大日本印刷は2月23日、商品の宣伝活動やパッケージデザインの効果について調査分析する施設「ヒューマンリサーチラボ」を東京都新宿区に開設した。ポスターやコマーシャル、商品のパッケージや説明文書などが、商品を認知、選択、使用する際の消費者の心理と行動に及ぼす影響を調査し、独自モデルを用いてブランド価値を分析する。

 同ラボは、被験者へのインタビュー、商品の購入、利用などを体験してもらう「テストルーム」と、それを観察する「モニタールーム」で構成する。被験者の行動を3台のカメラで観察する「マルチ画面観察・回顧システム」、被験者の眼球の動きをとらえて広告やパッケージのどこを見たかを把握する「アイトラッキングシステム」、52インチの画面を使った仮想店舗で被験者が商品選択から購入までの動きを疑似体験できる「イメージバスケット」などのシステムを備える。

 同社が独自に体系化した消費行動プロセスモデルを使用し、消費行動を、心理計測、行動計測、生理計測の3つの面から分析して評価する。「認知」「購買・選択」「使用(廃棄・保管)」の3つのプロセスに基づいて問題点を洗い出し、ブランドの価値が消費者に伝わっているかどうかを数値化する。

 「認知」「購買・選択」「使用」の各プロセスの基本評価を行う場合、価格は100万円(税抜き)から。同社は今後、同ラボによる調査と、その結果に基づくブランド評価ビジネスを推進し、関連するデザイン設計やコンサルティングなども含めて、2010年度までに15億円の売上を目指すとしている。

■関連情報
・大日本印刷のWebサイト http://www.dnp.co.jp/