善民同士の断絶を防ぐために俺みたいなのが生まれてくるんだなって思う。ワンカップ飲みながら満員のエレベーターに乗って、何人か降りて行ったら、空いた隙間に腰を下ろす。誰も俺を見ない。俺から距離を取ろうとしているのがわかる。蛇蝎のように嫌われて、相対的に俺以外が接近することになる。体だけではなく、心も近づく。疎水結合のごとく、反発する力が彼らを結びつける。俺が生まれてきた理由は、人々を固く結びつけるためだと思う。俺こそが、真の善人であると、俺と神様だけが知っている。
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