唐沢寿明が貫き通す徹底したプロフェッショナリズムスーツアクターとして体を張っていた頃は“顔出し”が大きな目標だった。いまや日本を代表する俳優の1人。唐沢寿明は、くしくも50歳を過ぎて「イン・ザ・ヒーロー」で雌伏の時を追体験することになった。だが、演技に取り組む姿勢はシンプルに「一生懸命やること」と一貫している。高さ8.5メートルからのダイブや火だるまになっての殺陣などにも自ら挑み、その思いをより強くしたようだ。(取材・文/鈴木元、写真/堀弥生) 仮面ライダーやスーパー戦隊シリーズは今でこそ若手俳優の登竜門といわれ、スーツアクターも注目されるようになったが、唐沢が東映アクションクラブで俳優活動をスタートさせた1980年代はそんな呼称もなく、役を得るためひたすら鍛錬の日々だった。デビュー当時にもインタビューなどで話していたが、ほとんど相手にされなかったという。 「昔こういうことをやっていた、仮
