ヨコオタロウ

登録日:2025/01/27 Mon 17:58:59
更新日:2025/03/03 Mon 11:57:47
所要時間:約 20 分で読めます





村から逃げられない病人や子供
理不尽な圧政
無慈悲な敵の援軍
強大な敵
仲間の献身的参戦

↓↓↓↓↓

殺す!


ヨコオタロウ(横尾太郎)は、日本のゲームクリエイター。*1
1970年6月6日生まれ。愛知県名古屋市出身。
株式会社ブッコロ代表取締役社長。


+ 目次


概要


ドラッグオンドラグーン(DOD)シリーズやニーアシリーズ等のディレクターを務めたことで知られる、鬼才のゲームクリエイター。
関わった作品の多くは狂気に満ちた世界観・シナリオ・設定が特徴であり、邪道のど真ん中を突き進むスタイル。
その尖った作風から好き嫌いが非常に分かれる一方、その“毒”にあてられた一部のプレイヤーからは熱狂的な支持を集めている。

元々は3DCGを扱うデザイナーとしてナムコ(現バンダイナムコ)やSCE(現SIE)に所属していた。
2003年にスクウェア・エニックスから発売された『ドラッグオンドラグーン』でディレクターを務め、ブッ飛んだシナリオで名を挙げる。
2017年に発売した『NieR:Automata』は国内外で高く評価され、全世界の累計出荷・DL本数が900万本を越える大ヒットを記録した。

ニーアオートマタのヒット以降、メディアに露出する機会が激増したものの、ヨコオ本人はゲームクリエイターがメディアに出演することを基本的に好んでいない。
曰く、「官能小説を読むとき、中年男性が書いていると思うと萎えるのと同じ理屈」とのことで、プレイヤーにはクリエイターをあまり意識してほしくないとのこと。*2
そのため、氏がイベントに出演したりインタビューに応じる際は、ニーアシリーズに登場するキャラクター『エミール』を模したデザインのエミールマスクを被ることを徹底しており、素顔を見せることはない。*3
しかし、メディアに出たがらない性分に反して、そのキレッキレのトークはけっこう人気で、“ヨコオ節”とも呼ばれる。
ただし、インタビュアーや司会進行役がリアクションに困るブラックジョークや下ネタなども多いため、「後でライターが記事に書きにくくなることを言うんじゃない」と周囲からやんわり注意されることもある。

ちなみに奥様は『太鼓の達人』や『みずいろブラッド』のキャラクターデザインを担当したイラストレーターの横尾有希子氏。株式会社ブッコロのサイトデザインを手掛けている。
『NieR』シリーズなどで楽曲を手掛けているMONACAの岡部啓一氏は大学時代からの知り合い。(岡部氏が後輩。)




来歴

1994年
神戸芸術工科大学を卒業後、3DCGに興味を持ちナムコに入社する。
しかし、やりたいことができず嫌気がさして退社する。
1999年
ソニーコンピュータエンタテインメントに移籍。
しかし、上司とそりが合わず退社する。
2001年
キャビアに移籍。
2003年
初監督作品『ドラッグオンドラグーン』発売。
ぶっとんだシナリオで物議をかもし、2ちゃんねるにて横尾ロッカー事件が発生する。
2010年
NieRシリーズ第一作『NieR Replicant / Gestalt』発売。
同年にキャビアを退社。無職を自称しつつ、フリーで活動する。
2015年
株式会社ブッコロを設立し、無職から社長になる。
2017年
NieR:Automata』が発売され、世界的にヒットする。
2023年
『NieR:Automata』がアニメ化する。
原作者なのに積極的に原作と違う話にしようとし、アニメスタッフに止められる。


