2025-01-01

雪国での食事

雪国に来ちゃった

新幹線降りたら、一面の雪景色。しばらくポカンとしたまま立ち尽くしてた。独り身で周りから見たらそれなりかもしれないけど、貯金も少ないし将来が怖すぎてたまらん。

出張ついでに来たこ観光地も、仕事のこと忘れるための口実みたいなもんだ。でもせっかくだから、せめて腹くらいは満たそうと商店街に向かう。

「食うくらいしか楽しみねぇって、泣けてくるよな」

奥の方にある暖簾に「雪国の味」って書いてあったのを見つけて、ふらっと入ってみた。

勢いで頼みすぎる

「いらっしゃいませー!」

店に入った瞬間、元気な声が響いてびっくり。周りを見ると家族連れやカップルだらけ。そんな中、独りで飯食おうとしてる俺が場違いすぎて軽くテンパる

「……まあいいや、俺は俺のペースで楽しむだけだし」

気を取り直してメニューを見る。で、気づいたらこんな注文になってた。

天ぷら盛り合わせ
鴨南そば
炭火焼き味噌おにぎり
おでん盛り合わせ
焼き魚定食
山菜煮物
野菜天ぷら追加
地元りんごシャーベット
わらび餅

店主に「かなり頼まれますね」って笑われて、ちょっと照れくさくなって「せっかくなんで、たくさん食べたくて」ってごまかした。

幸せ不安のはざま

次々に料理が運ばれてきて、テーブルがすぐに埋まる。「やばいな、これ……頼みすぎたかも」そう思ったけど、目の前の天ぷら一口食べた瞬間、そんなことはどうでもよくなった。

「衣サクサク! これだよ、俺が求めてたのは!」

鴨南そば出汁をすする。「染みるわ~……。こういうの、普段じゃ味わえねぇ」

でも、山盛りのおにぎりと追加天ぷらを見たとき、急に現実が襲ってきた。

「うわ……そばおにぎり炭水化物がダブっちゃったよ……やらかしたなぁ」

戦いの終わり

腹はもうパンパン。でも、残したくないから意地で食べる。「この最後わらび餅を食い切ったら、俺の勝ちだ……!」

食べ終わった瞬間、変な達成感がこみ上げてきた。

「頼みすぎて失敗したけどさ、これも俺の生きがいだよな。食ってる間だけは、生きてる気がするし」

帰り道

店を出たら、冷たい空気がじんわり体に染みてきた。雪の街並みを歩きながら、ぽつりと呟く。

弱者男性の俺でも、こうやって腹満たしてるうちはまだ頑張れるんだな」

食いすぎて苦しいけど、なんか心がちょっと軽くなった気がする。雪道の先に続く明かりを見ながら、増田は静かに歩き出した。

「34歳、年収700万の弱者男性貯金も3000万と少ないし将来が怖すぎてたまらん。……この先どうなるんだか」

でも今日ぐらいはこのまま幸せな気分で眠ってもいいよな。

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