そもそも中学以降の勉強は「わかりにくい」のです。中学以降の勉強は、日常で体験できる現象そのものを扱っているのではなく、その背後にある原理や、その原理を正確に記述するための概念を学んでいるのですから。「わかりやすい」本と言うのは、単にその部分をごまかしているに過ぎません。そういう本は、その場しのぎのテスト対策の役には立っても、学問を習得するのには適していません。
数学や物理の内容を解説するのではなく、入試問題を「図を書く」「条件を否定する」などの解法別に分類した本は、何の役にも立ちません。大学入試は数学や物理の内容が身に付いているかを問うているのであって、「入試問題の解き方を勉強したか」を見ているのではありません。
問題の難易度を掲載基準にしている本は役に立ちません。そもそも難易度は掲載すべきかどうかと何ら関係がありません。簡単でも重要な問題なら載せるべきですし、難しいが重要でないなら載せるべきではありません。
「主語は◇で囲みましょう」とか「キーワードに線を引きましょう」みたいな、明らかに内容と無関係なことに拘っている本。そういう本の著者は、このような所まで逐一指示しなければ本を読めない読者を想定しています。まともな受験生はそんな本の相手をする必要はありません。
「瞬間○○」だとか「○○流」だのといった下らないものに勿体つけた名前を付けて紹介している本は捨てましょう。時間の無駄です。
そんなわけありません。現実を見ましょう。
高校範囲を逸脱していることを売りにしている本を買うのは、お金の無駄です。そんな本を買うなら大学の教科書を買って下さい。考えても見て下さい。世の中には、プロの研究者が執筆し、大学教育の現場でフィードバックを受け、改訂を重ねた本がたくさんあります。なぜ、大学教員より明らかに能力が劣る著者が書いて、しかも高校生しか読んでいない本を読む必要があるのでしょうか。
なぜ、わざわざそんな古い本を読む必要があるのでしょうか。「往年の名著」って、たかが高校生向けの学習参考書ですよ。視野を広げましょう。もし大人になって受験参考書が「名著」とか言ってたらヤバい奴ですよ。
浪人生ほどいい参考書を知っているらしいな