ケニアなどで「ソーラーランタン」発売 パナソニック
パナソニックは今秋にも太陽電池を電源にした「ソーラーランタン」をケニアとミャンマーで発売する。電気が届かない発展途上国の村落でも明かりが得られるようにし、所得が少ないBOP(ボトム・オブ・ピラミッド)市場を開拓する。
横浜で開催中のアフリカ開発会議(TICAD)の関連セミナーで1日、明らかにした。
灯油を使う従来型ランプは、体に有害な煙が出たり、燃料費が負担になったりしていた。パナソニックは、得意の太陽電池技術を生かし、日中に6時間充電すれば最大27時間使える製品を開発。アフリカなどで需要の多い、携帯電話を充電する機能も備える。価格は現地の携帯電話端末並みに抑えることを目指す。
BOP市場の開拓では、どういうビジネスモデルで収益を確保するかが最大の課題。パナソニックは機器のレンタルやマイクロファイナンス(少額融資)を組みあわせて利用者の負担を抑える方法を研究している。
パナソニックの国際渉外グループの堀田隆之氏は「BOP市場を開拓し、ともに成長していきたい」と話す。将来的に貧困層が中間所得層へと育ったときにパナソニック製品を買ってくれるようにするのが目標だ。
ソーラーランタンは数年前から発展途上国で普及が進む一方、低品質のものも多いという。パナソニックは高性能の製品で市場を開拓する。ただ最近では中国や米国の企業も品質を上げつつあり、厳しい競争を迫られる可能性もある。
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