登録日:2025/01/19 Sun 20:45:58
更新日:2025/01/22 Wed 14:47:14
所要時間:約 12 分で読めます
『The Planet Crafter』とは、Miju Gamesによるサバイバルテラフォーミングゲームである。
2024年4月10日に正式版リリースを迎え、Steamで販売されている。
なお、「センチネル社」の降下ポッドに乗って単独で惑星に降り立った、くらいしか序盤に語れる話がないのであらすじは省く。
概要
まず大気圏の補強から始めないといけないレベルの死の星を舞台とし、人類が住めるレベルまでワンオペでテラフォーミングを進めることとなる。
何故そんな無茶をしなければいけないのかはある程度建築を進めていけば判明する。
栄養・水・酸素のパラメータがあり、いずれかが尽きると死亡となり、最後に立ち寄った居住区でリスポンする。
なお、最初は安定した食料の確保手段がなく、あちこちに落ちているアイテムボックスからランダム入手するしかない。
幸い栄養の減少速度は比較的緩やかなため、よほど手際と運が悪くなければ食料切れは回避できると思われる。
テラフォーミングは細かく段階が分けられており、Ti(テラフォーミング指数)の増加によって進行していく。
本作の特徴の一つとして、少しずつ変化していく惑星環境があり、例えば最初の段階である「青空」の達成に至るまで少しずつ空が青くなっていく、といった演出が取られている。
Tiを増加させるためにはまず気圧・酸素濃度・温度のパラメータを高めていき、ある程度の段階からは草木や虫といったバイオマスの発展が求められる。
Ti及び各パラメータが一定値に到達すると新しい設計図が解禁され、さらに高度な装置が使用可能となる。
最終的にテラフォーミングを完了すれば帰還用の装置が解禁されてクリア。
難易度は高くなく、こだわらなければ中盤以降はかなりテンポよく進めていくことが可能。詳細は後述。
テンポ良すぎて、中盤辺りだとある程度縛っていても「施設整備してたら次のフェイズに移っていた」とかもある。
舞台が死の星なのもあり、敵性体は皆無なので戦闘が苦手な人も安心。
ただし、幼虫とかカエルとかがガチで嫌いな人はやめておけ。
また、細かいことはあまり気にしない方がいい。
気圧0でまず設置できる発電機が風力タービンとか、地面に露出しているアルミや超合金とか、テラフォーミング終盤でも初期から1度も上昇していない温度とか。
ロードは爆速であり、様々な施設や動植物が方々に出現している状態でもあまり重くない。
システム
建築
手に持ったビルドガンの機能を拡張する装備品「マイクロチップ」の一種によって可能となる。
建築・撤去ともに簡単で、撤去時に使用した素材はすべて返ってくる。
ただ、どちらも数秒のタイムラグはあるので急いでいるときは注意。
また、地面などに干渉しなければ、ある程度地面から離れていても設置可能である。
出入口+階段、居住区+居住区など、一部施設は連結可能。
稼働するタイプの施設は電力を消費する。電線などはなく、発電施設と稼働施設はどれだけ離れていようと常時接続状態となる。
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施設紹介 |
でかい豆腐。入り口は別途設置する必要がある。
電力なしで酸素が供給されるため、居住区素材の持ち歩きは序盤~中盤の必須テク。
序盤の酸素・温度の施設や核融合炉など、いくつかの施設は屋内でしか設置できない。
縦横に接続可能であり、横に接続した場合は壁が取り払われるが、上への移動は外部階段か屋内はしごの設置が必要。
上位版として2×2、3×3サイズの居住区があり、連結したものと違って壁だけでなく柱もない。
製作側も柱の煩わしさを把握しているのか、上位版の要求素材が妙に重い。
いわゆる作業台。
T1はスタート地点のポッド内にしか存在せず、作れるものが非常に限定的。
最初からT2が作成可能で、まず居住区とともにこれの設置が望ましい。
マイクロチップなど装備アイテムの作成も基本的にこれ。
さらに、テラフォーミングの進行に応じて様々なクラフト系設備が作れるが、ここでは詳細は省く。
互換性はほとんどない点に注意が必要である。
金属フレームの簡素な土台。鉄1個で作れる。
Subnauticaなどと違って空中設置可能で耐久度という概念はない本作では足場が主な役目。
