はてラボの一角を占めるはてな匿名ダイアリーは、はてラボにログインして書きこむ「増田」と、はてなに正規ログインしてブックマークを加え世間に「増田」を広める「ブクマカー」により構成される。特に「増田」に頻繁にブックマークを加える者は畏敬の念を込め「増田ブクマカー」と呼ばれ親しまれていた。
匿名世界の恩恵を受けて繁栄した「増田」であるが、遥かなる超未来、災厄により全「ブクマカー」がはてなにアクセスする資格と能力(はてな市民権と同義)を失ってしまう。
支配者がいないAIは管理規定にのっとり資格(はてなID)を持たない人間のブックマークを排斥し続ける。「増田」では数千年「ブックマーク0」の時代が続く。書きこむことしかできない「増田」は際限なく投稿およびトラックバックが続けられ、はてなすら内部に取り込んでしまう。人々はブクマ繁栄の記憶を忘れ、裡に抱えた「増田」への感情を吐露する場所もなく「増田」上をさまよう。人類の黄昏の世界。
何千ページも「増田」をさまようとある「増田」。求めるものは「感染」以前の「はてなID」。手にするものは最強の論理「ろんぱっぱ放射線射出装置」。彼は正規にはてなにログインし、無秩序な「増田」の成長にブックマークで気の利いたコメントすることができるのか? 「増田」の冒険が始まる。