順番に見ていこう.どんな条件を要求したんだった?
(13.68) |
といっても大して難しい話じゃない.分母が だったとしよう.分子と分母の次数が同じか,あるいは分子の方が次数が大きい場合は,分子を分母で割って,商を ,余りを とすると
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(A.2) |
典型的な間違いだな.だいたい,仮にそうだとすると,2つめと3つめの項は にまとめられてしまうだろ.
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(A.5) |
もしも式 (A.3) みたいに分解できるんだったら,本編と全く同じように並列分解して考えることができたわけだが,残念ながらもう少し話は複雑になる.
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まあともかく,伝達関数を部分分数展開するという操作が,状態空間表現では何に対応しているかが見えたんじゃないかと思う.特性方程式に重解がない場合は,さっきの状態方程式の 以降のように,全体が対角化される.そうやってシステムを対角化しようとするのが部分分数展開だということだ.ただし重解があると対角化はできなくて,ジョルダン標準形で我慢することになる.
一般に,状態方程式と出力方程式の組としては,入力・出力が多次元の場合も含めて
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(A.40) |
厳密にプロパーではないがプロパーな伝達関数,つまり の場合は, だけになる.入力の定数倍を出力に加えているわけだから,出力方程式が
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つまり
(A.50) |
だから「積分範囲を 0 から までにすればいい」というのは のときは通用しなくて, の範囲では常に 0 になるようにしなくちゃならない.というわけで,単位ステップ をかけて
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時間領域 | s領域 |
(14.39) |
(12.15) |
(A.62) |
(A.63) |
…ん?ということは と がどんな組み合わせだったとしても,必ずプロパーになるということかお?
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んー,なんか面倒な感じになったお.この先も続けていけるのかお?
(A.87) |
(A.88) | ||
(A.89) |
まあ,せっかく作ったから一応 z 変換表に追加しておこう.
時間領域 | s領域 |
swk(at)ic.is.tohoku.ac.jp