シン・ゴジラを二回目(以上)観る方へ
シン・ゴジラ、本当に傑作の映画ですね。
何が良かったとか考察がどうとか、日々Twitterでやり過ぎてるのでどこかでまとめなきゃ……と思いつつも、先にこのお題で記事にしてみました。
私もそうなんですけど、要素や見どころが多過ぎる上に日々ネットで盛り上がってるお陰で何度も観に行きたくなるんですよね。
そこで、通常3回、4DXとIMAXで1回づつ、計5回程観た私なりに複数回鑑賞時に気付いて「お!」ってなる部分をガイドとして挙げていってみます。
ちなみに5回も観てるけど毎回興奮して盛り上がって普通に楽しんでしまって見落としが多いのと、万物に知見があるわけじゃない(むしろ無知寄り)ので気付いてないとこも多いです。
基本、時系列に沿う感じで。
具体的な表現は避けつつも、まぁネタバレ回避は無理かな。
前田敦子
アクアライントンネルで避難スロープ滑って地下道歩かされて文句垂れてる子ですね。
汚れ方から見るに、最初に第一形態の体液浴びた車に乗ってた説。
首相官邸の嘘
赤坂にある首相官邸の地下に危機管理センターがあるんですが、作中で使われてるオペレーションルームや会議室は有明の防災公園の施設ね。
関係閣僚会議冒頭の「欠席者」テロップ
これ! 2回目鑑賞で一番の楽しい部分! というか周回プレイヤーじゃないと気付けない箇所。
後半のフラグがもうここに記されてるんですよ。
バスでiPhone撮影してる庵野監督
第二形態(通称:蒲田くん)から逃げ惑う蒲田駅前のシーン、バスの運転手ですな。
これは特番観てなきゃ気付けないだろw
瓦礫に死体が埋まってる
同じく蒲田くんが通過したあとの、「まるで津波が過ぎ去った跡」みたいな被災描写のシーン、ちゃんとこういう辛い部分も映像になってます。
誰ですか、民衆の被害の表現に乏しいとか言ってる人。
泉修一 保守第一党政調副会長 初登場シーン
みんな大好き泉ちゃん。
“赤坂の料亭”にいるってのがいいですな。
そして後半の印象で忘れがちですが、このシーンの次は立川まで登場しません。
巨災対のメンバーを集めたのも泉ちゃん、敏腕。
石原さとみのジェスチャー
ガッズィーラは神を意味するの処、「名前に“GOD”をつけて……」って言いながら、ダブルクォーテーションのジェスチャー(ダブルピースみたいなの)するのね。
FF14やってる人には【引用】エモートって言うと伝わる。
根岸達也 原子力規制庁監視情報課長
黒田大輔さん演じる根岸(「ここに核を落とすんですかっ!」の演技が印象的)ですが、実は彼は巨災対のメンバーじゃないんですよ。
初登場は放射線量の確認の際に「上からは止められてるんですが……」と矢口と電話してたシーン。
その後に新元素であることを赤坂と確認し、「データを巨災対に持って行ってくれ」と指示されてそのままちゃっかり合流しちゃった人。
単純にイメージ的に、安田くんと相性良さそう。
シュプレヒコールの内容
首相官邸につめよる群衆、内容がゴジラ否定派と肯定派で両方の内容が聞こえてくる。
ここに限らず、同時にバラバラの内容の音声が流されることが多い映画だよね……。
森文哉 厚生労働省医政局研究開発振興課長
みんな大好き津田寛治さん演じる森、謎のハイテンション喋り。
そして携帯メールから伺える愛妻家っぷり。
家族がどうなったかは明確な描写はないけども……。
巨災対の避難シーン
PCだけ持ってスっと立ち去る人、紙の資料集めまわって必死な人、最後まで見回る袖原泰司 官邸内統幕運用第一課長。
人物模様とまわりつづける椅子、見所たくさん。
ゴジラに舌が無い
これ、蒲田くんと品川くんの頃から無いんですよ。
警戒しないから耳が無い、捕食しないから舌が無い。
ゴジラの眼のカバー機能
わかりやすいのは放射線流放出開始直前だけど、タバ作戦での空爆時にも実はやってるこれ。
眼に水銀のような膜を作って防護してるんですね。
実は眼に攻撃効くのかもしれない。
PCを使ってない泉ちゃん
政調副会長をやっていて未来の幹事長志望。
彼の仕事は根回しの電話ラッシュなので、書類作りは他人の仕事!とばかりに、立川ではPCあてがわれてるのに開いてない潔さ。
矢口の脇にある臨時の「既決」と「未決」の手作りトレイも見所。
日本はゴジラを、書類とハンコ……それに根回しでやっつけるのだ!
