乃木坂46『サヨナラの意味』を初めて聞いたとき、あることに気づいた。この曲のメロディーは、ほとんどが特定のリズムによって構成されているのである。
この記事はレビューというより、そのことのみに焦点を当てて書いた。
基本情報
- 作詞:秋元康
- 作曲:杉山勝彦
- 編曲:若田部誠
- BPM:127
- 4分の4拍子
- Ebメジャー(-Fメジャー-Ebメジャー-Fメジャー-Gbメジャー)
2拍332
そのリズムとは、「ターンターンタン」のような以下のリズムである。
付点8分、付点8分、8分のリズム。この記事では、2拍3連をもじって「2拍332」と呼んだ。とりたてて変哲もないリズムであるが、乃木坂46の曲となると話は違ってくる。このブログでは楽曲分析でこのリズムに何度も言及してきた。
強いていえば、3-3-2-3-3-2拍のリズムがモチーフか。
48・46系の楽曲ではBメロでよく出てくる「ターンターンタン」というリズムがありまして(たぶん意図的にやっている)、この曲ではそれがサビをも構成しています。
それでいて48・46系楽曲で頻出の、2拍を3:3:2に割った「ターンターンタン」というリズムも忘れていない。Bメロではご丁寧にキックまで同調させて! ちなみに、2倍の4拍を3:3:2に割ったリズムも登場する。
そんなによく使うリズムだろうかと思い、ブリグリで確認してみたが『そのスピードで』(「そのスピードでー♪」)とか『☆FALLING STAR IN YOUR EYES』*1くらいしか思いつかなかった。*2誰が指示出してんの? 秋元か?
『サヨナラの意味』にどれだけ出てくるか
それで肝心の『サヨナラの意味』の主旋律にどれだけ出てくるかだ。著作権的に譜面そのものは載せられないのでリズム譜を作ってみた。何回出てくるか数えてみてほしい。
どう感じただろうか。
1つのセクションで登場するならわかる。Aメロ(16小節目〜)で「シソーファーミソーファーミファー」ときたら普通繰り返すだろう。しかし、Bメロ(33小節目〜)、サビ(42小節目〜)、Dメロ(105小節目〜)とすべてが2拍332で構成されている。これはもはや狙って作られたと言えるのではないだろうか。
なぜ惹きつけられるのか
様々な曲に多用されるということはそれなりの理由があるのだろう。ウケるということだ。実際、わたしも嫌いではない。
2拍3連よりもゆったりとしていて、それでいて続く短い8分音符。同じ音価が続く安心感の後、アクセントとなっている。特に16分ウラと8分ウラ両方のフィーリングが感じられること。それが重要な効果だと思う。