登録日:2025/01/27 Mon 17:58:59
更新日:2025/03/03 Mon 11:57:47
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ヨコオタロウ(横尾太郎)は、日本のゲームクリエイター。
1970年6月6日生まれ。愛知県名古屋市出身。
株式会社ブッコロ代表取締役社長。
概要
ドラッグオンドラグーン(DOD)シリーズやニーアシリーズ等のディレクターを務めたことで知られる、鬼才のゲームクリエイター。
関わった作品の多くは狂気に満ちた世界観・シナリオ・設定が特徴であり、邪道のど真ん中を突き進むスタイル。
その尖った作風から好き嫌いが非常に分かれる一方、その“毒”にあてられた一部のプレイヤーからは熱狂的な支持を集めている。
元々は3DCGを扱うデザイナーとしてナムコ(現バンダイナムコ)やSCE(現SIE)に所属していた。
2003年に
スクウェア・エニックスから発売された『
ドラッグオンドラグーン』でディレクターを務め、ブッ飛んだシナリオで名を挙げる。
2017年に発売した『
NieR:Automata』は国内外で高く評価され、全世界の累計出荷・DL本数が900万本を越える大ヒットを記録した。
ニーアオートマタのヒット以降、メディアに露出する機会が激増したものの、ヨコオ本人はゲームクリエイターがメディアに出演することを基本的に好んでいない。
曰く、「官能小説を読むとき、中年男性が書いていると思うと萎えるのと同じ理屈」とのことで、プレイヤーにはクリエイターをあまり意識してほしくないとのこと。
そのため、氏がイベントに出演したりインタビューに応じる際は、ニーアシリーズに登場するキャラクター『
エミール』を模したデザインのエミールマスクを被ることを徹底しており、素顔を見せることはない。
しかし、メディアに出たがらない性分に反して、そのキレッキレのトークはけっこう人気で、“ヨコオ節”とも呼ばれる。
ただし、インタビュアーや司会進行役がリアクションに困るブラックジョークや下ネタなども多いため、「後でライターが記事に書きにくくなることを言うんじゃない」と周囲からやんわり注意されることもある。
ちなみに奥様は『
太鼓の達人』や『
みずいろブラッド』のキャラクターデザインを担当したイラストレーターの横尾有希子氏。株式会社ブッコロのサイトデザインを手掛けている。
『NieR』シリーズなどで楽曲を手掛けているMONACAの岡部啓一氏は大学時代からの知り合い。(岡部氏が後輩。)
来歴
- 1994年
- 神戸芸術工科大学を卒業後、3DCGに興味を持ちナムコに入社する。
- しかし、やりたいことができず嫌気がさして退社する。
- 1999年
- ソニーコンピュータエンタテインメントに移籍。
- しかし、上司とそりが合わず退社する。
- 2001年
- キャビアに移籍。
- 2003年
- 初監督作品『ドラッグオンドラグーン』発売。
- ぶっとんだシナリオで物議をかもし、2ちゃんねるにて横尾ロッカー事件が発生する。
- 2010年
- NieRシリーズ第一作『NieR Replicant / Gestalt』発売。
- 同年にキャビアを退社。無職を自称しつつ、フリーで活動する。
- 2015年
- 株式会社ブッコロを設立し、無職から社長になる。
- 2017年
- 『NieR:Automata』が発売され、世界的にヒットする。
- 2023年
- 『NieR:Automata』がアニメ化する。
- 原作者なのに積極的に原作と違う話にしようとし、アニメスタッフに止められる。
代表作
ゲーム作品
タイトル |
発売年 |
発売元・開発元 |
ジャンル |
機種 |
担当・補足 |
ドラッグオンドラグーン |
2003年 |
スクウェア・エニックス (開発:キャビア) |
アクションRPG |
PS2 |
ディレクター |
ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒 |
2005年 |
スクウェア・エニックス (開発:キャビア) |
アクションRPG |
PS2 |
映像編集 |
NieR Replicant / Gestalt |
2010年 |
スクウェア・エニックス (開発:キャビア) |
アクションRPG |
PS3 Xbox360 |
ディレクター |
ドラッグオンドラグーン3 |
2013年 |
