北朝鮮ネット接続不能に サイバー攻撃か
【ワシントン=川合智之】北朝鮮のインターネットが、21日から断続的に接続できなくなっていることが分かった。米専門家によると、北朝鮮が何らかのサイバー攻撃を受けている可能性もあるという。米国務省のハーフ副報道官は22日の記者会見で「作戦の詳細は公表しない」と述べた。
米ネット技術会社のダイン社によると、北朝鮮のネット接続が不安定になったのは21日昼ごろからで、22日には完全に接続不能になったとみられるという。北朝鮮がネット経由で「何らかの攻撃を現在受けていてもおかしくない」(マドリー・インターネット分析部長)としている。
北朝鮮には4本の基幹ネットワーク回線があり、4本すべてが中国を経由している。接続不能の原因は、標的に多数のアクセスを仕掛けて機能停止に追い込む「DoS攻撃」などを北朝鮮が受けた可能性がある。現在は「北朝鮮から海外にいかなるネット通信もできない」(マドリー部長)という。
ハーフ副報道官は22日、北朝鮮のネット状況について「司法当局や米国土安全保障省が状況を注視している」としたうえで「我々は様々な選択肢を検討しているが、作戦の詳細は公表しない」と述べた。「実施した選択肢は目に見えるものもあれば、見えないものもある」とも付け加えた。
米政府はソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)に対するサイバー攻撃に北朝鮮政府が関与したと断定した。オバマ米大統領は19日、テロ支援国家への再指定も視野に「相応の対応」を取ると北朝鮮に警告した。
北朝鮮の国防委員会は21日「サイバー戦を含むすべての戦争で米国と対決する万端の準備を整えている」との声明を発表した。
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