代表作


ゲーム作品

タイトル 発売年 発売元・開発元 ジャンル 機種 担当・補足
ドラッグオンドラグーン 2003年 スクウェア・エニックス
(開発:キャビア)
アクションRPG PS2 ディレクター
ドラッグオンドラグーン2 封印の紅、背徳の黒 2005年 スクウェア・エニックス
(開発:キャビア)
アクションRPG PS2 映像編集
NieR Replicant / Gestalt 2010年 スクウェア・エニックス
(開発:キャビア)
アクションRPG PS3
Xbox360
ディレクター
ドラッグオンドラグーン3 2013年 スクウェア・エニックス
(開発:アクセスゲームズ)
アクションRPG PS3 ディレクター
NieR:Automata 2017年 スクウェア・エニックス
(開発:プラチナゲームズ)
アクションRPG PS4
Steam
Xbox One
Switch
ディレクター
SINoALICE ‐シノアリス‐ 2017年 スクウェア・エニックス
(開発:ポケラボ)
RPG iOS
Android
原作・クリエイティブディレクター
NieR Re[in]carnation 2021年 スクウェア・エニックス
(開発:アプリボット)
RPG iOS
Android
クリエイティブディレクター
NieR Replicant ver.1.22474487139... 2021年 スクウェア・エニックス
(開発:トイロジック)
アクションRPG PS4
Steam
Xbox One
クリエイティブディレクター
Voice of Cards ドラゴンの島
Voice of Cards できそこないの巫女
Voice of Cards 囚われの魔物
2021~2022年 スクウェア・エニックス
(開発:エイリム)
RPG PS4
Steam
Switch
クリエイティブディレクター
404 GAME RE:SET -エラーゲームリセット- 2023年 セガ シューティングライクRPG iOS
Android
クリエイティブディレクター


その他

タイトル 発表年 媒体 担当・補足
君死ニタマフ事ナカレ 2015~2020年 漫画 原作
(作画:森山大輔)
吉野家兄弟 2019年~ 漫画 原作
(作画:秋鹿ユギリ)
爆剣 2021年~ 舞台 原作・脚本
カミエラビ 2023~2024年 アニメ 原案


ゲームづくりのこだわり


ヨコオ氏はブログやSNS、インタビュー等において、自身のゲームづくりの考え方やノウハウについて、しばしば語っている。
ここでは、その一部を紹介する。


自分でシナリオを書く

ヨコオ氏がディレクターを務めた作品では、基本的にシナリオ制作もヨコオ氏が担当している。
その理由は、「自分で物語を描きたいから」…というわけではなく、「自分でシナリオを書けば開発コストが抑えられるから」という理由によるもの。

僕は今、ご存じのようにシナリオを自分で書いています。
ただ、別に書きたくて書いてるわけではないです。
(中略)
ゲーム開発では色んな要素によって次々に変更が起きてくるのですが、実はシナリオで回収するのが工数管理的に最適解であることが多いからです。

例えば、「このイベントシーン、絵に違和感あるんだよなあ」となっても、実は映像を作り直すより、シナリオを直した方が劇的に早いことの方が多いですよね。
そのときに外部のライターに頼むと遅くなるんですよ。
僕のゲームではシナリオがさほど重要じゃないし、あまり他人に被害を与えたくないこともあって、自分で書いてしまいますね。

「仕上がってきた素材にあわせて、その場で柔軟にシナリオを変えていく」という方法によって、手戻りを減らしているようだ。
結果的に、ヨコオ作品はストーリーが完成するタイミングが開発行程のかなり後の方になるという。


徹底したコスト管理

上記のシナリオ制作の話で「工数管理的に都合が良いから」という理由を挙げたヨコオ氏だが、シナリオ制作に限らず、氏はゲームづくりにおいてコストや予算といった要素をかなり重視している。
たとえば、氏がディレクターを引き受ける際、企画サイドから「どんなストーリーにしたいか」を聞き出した上で、氏が最初に考えるのはステージ(マップ)の数であり、これが開発規模を無駄に肥大化させない上で重要なのだという。

ゲームを作るうえで一番お金がかかるのは、ステージを増やすことなんです。*4
背景を作るのにもお金がかかるし。だから背景をなんとか使い回せないかってことで、同じステージを周回してもらうことにしたんです。
(中略)
あと、武器を使っているとレベルが上がって解放される“ウェポンストーリー*5も、予算がない中でお金を使わずにプレイヤーさんの時間を奪うための策だったんです。
文章を書くだけなら一晩あれば書けるので。すべては貧乏ゆえの工夫ですね(笑)。