スクウェア・エニックス (開発:アクセスゲームズ) |
アクションRPG |
PS3 |
ディレクター |
NieR:Automata |
2017年 |
スクウェア・エニックス (開発:プラチナゲームズ) |
アクションRPG |
PS4 Steam Xbox One Switch |
ディレクター |
SINoALICE ‐シノアリス‐ |
2017年 |
スクウェア・エニックス (開発:ポケラボ) |
RPG |
iOS Android |
原作・クリエイティブディレクター |
NieR Re[in]carnation |
2021年 |
スクウェア・エニックス (開発:アプリボット) |
RPG |
iOS Android |
クリエイティブディレクター |
NieR Replicant ver.1.22474487139... |
2021年 |
スクウェア・エニックス (開発:トイロジック) |
アクションRPG |
PS4 Steam Xbox One |
クリエイティブディレクター |
Voice of Cards ドラゴンの島 Voice of Cards できそこないの巫女 Voice of Cards 囚われの魔物 |
2021~2022年 |
スクウェア・エニックス (開発:エイリム) |
RPG |
PS4 Steam Switch |
クリエイティブディレクター |
404 GAME RE:SET -エラーゲームリセット- |
2023年 |
セガ |
シューティングライクRPG |
iOS Android |
クリエイティブディレクター |
その他
タイトル |
発表年 |
媒体 |
担当・補足 |
君死ニタマフ事ナカレ |
2015~2020年 |
漫画 |
原作 (作画:森山大輔) |
吉野家兄弟 |
2019年~ |
漫画 |
原作 (作画:秋鹿ユギリ) |
爆剣 |
2021年~ |
舞台 |
原作・脚本 |
カミエラビ |
2023~2024年 |
アニメ |
原案 |
ゲームづくりのこだわり
ヨコオ氏はブログやSNS、インタビュー等において、自身のゲームづくりの考え方やノウハウについて、しばしば語っている。
ここでは、その一部を紹介する。
自分でシナリオを書く
ヨコオ氏がディレクターを務めた作品では、基本的にシナリオ制作もヨコオ氏が担当している。
その理由は、「自分で物語を描きたいから」…というわけではなく、「自分でシナリオを書けば開発コストが抑えられるから」という理由によるもの。
僕は今、ご存じのようにシナリオを自分で書いています。
ただ、別に書きたくて書いてるわけではないです。
(中略)
ゲーム開発では色んな要素によって次々に変更が起きてくるのですが、実はシナリオで回収するのが工数管理的に最適解であることが多いからです。
例えば、「このイベントシーン、絵に違和感あるんだよなあ」となっても、実は映像を作り直すより、シナリオを直した方が劇的に早いことの方が多いですよね。
そのときに外部のライターに頼むと遅くなるんですよ。
僕のゲームではシナリオがさほど重要じゃないし、あまり他人に被害を与えたくないこともあって、自分で書いてしまいますね。
「仕上がってきた素材にあわせて、その場で柔軟にシナリオを変えていく」という方法によって、手戻りを減らしているようだ。
結果的に、ヨコオ作品はストーリーが完成するタイミングが開発行程のかなり後の方になるという。
徹底したコスト管理
上記のシナリオ制作の話で「工数管理的に都合が良いから」という理由を挙げたヨコオ氏だが、シナリオ制作に限らず、氏はゲームづくりにおいてコストや予算といった要素をかなり重視している。
たとえば、氏がディレクターを引き受ける際、企画サイドから「どんなストーリーにしたいか」を聞き出した上で、氏が最初に考えるのはステージ(マップ)の数であり、これが開発規模を無駄に肥大化させない上で重要なのだという。
ゲームを作るうえで一番お金がかかるのは、ステージを増やすことなんです。
背景を作るのにもお金がかかるし。だから背景をなんとか使い回せないかってことで、同じステージを周回してもらうことにしたんです。
(中略)
あと、武器を使っているとレベルが上がって解放される“
ウェポンストーリー”も、予算がない中でお金を使わずにプレイヤーさんの時間を奪うための策だったんです。
文章を書くだけなら一晩あれば書けるので。すべては貧乏ゆえの工夫ですね(笑)。
