注:これはけものフレンズが好きな一部のお友達にしか分からない身勝手な考察+夢小説です。更に村上春樹の「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をちょっとだけ基にしています。
『世界の終わり』パートがジャパリパーク、『ハードボイルドワンダーランド』が今回描いた妄想小説、といったところでしょうか。
しかしこんな悲しい終わりは嫌なので、ジャパリパークよ永遠に…なのです。
*****
お父さん、お母さん、お兄ちゃんが死んじゃって、どれくらいになるかなぁ。
今はかおもはっきり思い出せないのに、それでもなきたくなるんだよ、ふしぎだね。
私はまだ子どもだからよく分からないけど、せかいはせんそうのはてにすべての生きものをころすウイルスにおおわれたんだって。
でも女の子たちはもともとそのウイルスに少しだけつよくて、それからわたしたちのすむしまがサンドスターっていうふしぎな砂にまもられていたから、ほんの少しの女の子と、それからロボットたちが生きのびたんだよ。
でもしあわせは長くはつづかなかったの。
生きのびた私たちも、大人になったら死んでしまうんだよ。
ロボットたちは、未来にのぞみをたくして、私たちをなおすくすりがかいはつされるとおい未来まで、わたしたちをコールドスリープさせることにした。
体はとうけつされるけれど、こころまでこおりつかせてしまったら私たちはおきられなくなってしまうんだって。
だから私たちは長い長い夢のせかいで、おとなになるためのべんきょうをすることになったよ。
わたしのくらす夢のせかいはどうぶつえんみたいなばしょなんだ。
さまざまなどうぶつやガイドに生まれかわって、たのしくくらせるんだって。
私はしょくぎょうのだいいちきぼうに「パークガイド」って書いたよ。
まだかぞくが生きていたころ、みんなでどうぶつえんにいったの。
お父さんはたくさんどうぶつの名まえを知っていて、いろんなことをおしえてくれたんだ。
わたしもいつか、お父さんみたいにみんなに色んなことを教えてあげられる人になれたらなぁ、って。
今はつめたいきかいの中だよ。
ねむるまえに、お父さんがくれたどうぶつずかんをみたの。
金いろの目をしたサーバルキャットがかわいくて、大好きなんだ。
こんな子とお友だちになれたらうれしいなぁ。
お姉さんたちはすこしむずかしいはなしをしていたよ。
私たちはもう『手おくれ』かもしれないんだって。
ウイルスがちんせいかしたころ、ねむらせておいたたまごであたらしい子どもを作ったほうがはやい、って。
けどたまごの数はかぎられているし、ちゃんと大きくなれるかわからないから一個ずつめざめさせるんだって。
でもね、そうしたらその子は世界でたった一人のにんげんになってしまうから、その子のためにどうぶつえんみたいながくしゅうしせつをつくって、そこで友だちを作ったりべんきょうをするんだってさ。
私たちの心は、その子のためのエーアイがわりなんだって。
エーアイ?ってなんだろうね?
よくわからないけど、私はパークガイドになれないかも知れないときいて少しざんねん。
こたいすうがたりないから、みんなちがうどうぶつに生まれ変わって、その子に世界を教えるんだって。
いつか、未来の子どもと、なかよくなれたらいいなぁ。
いつもおちつきがなくて、しっぱいばかりの私だけど、きびんなどうぶつに生まれ変わったら少しはみんなのやくにたてるかな?
そしたら私、その子のお手伝いをしてあげたいんだ。誰かのためになることをする、世界のあんないをする。
まるでパークガイドのおしごとじゃない?
そしてそれはお父さんのようなオトナにいっぽ近づくこと、だと思うんだよ。
楽しみだなぁ。
きっと会えるよね、私のお友だち。
長い時が経って、サーバルは草原の中で生まれたばかりのフレンズを見つける。
『こんにちは!あなたは何のフレンズ?』
*****
フレンズたちはサンドスターの謎のチカラで擬人化したのですが、もしサンドスターなしでケモナーを作るとしたら『ザ・フライ』みたいな感じなのかなぁ…と思って書きました。でもケモノの中に人なんていないしノケモノもいないんだからね!
とにかく次回が楽しみすぎるおのにちです。