氏は講演会などで即興シナリオ制作を披露していることも多いが、実際、そういった場においても、まず「これから作る物語に登場する地名」を列挙するところから始めることが多い。
また、氏はキャラクター(登場人物)を考える上でも、予算から人数や造形を考えていくという。

(「どうやってキャラクターを作るのか?」という質問に対して)

まず考えるのは予算(バジェット)です。
夢がないように感じるかもしれませんが、何事もお金が重要で、お金がないと物事が始まらないのでバジェットが最初。
そのあとが“期間”です。地味な話が続いて申し訳ないですけど、お金と期間があれば、だいたいの物事は解決すると思っています。まずはこのふたつですね。
(中略)
結論としては、
「必要な要件を満たした後自由な発想が出来る」
ということですね。

作ったことがない方にはわからないと思うんですけど、最初にドラマを考えてしまうと、予算でゲームが作れないという状況が発生します。
たとえば、6人兄弟がいてひとりずつ物語を描きたいと思っているとします。
でも、予算の都合上、ステージが4ステージしか作れない。
そうすると、ステージを6で割って薄くするか、6人のうち4人しか登場しないというソリューションを取らなければならない必要があります。
よく学生さんなんかがキャラクターの設定を考えるときに、まず、こういう名前で、こういう髪型で、こういう人数で、とか考えると思うんですけど、実際のところ、そういうことをやったあとに予算によってめちゃくちゃになって、キャラクター性が壊れるというのはよくある話なんですね。

他にも「腕が四本ある敵を作ると、モーション作成のコストが高くなる」等、後続作業の負担も考えつつキャラクターを作成していくとのこと。
与えられた予算内で作成できそうなフィールドやキャラクターをあらかじめ決めてしまい、「その舞台・キャラクターで表現できる物語」を後付けで考えているようだ。


プレイヤーの感情をデザインする

多くのゲームは、ジャンルはどうあれ「敵を倒す」ことがプレイヤーの目的となる。
この観点から、ヨコオ氏は「プレイヤーが敵を倒したくなる」ようにストーリーや舞台設定、演出を考えていくらしい。

例えば「敵から村を守る」というゲームを作りたい場合に、プレイヤーの感情を「(村のために)敵を倒す!」「殺す!」という方向に持っていくにあたって、氏は次のようなアイデアを提案している。

  • 敵を嫌な奴にする
    • ただ「敵」を配置しても「殺す!」とは思えないため、倒すべき理由をつけていく。
    • たとえば、敵は村に理不尽な圧政を敷いている存在等にする。
  • 敵勢力を強大にする
    • 弱い敵を倒しても弱いものいじめにしかならず、スンナリ倒せてしまうのは面白くない。
    • たとえば序盤は簡単に倒せる敵にしておいて、無慈悲な増援などによって敵勢力の強大さを演出・強調する。
  • 主人公の周囲に「守るべき存在」を設定する
    • 人は「他人のために頑張れる」というヒロイズムを持っていることが多い。
    • 主人公の側に「村から逃げられない子供、病人、か弱い妹」などを配置しておき、プレイヤーを村に縛り付けておく。
  • プレイヤーを鼓舞する
    • 主人公が窮地に立たされた場面で味方の援軍(NPC)などを登場させる。
    • 援軍の彼らが男気を見せることで、「敵を倒す!」と息巻いているプレイヤーをさらに奮起させる。
    • そして無慈悲にも援軍が壊滅し、プレイヤーにさらなる戦う理由を与える。

本項目冒頭の「村から逃げられない病人や子供」「強大な敵」(中略)→殺す!という図*6は、ヨコオ氏のこの考え方を説明したもの。
プレイヤーの感情を「(敵を)殺す!」という方向に向かわせるなら、シナリオや舞台設定にこれくらいの仕掛けを用意すると効果的ですよ…という図である。
決して、「強大な敵も、病人や子供も、まとめてブチ殺す!」という図ではない。

