2025-01-15

インターネットにおけるちょっと不思議著作権、そして絵柄パク

ちょっと前、あるAがBを盗作だと告発した事件があった。

告発されたのは一枚絵と2〜3個くらいセリフが書かれたもので、シチュエーションセリフはまあ大体一致していた。

ただこれ、普通に考えたらシチュエーションと短いセリフの一致くらいで著作権違反にはならんだろう。

しかしBは謝罪した。

なぜ謝罪することになってしまったのだろうか?

これには2つ理由があると考えている。

まず一個思うのが、AとBの人気の差である

Aはフォロワー数が数千くらいの中堅絵師といった感じだったのだが、それに対してBはフォロワー数が10万を超えているインフルエンサーだった。

この「庶民絵師を大物インフルエンサーが傷つけた」という構図が、一定数の人の怒りを増幅させる結果になったのではないだろうか。

2つ目は、「公共物」化してなかったという点である

ここで一個ifを考えよう。もしAのシチュエーションセリフが、一種ミームとして色んな絵師間で描くのが話題になったら、Aは怒っただろうか?

Aがどんな時でも態度は変えないという硬派な人間なら怒ったかもしれない。ただ、Aが大多数のインターネット人間と同じだったら、多分怒っていない。

このインターネットという空間商業化したアニメなど一定以上有名になったものは、ある程度自由おもちゃにしても良いと言う風潮が生まれることが多く、その原作者も割とそれを黙認〜容認することが多いのである

なぜ黙認〜容認するかと言えば、恐らく、「私はコソコソパクってオリジナルとして発表してるのではなく、ミームに乗って二次創作しています」という共通認識が、「公共物」化したことによりクレジット表記などを正式に行わなくても自動でできるからだろう。

まりインターネットでは、その作品が実際著作権的にアウトなレベルで似ているかどうかに限らず、元ネタ存在を分からなくするということが罪と見られやすいのではないだろうか。

顕著なのは「絵柄パク叩き」である。絵柄の模倣著作権問題ではなく、有名イラストレーターであるさいとうなおき氏も上達の手段として推奨している。

しかしこの絵柄パク、「元ネタ存在を分かりにくくして創作する」というインターネット人間逆鱗に触れやすいのか、「合法だけど、あんまやるもんじゃないよねぇ……」という感じの人をちょくちょく見る。

あえて具体例を挙げると、Xで「望月けい 絵柄」で検索してほしい。「望月けいの絵柄パクってる人、ちょっとね……」みたいなポストをちょいちょい観測できる。(一応言っておくが、望月けい氏は何も悪くない。)

まあこんぐらいだったらまだ個人の好みを語ってるだけかもしれないが、中には「この絵柄でskeb受けるの止めたほうがいい」とまで言うポストもあった。

個人的に、一旦インターネットにいる人々は皆「エセ著作権事件簿」を一読するべきではないかと思った。

  • 実際著作権の話なんてしてないから。パクりは悪、それが普通でしょ。人の感情とかないわけ?

    • 一度書いただけで一生誰からもその絵を独占できるって発想は傲慢すぎると思うけど

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