地面・水中でも設置可能なので意外と活用の幅があり、直接地面に置けないロッカーなども設置可能。
気圧を上げるドリル、温度を上げるヒーター、酸素を上げるベジチューブの3つがあり、T(ティア)の上昇で効果も加速度的に上昇する。
ドリルは地中のガスを掘り出して気圧を上げるというもので、性質上屋外にしか置けない。最大でT5まである。
ヒーターはイリジウムをベースとして加熱した空気を放出する。T2までは室内用で、おそらく側面にある管を通じて床から放熱している。最大T5。
ベジチューブは水(氷)を含む施設で、中に植物の苗をセットすることで苗に応じた酸素濃度上昇が得られる。最大はT3だが、以降は後述のバイオマス系施設によって上昇する。
この中で何の制限もなく建築できるのはドリルのみで、イリジウムは採取ポイントが限定され、苗はどこかしらから入手する必要がある。
ヒーター・ベジチューブともにT3からは屋外設置となる。おそらく、それが可能な程度に外部の環境が変化したのだろう。数値的にはあれだが。
植物・虫・魚といった、動植物を繁殖させることを目的とした施設群。種類が多種多様なため、詳細は省く。
実質、ベジチューブの上位版であり、植物系は大量の酸素を生み、植物・虫・動物といったバイオ系パラメータが上昇する。
ここからベジチューブで使用していた苗の他、藻類や幼虫といったバイオ素材が必要となる。
バイオラボといった専用のクラフト施設を使い、肥料や変異を促す素材で遺伝子改良した動植物を生み出して繁殖させていく。
動植物は種類によってパラメータの上昇量が異なる。
なお、後述する食物栽培器で作る作物などが大量に必要となる。
名前の通り、鉱物を採掘する。
本作は資源ノードなどはなく、バイオーム区分の1つとして採掘機で何が掘れるかで分けられている。
鉱物採掘機を該当バイオームに設置すると、それに応じた特殊鉱石を採掘してくれる。ただし、鉄など汎用鉱石も採掘されてしまう。
T1~T3があり、T1では採掘不可能な鉱石もT2では採掘可能で、T3では任意の鉱石のみ採掘される。
内部ストレージには上限があるため、定期的な回収が必須。
例外的に、硫黄のみT3であればどこでも採掘ができる。
土台を連結可能なので、T3までは土台にシュレッダー(いわゆるゴミ箱)を設置しておくと便利。
種から食物を栽培する。
ナスやカボチャが地面から直で生え、常時回転しているなど、若干 アストロノーカっぽい。
育ち切るまでに時間がかかるので、まず2,3個は設置したい。
難易度にかかわらず種は消費することはなく自由に交換可能なため遠慮なく設置してOK。
似たようなものとして、気中の水分や湖などから水を収集する装置もある。
風力タービン・ソーラーパネル・原子炉・核融合炉が存在する。もうちょっと間を刻めないのか、センチネル社。
一度設置してしまえば何かを消費することもなくずっと電力を供給してくれる。
風が吹いていなくてもタービンは回るし、大気圏や雲の有無に関係なくソーラーは稼働する。後、原子炉に使った水は解体後に飲める。
とにかく段階が進むごとにどんどん消費電力は増えていくため、素材に余裕があれば積極的に建設していきたい。
特にソーラーパネルT1はそこら辺に落ちていてろくに利用先のないコバルトがメインのため、非常に設置しやすい。
一方でT2は他の設備でも使われるアルミニウムを使う上にT1数台で賄える程度なのでちょっと残念。
このソーラーT1頼りは製作側も気にしたのか、DLCの舞台ではコバルトの入手が困難になった。
当然T2も同じくコバルトを使うため、出番の改善とはいかなかったが。
テラフォーミングパラメータをブーストするロケットやGPSロケットなどを作成・発射できる。
ブースト量は驚異の+1000%(つまり基礎値の10倍加算)。一部はもっと増える。
ぶっちゃけ他の施設は最低限設置してこれをひたすら打ち上げまくればまあ大体何とかなる。
また、ついでにイリジウムやウラニウムが出現する隕石を振らせる効果があるものもある。
どう見ても大気圏を脱出する前に隕石が降り始めてるけど。
ロケットに接触判定があることに加え、発射直後に追加作成できるため、動画投稿者によく遊ばれている。
上のロケットが打ちっぱなしなのに対し、こちらは往復型。
中に生産物を入れ、射出すると10分後にトークンを携えて戻ってくる。
設定により、ストレージが埋まったら自動で発射するようにもできる。