氏は過去に、『モンスターハンターライズ』を途中までプレイした時点での今後のストーリー展開予想(注:以下はあくまでヨコオ氏の脳内妄想であり実際のストーリーとは無関係)として、
  • 里長(フゲン)が、主人公のミスにより死亡する。
  • 団子屋の少女(ヨモギ)か、オトモ広場の少年(イオリ)のどちらかが死亡し、残った方は闇堕ちする。
    この時点でオトモ広場のBGMからコーラスが消える。
  • 攻撃が全く通用しないラスボスに対し、ヒロインの双子(ヒノエ/ミノト)のどちらかを素材にして武器を作成し、対抗する。
    二人の内、どちらを素材にするかはプレイヤーが選ぶことができ、武器作成後は拠点のBGMからコーラスが消える。
…等々、モンハンのテイストから大きく逸脱した、救いようのない妄想ストーリーを披露したことがある。
あまりにも酷な展開から「モンハンシリーズに対する理解がない」として、この妄想ストーリーにはゲームファンから批判的な意見も寄せられた。
一方で「主人公がひたすらモンスターを狩り続ける」というゲームにおいて、プレイヤーの感情を揺さぶり「モンスターを倒す!(殺す!)という気にさせるストーリーを考える場合に、ヨコオ氏なりの方法でシナリオを肉付けしていくと、このような殺伐とした展開になるであろうことは想像に難くない。

(「どうしてヨコオは暗い話ばかり作るのか?」という質問に対して)

ゲームが(敵を)殺すものであれば、どういう物語があるべきか。
敵を殺すゲームが、希望に満ちた明るい世界であるはずがないわけです。
そういうふうに僕はいつも思って作っています。


シナリオ論について


ヨコオ氏の作品は基本的に暗鬱なシナリオが特徴的である。
しかし、そういったシナリオを書く理由は上述の『プレイヤーの感情をデザインする』の項に書いた通りヨコオ氏なりのロジックがあってのことであり、氏は決して殺人などの残虐な描写を好んでいるわけではない。

氏は、(敵とはいえ)誰かを殺す以上、その物語が希望に満ちている訳がないという考えのもと、自身の作品内において他者を傷つける事を基本的に肯定する事は無い。
生放送の質問コーナー等でも「殺人趣味のカイム(DODの主人公)が趣味まで含めて人気が出てしまったので、その反省を活かしてゼロ(DOD3の主人公)の殺人行為はしっかり好かれないように意識した」とさえ語るほどである。

これらを裏付けるかのように、昨今はインタビューやX内の発言でも、現実での戦争・虐待といったものを忌避する思想を度々展開している。
たとえば、2023年末の4Gamerでのゲーム業界著名人コメント集でも

いやでも、そんな気分になれなくて。
2023年を振り返ると、世界が酷すぎたじゃないですか。
ウクライナの戦争が終わってもないのに、ガザで新しい戦争が起きて。
ユニセフの報告だと、子供が、46日間で5300人以上死んだって言うんですよ。
僕は天邪鬼だから、いろんな事をナナメに見る訳です。
だから、これが万が一、万が一に、ユニセフが嘘ついてて、10倍に盛って言ってるって想像してみるんですよ、それでも530人な訳です。
10分の1ですら、ありえない。
というか、50人や、5人ですらダメだ。
5300人なんて、ありえていい筈がない。

といった具合に肩書で散々ふざけ倒した後に同年にガザを筆頭とした各地で発生した戦禍に心を痛めている。

ちなみに翌年の2024年末では、

去年のこのコーナーで世界各地の戦争に対して、なんていうか、コメントしたんですけれど。
全然終わってないですね。戦争。
ははっ。ははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははっ。

…といった具合であった。ちなみに、この時も肩書でふざけてはいた。

彼の作品は、基本的に他者を傷つける事に対しては、どのような理由があれシビアな目を向けている。
それなりに救いのあるエンディングを迎える事はあるものの、それでも登場人物全てが幸福になるような結末を迎えることはない。
こうした姿勢を貫いているのは、誰かを傷つけた以上、その代償は必ずあるという彼なりのロジックが根底にあるからなのかもしれない。