更新される役職テロップ
他のシーンもだけど、人物の役職が更新されると律儀に都度表示されます。
TVでの告知→泉ちゃんの軽口に合わせて更新・表示される矢口の最新役職。
立川に辿りつけたメンバー
基本的に名前のある巨災対のメンバーは生き残ってる、はず。
メンバー自体は半分ぐらいになってしまっているけど。
あと地味に尾頭さんだけじゃなくていかにも文系なメガネ女子がいるので余裕があったらチェックしてみましょう。
ラーメンの具
「のびちゃったよ……」で見つめるラーメン、ネギとナルトしかない。
そもそもどこから出前してきたんだ…… 立川駐屯地の食堂からか!?
<タレコミいただいたので追記>
@YODA_44 多分「のびちゃったよー」のラーメンはここ https://t.co/zmMsJyMjt0 かと思われ。
— shachi@1日目エ-45b (@shachi) 2016年8月10日
具の少なさ、駐屯地への出前、なによりシンプルかつ美味い。
赤坂の目の演技
直後に矢口を諭すシーンの印象が強くて熱核攻撃推進派に感じる赤坂 臨時官房長官代理ですが、里見 臨時総理から国連の通達を聞いた際に作中でも唯一かってぐらいに狼狽えてるんですね。
前傾姿勢に複雑な怒りを含んだ言葉、その眼力、竹之内豊さんの演技の中でも作中トップに素晴らしいシーンです。
着替えてるボディーガード
一周して喋ってるだけで面白くなってくるカヨコ・アン・パタースン 米国大統領特使ですが、その要素の一角を担っているボディガードのマフィア梶田氏。
ヤシオリ作戦で矢口と軽口を叩き合って別れる際、後ろに一瞬映るので要チェックです。
律儀にフライトジャケット仕様。
ヤシオリ作戦前線拠点に志願した巨災対の2名
袖原はまぁ自衛隊側だからとして、もう一人が実は安田くん。
タイベックでわかりづらいけど、抑制剤投与のモニタリングをしてます。
では安田が何故そこにいるか
これに気付くのに私は3回鑑賞を必要としました。
是非みなさんも気付いてください。
投与中の小声のつぶやきとか、重要なヒントです。
位置関係
Google mapで3Dにしてぐるぐると見てみると楽しい楽しい。
完全に脳が焦げ付いたままで四六時中ソレの事しか考えられない身体になってしまってるので、Google mapでロケ地探してアングル調整したり位置関係把握してニヤニヤしてる。 っていうかマジでテロップ通りのとこでしっかり撮影してるのな。 pic.twitter.com/am8uI6NutO
— YODA (@YODA_44) 2016年8月4日
これ系の特撮映画とは思えないくらい、比較的誠実に位置関係守ってるんですね。
ゴジラの侵攻ルートと東京駅近辺の燃えた範囲は結構謎だけど。
これざーーーと読んでなんとなく覚えておくと、鑑賞時に「あ!」ってなって楽しい。
「映画観ながら確認作業」って比較的ネガティブに言われる表現ですが、ここまで要素が多岐に渡るとこの行為がもうエンターテインメントになるという。
あぁ、庵野監督作品ですねぇ。
最後に、別に観ておかなくてもいい(あんまり)関連(しない)作品を挙げておきますね。
キューティーハニー
庵野監督の実写作品ですよ! 別にラブ&ポップから観ろとも言わないので、市川実日子さんがメガネ女子やってるこれは観て、腰砕けてください是非。
お茶配りのおばちゃんこと片桐はいり女史も強烈な役をやってますよ。
仮面ライダー1号
我が国の総理大臣はショッカーの大幹部だったのだ!!!(※大杉漣さん)
藤岡弘、THE MOVIEとしか言いようのない怪作のこちらでも仮面ライダー1号と決着をつけようと暗躍したりベジータみたいなことしたりとがんばってるぞ!
そして最後に本郷猛からかけられた言葉とは……!!
いちえふ
これは漫画ですね。
福島第一原発の除染業務レポマンガなのですが、これを読んでたお陰でタイベック(防護服)のバリエーションや除染描写、さらには自衛隊の観測作業(歌舞伎座タワー屋上や米軍空爆跡地のシーン)でのブザー・無線の意味が理解できました。
と、長くなってしまいましたが、お盆を利用して二度目三度目とシン・ゴジラをまた観に行こう、という方の楽しみのガイドになれば幸いです。
流石に5回観たからもういいやって思ってたけど、書いてるうちにまた観たくなって、きた、ぞ……!