そのトークンでレアな動植物を入手したり、建造物のレシピを入手したりできる。
たまに隕石とかで邪魔されて変なことになったりする。
ドローンステーションが建築できるようになってからが本番。
まあ、終盤なら多分供給過多になるヒューズというアイテムを売り払った方が早いのだが。
実はこのロケットは本来開拓者に許可されるものではなく、センチネル社にもばれているのだがとりあえずお咎めなしのようである。
ドローンによるアイテム運搬が可能となる。ドローンは自分で生産する必要あり。
全ての生産装置及びストレージに需要と供給の設定ができるようになり、需要・供給が設定されたアイテムを可能な限り運搬し続ける。
距離や障害物の有無に関係なく運搬してくれるが、遠いと時間がかかる。
採取はできないため、藻類や食物などは手作業で回収するか後述のオートクラフターで加工させるかする必要がある。
作成アイテムを1つ指定し、範囲内に素材がすべて存在する場合、自動で作成する。
範囲内であれば地面にある未回収のアイテムさえ対象で、解禁済みのレシピすべてを使用できる万能装置。
自身のアイテム枠は多くはないため、こちらもドローンで搬出できるようになってからが本番。
ローバーという車両を作成し、移動できるようになる。
また、車両用のマイクロチップを作成・搭載することで、ストレージを追加したり移動速度を上げたりできる。
水中も走れる代わりに踏破能力は高くなく、でこぼこ道を苦も無く進むことは期待できない。
その最大のメリットは、ストレージとステーションによる呼び出し機能。
ステーションには任意の車両を呼び出す機能があり、拠点の他に出先で設置することで車両を召喚し、拠点で再召喚する、という手段でバックパックに詰め込んで往復するよりも簡単に大量の物資を持ち帰れる。
マイクロチップによりドローンの対象とすることもできるため、食料や水の需要設定をすれば緊急対応もできる。
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残骸
本作は、とある事情により方々に宇宙船とその落下物らしきアイテムボックスが落ちている。
特にアイテムボックスはあちらこちらにいくつも落ちており、どんなプレイヤーでも全く見つからないということはないだろう。
種や苗などは自力入手が不可能であり、この残骸を漁ってテラフォーミング手段を充実させないといけない。
また、マスクデータとして各アイテムボックスにはランクが設定されており、ランクが高いと貴重なアイテムがテーブルに乗るようになっている。
それ以外にもゴールドクレートという見るからに貴重そうな箱もあり、中身は少量ながら序盤~中盤であれば非常にありがたいものが入っている。
アイテムボックスは解体可能で、通常のものは鉄、ゴールドクレートはアルミと超合金になり、後者はこれまた序盤では非常にありがたい。
宇宙船はアイテムボックスがいくつも配置されている宝箱的なオブジェクトであり、種や苗、ヒーターなどが残されている。中にいた人?知らん。
半分ほどは動力炉が停止したことでドアが閉じてしまっており、後半にならないと開くことができないがその中には非常に貴重なものがある。
アイテムボックスは未アクセスのものはセーブ&ロードするたびに中身が変わるシュレーディンガーな性質を持つ。
ちなみに、この「未アクセス」状態は解体のためのアクセスでも解除されてしまうため、注意すること。
隕石
空からランダムで隕石が降ってくるイベント。
プレイヤーから一定範囲に数個落ちてくるようになっており、落着地点周辺には鉱石がいくつか落ちる。
直撃してしまうと栄養が減少してしまうので、外にいる時は注意が必要。
隕石の残骸に覆われている場合もあるが、残骸はしばらくすると消える。鉱石はセーブ&ロードで消える。
テラフォーミングの進行で、希少鉱石を含む隕石も振ってくる。
なお、「超合金」を含む隕石は他の隕石と異なっており、一回で数十個の隕石がバカスカ降ってくる。
更にドロップする隕石はわずか1分で消えてしまうため、回収するなら隕石の雨を突撃しなければならない。
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ネタばれ |
実は開拓者としてこのような星に送り込まれたのは、自身が犯した罪の減刑のため。要は流刑である。