氏は講演会などで即興シナリオ制作を披露していることも多いが、実際、そういった場においても、まず「これから作る物語に登場する地名」を列挙するところから始めることが多い。
また、氏はキャラクター(登場人物)を考える上でも、予算から人数や造形を考えていくという。
(「どうやってキャラクターを作るのか?」という質問に対して)
まず考えるのは“予算”です。
夢がないように感じるかもしれませんが、何事もお金が重要で、お金がないと物事が始まらないのでバジェットが最初。
そのあとが“期間”です。地味な話が続いて申し訳ないですけど、お金と期間があれば、だいたいの物事は解決すると思っています。まずはこのふたつですね。
(中略)
結論としては、
「必要な要件を満たした後自由な発想が出来る」
ということですね。
作ったことがない方にはわからないと思うんですけど、最初にドラマを考えてしまうと、予算でゲームが作れないという状況が発生します。
たとえば、6人兄弟がいてひとりずつ物語を描きたいと思っているとします。
でも、予算の都合上、ステージが4ステージしか作れない。
そうすると、ステージを6で割って薄くするか、6人のうち4人しか登場しないというソリューションを取らなければならない必要があります。
よく学生さんなんかがキャラクターの設定を考えるときに、まず、こういう名前で、こういう髪型で、こういう人数で、とか考えると思うんですけど、実際のところ、そういうことをやったあとに予算によってめちゃくちゃになって、キャラクター性が壊れるというのはよくある話なんですね。
他にも「腕が四本ある敵を作ると、モーション作成のコストが高くなる」等、後続作業の負担も考えつつキャラクターを作成していくとのこと。
与えられた予算内で作成できそうなフィールドやキャラクターをあらかじめ決めてしまい、「その舞台・キャラクターで表現できる物語」を後付けで考えているようだ。
プレイヤーの感情をデザインする
多くのゲームは、ジャンルはどうあれ「敵を倒す」ことがプレイヤーの目的となる。
この観点から、ヨコオ氏は「プレイヤーが敵を倒したくなる」ようにストーリーや舞台設定、演出を考えていくらしい。
例えば「敵から村を守る」というゲームを作りたい場合に、プレイヤーの感情を「(村のために)敵を倒す!」「殺す!」という方向に持っていくにあたって、氏は次のようなアイデアを提案している。
- 敵を嫌な奴にする
- ただ「敵」を配置しても「殺す!」とは思えないため、倒すべき理由をつけていく。
- たとえば、敵は村に理不尽な圧政を敷いている存在等にする。
- 敵勢力を強大にする
- 弱い敵を倒しても弱いものいじめにしかならず、スンナリ倒せてしまうのは面白くない。
- たとえば序盤は簡単に倒せる敵にしておいて、無慈悲な増援などによって敵勢力の強大さを演出・強調する。
- 主人公の周囲に「守るべき存在」を設定する
- 人は「他人のために頑張れる」というヒロイズムを持っていることが多い。
- 主人公の側に「村から逃げられない子供、病人、か弱い妹」などを配置しておき、プレイヤーを村に縛り付けておく。
- プレイヤーを鼓舞する
- 主人公が窮地に立たされた場面で味方の援軍(NPC)などを登場させる。
- 援軍の彼らが男気を見せることで、「敵を倒す!」と息巻いているプレイヤーをさらに奮起させる。
- そして無慈悲にも援軍が壊滅し、プレイヤーにさらなる戦う理由を与える。
本項目冒頭の「村から逃げられない病人や子供」「強大な敵」(中略)→殺す!という図は、ヨコオ氏のこの考え方を説明したもの。
プレイヤーの感情を「(敵を)殺す!」という方向に向かわせるなら、シナリオや舞台設定にこれくらいの仕掛けを用意すると効果的ですよ…という図である。
決して、「強大な敵も、病人や子供も、まとめてブチ殺す!」という図ではない。
氏は過去に、『
モンスターハンターライズ』を途中までプレイした時点での今後のストーリー展開予想(注:以下はあくまでヨコオ氏の脳内妄想であり実際のストーリーとは無関係)として、
- 里長(フゲン)が、主人公のミスにより死亡する。
- 団子屋の少女(ヨモギ)か、オトモ広場の少年(イオリ)のどちらかが死亡し、残った方は闇堕ちする。
この時点でオトモ広場のBGMからコーラスが消える。
- 攻撃が全く通用しないラスボスに対し、ヒロインの双子(ヒノエ/ミノト)のどちらかを素材にして武器を作成し、対抗する。
二人の内、どちらを素材にするかはプレイヤーが選ぶことができ、武器作成後は拠点のBGMからコーラスが消える。
