研究会の記録 安藤礼二『病める舞姫を読む』 宜しくお願いします。安藤と申します。私は実は舞踏関係ですとか演劇関係っていうのはあんまり関係ないところでずっと生きてきました。一応今、多摩美術大学という美術大学で教えているんですけども、基本的には文芸評論という立場でずっとものを書いてきています。文芸評論ですからまさに言葉がどうやって生まれてくるかとかそういったようなことを中心に、自分の研究といいますか自分の仕事を続けています。 そしてですね、私の最大の研究対象といいますか、それが折口信夫という人なんですね。折口さんというのはですね、みなさん民俗学という学問をご存知の方も多いかと思うんですけども、その中で柳田國男によって形作られた民俗学というものを、さらに独自の方向に押し進めた人なんですね。 いくつかの因縁がありまして、今年2010年なんですけども、そのちょうど百年前に何がおこったかというと、実は