+ 具体例(多少のネタバレを含むため格納)
ヨコオ作品の主人公の結末について具体例を挙げると、以下の通り。

  • カイムドラッグオンドラグーン
    • 殺人趣味であり、人殺しを楽しんでいる。
    • マルチエンディング形式だが、どうあがいてもハッピーエンドは迎えられない。
  • ニーアNieR Replicant/Gestalt
    • 守りたい者のためにを殺す。
    • しかし、その行いが世界全体としては許されざる行為となってしまう。
  • 2B9SNieR:Automata
    • 自分達の同型機が撒いた種により、殺し殺され続ける。
    • 最後は彼らが報いを受けるかのように破滅する。

+ もう少し踏み込んだ話(上記作品のネタバレを含むため格納)
  • カイムドラッグオンドラグーン
    • 生放送の話でも少し述べたが、DODの主人公であるカイムは外部作品でのプロフィールでも含めて殺人自体が趣味というとんでもない奴である。もっとも、彼が殺人に手を染め始めた理由は両親を殺し、唯一生き残った家族である妹を攫った敵国への復讐であり、元々ヤバい素質はあれどそれが発露するに至った経緯についてはプレイヤーの同情を誘う。
    • そして当該作品はマルチエンディング形式だが、(Aエンドを除いて)どのエンドでも(同情できる理由はあるとはいえ)人を殺し続けたカイムが至れる末路にまともな物は無く、しまいには世界を救った筈が、相棒と共に筆舌に尽くしがたい凄惨な死を遂げてしまう。
  • ニーアNieR Replicant/Gestalt
    • 当該作品の敵であるマモノは、実際はゲシュタルト体と呼ばれる人間の魂であり、詳細は一旦省くがこれを殺し尽くしてしまうと人類の滅亡が確定してしまう。しかしゲシュタルト体の一部は崩壊体と呼ばれる自我を喪った個体となっており、これがニーア達レプリカントを襲っていた事、ゲシュタルト体の言葉が(一部の人物を除き)レプリカントには分からない事、加えてゲシュタルト体の一人である魔王が妹のヨナを攫った事から、ニーアからは恨みを買ってしまう事になる。
    • ニーアとしては妹を救いたいがためにマモノを殺し続けたものの、上記の通りマモノは元々人間の魂であり、加えて(ここも詳細は省くが)人類復活の要である魔王を殺してしまった事で、人類の滅びは確定してしまう。その後ニーアはある人物を救うことを決めるが、その代償としてこの世界から消えてしまう。*7
  • 2B9SNieR:Automata
    • 忘れがちだがこの二人はそもそも機械生命体との戦争の為に作り出されたアンドロイドであり、上記の二人以上に敵を殺す事自体が使命とも言うべき存在である。そして後述の内容も含めた彼らの境遇や末路の元凶とも言うべき存在がどっかの放火魔9Sの素体となったアンドロイド(ベースモデル九号)というとんでもない事実が朗読劇で明らかになっている。*8
    • ここも少し省くが、諸般の事情から2Bは9Sを殺し続ける事を宿命付けられた存在でもある。彼女のみに非があるわけではないものの、仲間殺しの報いを受けるかのように、2Bは物語の中盤で自己犠牲の末に命を落としてしまう。
    • また2Bの死により、9Sは復讐と殺戮に溺れてしまうことになり、彼もまたその報いを受けるかのように凄惨な最期を迎えてしまう。

なお、『NieR:Automata』が最終エンディングにおいてそれなりに救いのある展開になった理由について、氏は「主人公らが敵を殺すと共に何度も殺されてきた事が、一種の禊になったから」と語っている。*9フェアウェル*10の特典台本版の話は忘れろ

ただし、あくまで彼なりのロジックで考えた結果暗くなりがちなだけで、『Nier Replicant / Gestalt』では「死神が戦う少年漫画とかを参考に熱血で王道な展開を意識した」と語るように、暗い事には変わりないとは言え暗さの調整も可能のようである。
また坂口博信氏のソシャゲ『テラバトル』にゲストライターとして参加した際には、熱い展開を織り交ぜたハッピーエンドのミニシナリオも描いていたりと、暗い話以外も描こうと思えば普通に描けるらしい。
(本人曰く、同じくゲストライターとして松野泰己氏のシリアスなシナリオに勝てるわけないから勝負から逃げてああいうシナリオになった、らしいが。)