罪の詳細は不明だが、少なくともこのプランを自分の意思で選んではいる。
DLCによると、開拓に成功した星は送り込んだ会社の所有物になるらしい。
犯罪者なので当初は期待されているわけでもなく、死んでも困らない使い捨て人材として送り込まれている状態。
主人公はたまたま残骸漁りで生存できているが、本来なら苗も種も支給なしなので実際は過酷を通り越して不可能であると思われる。
墜落船があることを把握した上で送っている可能性もあるが、説明がないのでそれならそれで黒いことには変わりなし。
実は前任者もいたのだが、あまりの過酷さに絶望し、ある場所で落盤に巻き込まれて死亡している。
プラネットクラフター事業の過酷さを知る人物。
不可能な苦行をやらされている開拓者に同情し、センチネル社のセキュリティを潜り抜け、何とかアドバイスを送ろうと奮闘している。
が、実際はアドバイスが届くころにはその問題は解決している、という残念な人物。
ただし、交易ロケットのアンロックには成功した。速攻でばれたけど。
地下に不自然な空洞が存在することを発見し、座標情報を送って以降は音信不通となる。
舞台となる星に住んでいた知的生命体。どうやら、人間と同等の存在だった様子。
自分たちを狙ってくるであろう「敵」に対し、怒りや恨みの文章を残さず、撃墜ではなく危険を感じれば逃げられるようにするなど、根本的におとなしい種族。
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バックストーリー |
かつて宇宙の何処かで自身と進化や歴史が酷似した種族と出会い、そのことに感動して彼らに知識を分け与えた。
しかし、自分たちにはなかった強欲さを発揮するようになり、袂を分かって宇宙へと逃亡することを選ぶ。
やがて、当時はまだ自然が存在していたであろうこの星に辿り着く。
彼らが追ってくることを恐れたワーデンは、「人間を自称する種が接近すると対象のエネルギーを急激に減衰させる」という防衛装置を開発。
そうして安息の地を得たかと思いきや、最初に流れ着いて数百年ほどで今度は惑星全域を死の星に変える規模の流星接近が発覚する。
逃亡も抵抗も諦め、星とともに滅ぶことを選んだ彼らは、最後に自分たちはここで生きていたという痕跡とおそらくはそれに目を通すであろう来訪者に向けての贈り物を残して全滅した。
このゲームの突っ込みどころの1つとして「急に現れる幼虫」があるが、おそらくかつては自然がまだあり、死の星になった際に卵状態で休眠していたのが孵化したと思われる。
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ちなみに、この星のあちこちに墜落船があるのは、彼らが作った防衛装置によるエンジントラブルのせい。滅びる前に解除しろよ。
これに加え、言語や座標の定義が同じであるため、地球人類が件の「彼ら」である可能性がある。
ライリーからの情報で見つけることができる。内部には彼らの宇宙船や防衛装置などが隠されている。
上記バックストーリーに絡む遺跡は座標が提示されるが、それ以外にも存在している。
内部は金色の建物が建設されており、防衛装置の影響でジェットパックが使えないので落下に注意。
ゴールドクレートが配置されている場所もあり、おそらくこのクレート自体が彼らが残したものと思われる。それで説明がつかないところにあったりするけど。
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追記・修正はワンオペテラフォーミングから帰ってきた人がお願いします。
- センチネル社については……まだそれほど詳細が明らかになっていないんだっけ? 対立関係とか完了した星の所有権とか以外は -- 名無しさん (2025-01-20 11:34:40)
- 攻略調べようとしたらまさかの出来立てほやほや -- 名無しさん (2025-01-20 14:28:51)
- 核融合炉は居住区外にも設置出来ますよ -- 名無しさん (2025-01-21 00:41:13)
- なんとなく食物栽培機とかベジチューブは屋内に設置してたけど、もしかして屋外でも土台上だったら設置できたのかな。先入観でやってなかっただけかもしれない -- 名無しさん (2025-01-22 14:47:14)
最終更新:2025年01月22日 14:47