スカパーJSATは2015年9月29日に開催した「第3回 スカパー! メディアラウンドテーブル」で、オリジナル時代劇4作品を制作し複数のチャンネルで放送する取り組みを他社と共同で10月から順次展開する取り組みを説明した。

 今回の取り組みには、スカパーJSATのほか日本映画放送、ビーエスフジ(BSフジ)、松竹、東映が参加する。藤沢周平氏の時代小説である「果し合い」「遅いしあわせ」「冬の日」「三屋清左衛門残日録」の各作品を順次映像化する。「三屋清左衛門残日録」では4Kカメラによる撮影を行う。

 スカパーJSATはグループ会社の運営チャンネルを通じて、日本映画放送とBSフジは自社運営チャンネルを通じて、1作品もしくは2作品を放送する。松竹と東映は担当作品の制作に参加する。

 今回のイベントでは、時代劇専門チャンネルを運営する日本映画放送の代表取締役社長の杉田成道氏が登壇し、5社共同の取り組みについて述べた。「オリジナル時代劇4作品を一つのシリーズとして展開したいと考えたが、4作品を1社で制作するのは容易ではない。各方面にお願いをして、結果的にスカパーJSATとBSフジ、松竹、東映の4社に参加してもらえることになった」と説明した。さらに「Netflixが日本に参入したり、Amazon.comが動画配信事業を強化したりするなど、我々の業界は激動期を迎えている」「各社がコンテンツ重視という原点に立ち返りつつある状況下と認識している。こういう時期だから今回の枠組みが成立したと考えている」などと述べた。

 スカパーJSAT 取締役 執行役員専務の小牧次郎氏は、多チャンネルサービス提供事業者の立場から、今回のオリジナル時代劇4作品に期待感を示した。「オリジナル時代劇の放送がある日はいつもより問い合わせが3割ほど多い。加入件数も同じぐらい多いという傾向がある」「新作のオリジナル時代劇は楽しみ、というメールも届いている。期待感は非常に高くなっているのではないか」とした。

 今回の会見では、第一弾作品である「果し合い」で主人公の姪孫を演じた女優の桜庭ななみさんも登壇し、作品の見どころなどをアピールした。