カナダで先住民族の子どもが集められていた「強制収容所」の跡地が発見された。これは先住民族を「同化」の名の下で迫害してきたカナダ史の暗部を浮き彫りにした。ただし、自らの暗部に意識的に取り組む点で、カナダ政府は誠意ある態度を示してきたともいえる。 カナダで先住民族迫害の歴史が明らかになりつつあるが、それでも過去と正面から向き合おうとするだけ、カナダ政府はまだましともいえる。 小さな遺骨の集団 カナダ西部ブリティッシュコロンビア州で5月28日、かつて先住民族を集めて教育していた寄宿学校の跡地から215人分の子どもの遺骨が発見された(日本では「先住民」と呼ばれやすいが、英語のindigenous peopleは「先住民族」が正しい訳)。 なかには3歳くらいの遺骨まであり、現地の先住民族の代表は「想像を絶する犠牲だ」と語っている。 この発見はカナダ史の暗部を象徴する。 カナダではイギリスの植民地だっ