…等々、モンハンのテイストから大きく逸脱した、救いようのない妄想ストーリーを披露したことがある。
あまりにも酷な展開から「モンハンシリーズに対する理解がない」として、この妄想ストーリーにはゲームファンから批判的な意見も寄せられた。
一方で「主人公がひたすらモンスターを狩り続ける」というゲームにおいて、プレイヤーの感情を揺さぶり「モンスターを倒す!(殺す!)」という気にさせるストーリーを考える場合に、ヨコオ氏なりの方法でシナリオを肉付けしていくと、このような殺伐とした展開になるであろうことは想像に難くない。
(「どうしてヨコオは暗い話ばかり作るのか?」という質問に対して)
ゲームが(敵を)殺すものであれば、どういう物語があるべきか。
敵を殺すゲームが、希望に満ちた明るい世界であるはずがないわけです。
そういうふうに僕はいつも思って作っています。
シナリオ論について
ヨコオ氏の作品は基本的に暗鬱なシナリオが特徴的である。
しかし、そういったシナリオを書く理由は上述の『プレイヤーの感情をデザインする』の項に書いた通りヨコオ氏なりのロジックがあってのことであり、氏は決して殺人などの残虐な描写を好んでいるわけではない。
氏は、
(敵とはいえ)誰かを殺す以上、その物語が希望に満ちている訳がないという考えのもと、自身の作品内において
他者を傷つける事を基本的に肯定する事は無い。
生放送の質問コーナー等でも「殺人趣味の
カイム(DODの主人公)が趣味まで含めて人気が出
てしまったので、その反省を活かしてゼロ(DOD3の主人公)の殺人行為はしっかり
好かれないように意識した」とさえ語るほどである。
これらを裏付けるかのように、昨今はインタビューやX内の発言でも、現実での戦争・虐待といったものを忌避する思想を度々展開している。
たとえば、2023年末の4Gamerでのゲーム業界著名人コメント集でも
いやでも、そんな気分になれなくて。
2023年を振り返ると、世界が酷すぎたじゃないですか。
ウクライナの戦争が終わってもないのに、ガザで新しい戦争が起きて。
ユニセフの報告だと、子供が、46日間で5300人以上死んだって言うんですよ。
僕は天邪鬼だから、いろんな事をナナメに見る訳です。
だから、これが万が一、万が一に、ユニセフが嘘ついてて、10倍に盛って言ってるって想像してみるんですよ、それでも530人な訳です。
10分の1ですら、ありえない。
というか、50人や、5人ですらダメだ。
5300人なんて、ありえていい筈がない。
といった具合に肩書で散々ふざけ倒した後に同年にガザを筆頭とした各地で発生した戦禍に心を痛めている。
ちなみに翌年の2024年末では、
去年のこのコーナーで世界各地の戦争に対して、なんていうか、コメントしたんですけれど。
全然終わってないですね。戦争。
ははっ。ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ。
…といった具合であった。ちなみに、この時も肩書でふざけてはいた。
彼の作品は、基本的に他者を傷つける事に対しては、どのような理由があれシビアな目を向けている。
それなりに救いのあるエンディングを迎える事はあるものの、それでも登場人物全てが幸福になるような結末を迎えることはない。
こうした姿勢を貫いているのは、誰かを傷つけた以上、その代償は必ずあるという彼なりのロジックが根底にあるからなのかもしれない。
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具体例(多少のネタバレを含むため格納) |
ヨコオ作品の主人公の結末について具体例を挙げると、以下の通り。
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もう少し踏み込んだ話(上記作品のネタバレを含むため格納) |
- カイム(ドラッグオンドラグーン)
- 生放送の話でも少し述べたが、DODの主人公であるカイムは外部作品でのプロフィールでも含めて殺人自体が趣味というとんでもない奴である。もっとも、彼が殺人に手を染め始めた理由は両親を殺し、唯一生き残った家族である妹を攫った敵国への復讐であり、元々ヤバい素質はあれどそれが発露するに至った経緯についてはプレイヤーの同情を誘う。
- そして当該作品はマルチエンディング形式だが、(Aエンドを除いて)どのエンドでも(同情できる理由はあるとはいえ)人を殺し続けたカイムが至れる末路にまともな物は無く、しまいには世界を救った筈が、相棒と共に筆舌に尽くしがたい凄惨な死を遂げてしまう。
