今週、新しい日本の首相が誕生した。この5年間で6人目となる総理大臣である。筆者は、野田内閣を歓迎したいと思っている。なぜなら野田佳彦は日本のリーダーとして極めて優れた資質を、少なくともひとつ有していると考えるからだ。野田総理は、鳩山由紀夫や菅直人と違い、目先のメディアの反応や支持率に惑わされて、おかしなパフォーマンスをしなさそうに思える。民主党政権になってからというもの、筆者が一番うんざりしてきたのが、場当たり的で突拍子もない思いつきの政策を、内閣総理大臣が急に発表することだ。もう素人のアイデアコンテストにはうんざりしている。皮肉なことに、国民やマスメディアに阿ることばかり考えていた鳩山由紀夫や菅直人の支持率は一直線に低下し続けた。 現実の社会は、法律や財政的な問題、そして国際政治など、多数の複雑な制約条件の中にある。そのような中で、一国のリーダーが思いつきで政策を発表することは許されない