowsストアアプリやModern UIに注目が集まりがちだが、マルウエア対策やSmartScreenの採用、セキュアブートへの対応などセキュリティ関連の新機能をいくつも追加している。Windows 8試乗会、最終回はWindows 8の新しいセキュリティ機能を紹介する。
Microsoft Security Essentialsはインストールできない
現在、ちまたには数多のマルウエア対策ソフトがあふれ、自分の環境にベストなセキュリティソフトを探すのは、案外骨の折れる作業になっている。だからといって素のWindowsをそのまま使うのは、あまりに危険だ。そこでマイクロソフトは、「Microsoft Security Essentials」という無料のマルウエア対策ソフトを配布している。筆者も純正ソフトという安心感から、テスト用PCにWindowsをインストールする際は、とりあえず真っ先にインストールするのがこのソフトだ(図1)。
ところが、このMicrosoft Security EssentialsをWindows 8にインストールしようとすると、「Microsoft Security Essentialsをインストールする必要はありません。」というインストールエラーになってしまう(図2)。
これは、Windows 8に標準搭載されている「Windows Defender」が、Microsoft Security Essentialsと同等な機能を内包しているためだ。つまり、Windows 8はデフォルトでマルウエア対策ソフトを標準で実装していることになる。
これまでサードパーティ製と同等に扱われていたマルウエア対策ソフトが標準で搭載になると、セキュリティソフトの開発メーカーとしてはあまりいい気持ちはしないかもしれない。だが、Windowsユーザーの中には主婦や高齢者といったセキュリティに疎い人も多い。そう考えると、何もしなくてもとりあえず最低限のセキュリティが確保されるという仕様は、評価に値するのではないだろうか。