- ニーア(NieR Replicant/Gestalt)
- 当該作品の敵であるマモノは、実際はゲシュタルト体と呼ばれる人間の魂であり、詳細は一旦省くがこれを殺し尽くしてしまうと人類の滅亡が確定してしまう。しかしゲシュタルト体の一部は崩壊体と呼ばれる自我を喪った個体となっており、これがニーア達レプリカントを襲っていた事、ゲシュタルト体の言葉が(一部の人物を除き)レプリカントには分からない事、加えてゲシュタルト体の一人である魔王が妹のヨナを攫った事から、ニーアからは恨みを買ってしまう事になる。
- ニーアとしては妹を救いたいがためにマモノを殺し続けたものの、上記の通りマモノは元々人間の魂であり、加えて(ここも詳細は省くが)人類復活の要である魔王を殺してしまった事で、人類の滅びは確定してしまう。その後ニーアはある人物を救うことを決めるが、その代償としてこの世界から消えてしまう。
- 2B/9S(NieR:Automata)
- 忘れがちだがこの二人はそもそも機械生命体との戦争の為に作り出されたアンドロイドであり、上記の二人以上に敵を殺す事自体が使命とも言うべき存在である。そして後述の内容も含めた彼らの境遇や末路の元凶とも言うべき存在が
どっかの放火魔9Sの素体となったアンドロイドというとんでもない事実が朗読劇で明らかになっている。
- ここも少し省くが、諸般の事情から2Bは9Sを殺し続ける事を宿命付けられた存在でもある。彼女のみに非があるわけではないものの、仲間殺しの報いを受けるかのように、2Bは物語の中盤で自己犠牲の末に命を落としてしまう。
- また2Bの死により、9Sは復讐と殺戮に溺れてしまうことになり、彼もまたその報いを受けるかのように凄惨な最期を迎えてしまう。
|
なお、『NieR:Automata』が最終エンディングにおいてそれなりに救いのある展開になった理由について、氏は「主人公らが敵を殺すと共に何度も殺されてきた事が、一種の禊になったから」と語っている。フェアウェルの特典台本版の話は忘れろ
|
ただし、あくまで彼なりのロジックで考えた結果暗くなりがちなだけで、『Nier Replicant / Gestalt』では「
死神が戦う少年漫画とかを参考に熱血で王道な展開を意識した」と語るように、
暗い事には変わりないとは言え暗さの調整も可能のようである。
また
坂口博信氏のソシャゲ『テラバトル』にゲストライターとして参加した際には、熱い展開を織り交ぜたハッピーエンドのミニシナリオも描いていたりと、暗い話以外も描こうと思えば普通に描けるらしい。
(本人曰く、同じくゲストライターとして
松野泰己氏のシリアスなシナリオに勝てるわけないから勝負から逃げてああいうシナリオになった、らしいが。)
余談
ヴァニラウェア作品の大ファン。同社のゲームを
『日本の宝』と絶賛している。
プライベートではあまりゲームを遊んでおらず、「ゲームは遊ぶより作る方が楽しい」と語るヨコオ氏だが、ヴァニラウェアの新作はついつい買ってしまうとのこと。
また、人生の中で特に印象に残っているゲームとして、『
ICO』『
斑鳩』等を挙げている。生放送でも「いつか斑鳩みたいなゲームを作ってみたい」と語る事多々。
好きなアニメは
エヴァ。曰く「僕はあの投げっぱなしシナリオに魅了されててずっとエヴァの後を追いかけている」らしい。
- よく人の心がないなんて言われるけど、むしろ人の心の特性を熟知してて揺さぶらせ方を理解しているって印象。後は予算の件の通りロジカルでリアリストだからこそ、徹底的にキャラ(とプレイヤー)を追い詰められるのかもしれない -- 名無しさん (2025-01-27 18:25:03)
- かの高橋哲哉も同じようなこと言ってるのう。「RPGで一番大事なのはフィールド」って。 -- 名無しさん (2025-01-27 18:31:28)
- ニーアレプリカントやったけど、周回、ステージ使いまわしとかゲームの作り方がモロに反映されてるなぁ。しかも予算を考えてアレを作り上げるのはすごい。 -- 名無しさん (2025-01-27 18:32:32)
- おっ、とうとうヨコオさんの項目立ったんだ。この人露悪的な事言いつつも、インタビューや作品の節々で人の善性を最後は信じている節があるよね -- 名無しさん (2025-01-27 20:33:43)