余談


ヴァニラウェア作品の大ファン。同社のゲームを『日本の宝』と絶賛している。
プライベートではあまりゲームを遊んでおらず、「ゲームは遊ぶより作る方が楽しい」と語るヨコオ氏だが、ヴァニラウェアの新作はついつい買ってしまうとのこと。

また、人生の中で特に印象に残っているゲームとして、『ICO』『斑鳩』等を挙げている。生放送でも「いつか斑鳩みたいなゲームを作ってみたい」と語る事多々。
好きなアニメはエヴァ。曰く「僕はあの投げっぱなしシナリオに魅了されててずっとエヴァの後を追いかけている」らしい。















編集の仕方がわからない利用者
理不尽な全消し
無慈悲なページ凍結
強大な荒らし
編集者の献身的参戦

↓↓↓↓↓

追記・修正する!



この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ゲームクリエイター
  • ドラッグオンドラグーン
  • NieR:Automata
  • NieR Replicant/Gestalt
  • SINoALICE
  • 狂気
  • エミールマスク
  • 顔出しNG
  • シナリオライター
  • ロッカー
  • 愛知県
  • 名古屋市
  • ヨコオタロウ
  • 変人
  • NieR
  • DOD
  • ブッコロ
  • ヨコオ節
  • ディレクター

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2025年03月03日 11:57

*1 DOD~NieR Replicantの頃の企業所属時の名義は漢字、フリーでの名義はカタカナという使い分けをしている。

*2 ちなみに、2ちゃんねるの創設者・ひろゆき氏はヨコオのこうした姿勢を高く評価しているらしく、YouTubeでヨコオ氏の考え・クリエイターとしての姿勢について言及したことがある。

*3 とは言え『DOD』の頃にはそのスタンスが徹底されていなかったらしく、関連書籍では普通に顔出しでインタビューを受けていたりもする。

*4 もちろん、本当にマップに一番コストがかかるのかは、ゲームジャンルにもよると思われる。ヨコオ氏が想定しているのは、一般的な3Dゲーム(アクション、RPG等)の場合だろう。

*5 DOD、ニーアシリーズに登場するシステム。ゲーム内の様々な武器を使い込んでいくと、その武器にまつわるショートストーリーが徐々に明らかになる…というオマケ要素。プレイヤーからは「読み物として面白く、様々な武器を使い込むモチベーションになる」と好評だった。

*6 引用元はヨコオ氏が過去に公開したプレゼン資料の1ページ

*7 これだけ聞くとニーアが人類滅亡の原因と捉えられがちだが、作中で遂行されていたゲシュタルト計画はそもそも問題だらけの計画だった。ニーアが人類滅亡を早めたのは事実だが、決して彼だけに責任がある訳では無い事はご留意頂きたい。

*8 ただこれも小説版や攻略設定資料集及び電撃PlayStationでのヨコオタロウ氏のコメントを読んで頂くと分かるが、そもそも九号が事を起こした経緯を考えると、責任があるのは決して彼だけでは無いという事はご留意頂きたい。

*9 この作品の登場人物はアンドロイドであり、それ故に敵に殺されても再生産することで復活させられる事が可能。加えて、本作のとある主人公に関しては更にもう一段階何度も殺され続けた理由が存在するのだが、それは当該作品の重大なネタバレになるため割愛する。

*10 当該作品の朗読付きコンサート『人形達ノ記憶』で上演された朗読劇。この最終エンディングの後日談となる話だが、チケット特典の台本に記載されたシナリオは余りにも悲劇的な終わり方をしていた。ネタバレの為伏せるが、上演版はちゃんとハッピーエンドになっている為安心されたし。ちなみに台本版はコンサートのブルーレイに収録されている台本PDFで確認出来る。