岩石からヒトデなどの生物まで。約0・02~0・03ミリの極限まで薄く研磨する薄片(はくへん)技術で注目される会社が田尻薄片製作所(東大阪市)だ。技術力の高さが認められ、2025年大阪・関西万博での展示が決まった。 製作しているのは田尻(本名・田中)理恵さん(67)。薄片とは地質学で主に使われ、岩石などを光が透過するほど薄くすることで顕微鏡での観察を可能にする方法。 最初に試料の岩石を消しゴム大ほどの立方体に電動カッターで切り、縦28ミリ、横48ミリの透明なガラスに岩石を貼り付ける。円盤状の研磨機で少しづつ研磨し、最後は磨き粉を使って手作業で仕上げる。現在、日本では数十人しか薄片技術者はいないという。