- 敵と戦うシナリオ云々は納得だし『斑鳩』にリスペクトを感じるって言うのも、意外だけども腑に落ちた。あの乾燥した重苦しい世界観は、確かに通じるものがあるわ。 -- 名無しさん (2025-01-27 20:49:21)
- 新宿は基本的に廃墟にするもの -- 名無しさん (2025-01-27 21:22:35)
- 「好々爺だからこそ狂気に満ちた話が描けた」ケン・イシカワや「無神論者だからこそ恐ろしい神々を描けた」ラヴクラフトにも通じるかもしれない -- 名無しさん (2025-01-27 21:41:06)
- モンハンの妄想は初めて聞いたが、これは酷い(褒めてる) -- 名無しさん (2025-01-27 21:53:23)
- ゲームの掲示板とかでこれ絶対死ぬだろ的な話してると大丈夫だ、ヨコオを信じろっめ言う人出てくるけど信じて大丈夫だった試しが殆どない -- 名無しさん (2025-01-27 22:52:56)
- 奇天烈な作風に反して、仕事自体は売上含めて極めて堅実。今のスクエニが重用すべきなのはこういう人材 -- 名無しさん (2025-01-28 08:43:39)
- ↑ただ問題なのは、この人は現状スクエニから見たら外部の人だから、今後何かの折に関係が壊れても囲い込むのが社員と比べると難しい所かも。よーすぴと仲良いから早々無いとは思いたいけど -- 名無しさん (2025-01-28 08:51:01)
- オートマタのEエンドで「ヨコオって人の心とかあったんか?」って驚いたんだよね。 -- 名無しさん (2025-01-28 09:28:51)
- ↑そんなあなたに人形達ノ記憶(の台本PDF) ブルーレイに収録されてるょ -- 名無しさん (2025-01-28 09:32:12)
- 仕事姿勢にも感心するしそういう作風になる理由も好きな人も多いのは分かるけど、それはそれとして個人的に暗い物語はあまりやりたくないので作品はやったことない -- 名無しさん (2025-01-28 09:36:20)
- 本人も作風も尖ってるから合わない人にはめちゃくちゃ嫌われてるけど、この人みたいに信念を持ってかつコスト管理を考えつつゲームを作れる人ってすごく貴重だなと思う。 -- 名無しさん (2025-01-28 09:38:47)
- 人を殺した、傷つけた以上は誰であれ報いを受けろってのは共感できる。できるんだけど……それを受けさせられるのは絶対にプレイヤー側もなんだよねえ -- 名無しさん (2025-01-28 19:23:33)
- ↑4あれ花江さんが急遽出られるようになってなければあのまま進行したってことだもんな… -- 名無しさん (2025-01-29 07:27:55)
- ↑一応あの展開(公演版)をやるつもりはあったらしいよ。まあ花江さん出られなかった場合どうなってたかは知らんが -- 名無しさん (2025-01-29 08:44:20)
- モンハンライズの展開妄想は参考になるな……モンハンシリーズの雰囲気には合ってないけど「戦う理由・負けられない理由」をとにかく付けていく感じでNPCはそのためのパーツとして使うような感じ。 -- 名無しさん (2025-01-29 09:51:02)
- ニーアは本当に良いゲームで世界的に成功したのに、"ヨコオタロウ"を前面に押し出すような展開でコンシューマーの続編が全然出ないのは残念だ。俺はこの人の世界観を味わいたいんじゃなくてこの人の世界観のゲームをやりたいという気持ちが強い -- 名無しさん (2025-02-06 02:45:37)
- モンハンのプロットのくだり、これが他人だったら「モンハンへのリスペクトが足りない!」って全方位からボコボコにされるだろうに、ヨコオタロウが言うだけで「ヨコオらしく共感が持てる」みたいな意見が生えてくるんだからネームバリューって大事やな -- 名無しさん (2025-02-24 13:49:46)
- 仮に「敵を殺さないゲーム」を作ったらどうなるんだろうな 予算の問題と「エヴァの後を追いかけている」という本人のモチベの問題は置いておくとして -- 名無しさん (2025-02-28 18:31:03)
- バーチャル世界を舞台にしてのバトルで退場することで「リアル世界に戻っただけなので死んでませんね」とか言い出しそう。なお退場した相手の精神は -- 名無しさん (2025-03-03 11:57:47)
最終更新:2025年03月03日 11:57